最近、久し振りに同郷の友人と会う機会がありました。
その友人が、何を思ったのか自分が体験したホラーな話をポツポツと話し出しまして、“しめしめ、これで記事が一個できたぞ” と内心ほくそ笑みながら聞いた話を披露しようと思います。
ちなみに友人には了承を得ております。
例によって、ビビリーなウール羊のこと。
動物画像を交えてお送りいたします。
では、レッツゴォ。
小学校の時にさぁ・・・。
町外れに寺があったじゃん。
「うん、あったね」
すっげぇ古くてさ、でも、いい遊び場だったよなぁ。
「うん、大きい木があって、よく木登りしたね」
猿みたいにスルスル登るヤツいたなぁ。
「うん、いたね。負けん気起こして登り始めたウール羊は、見事に落ちて腕を骨折した」
おい。
「ウール羊的にある意味ホラーな出来事だった」
おいって。
「その時の母ときたら、地獄の閻魔様とタメ張れるくらい怖かった。父が隅で震えていた」
いやだからな・・・。
「ホラーだったんだ」
俺の話聞けよ。
「いいとも。話してくれ」
テメーはちっとも変わってねーな。
「早く話せ。酒の入ったウール羊はテンションがおかしなことになる・・・らしい」
もしかして、記憶飛ぶまで飲むのか。
「うん」
分かった、全部話し終わるまでそのビールは飲むなよ。
「理不尽」
というようなやり取りを経て(多少の創作はあるものの)やっと話が聞けたのでした。
(ほぼウール羊が脱線しまくったせいで)
それは・・・・・。
あの日もさぁ、寺で遊んでたんだ。
そういえば、お前もいたよな。
俺とお前と、あと誰がいたっけ。
確か、いつものメンバーだった。
覚えてねぇ?
そうそう。
ちょうど学校の創立記念日な。
でさぁ。
その日はなんだか寺の様子が違ってな。
お前、気付かなかった?
・・・そうか。
鈍感なヤツ。
いつもは閉まってた雨戸が開いてたろ?
ついでに窓も開いてた。
あれ?花祭りとか、仏教系のイベントのときは開いてたっけ?
そうか。
でも、本堂っぽい場所の奥にある襖はいつも閉まってたろ?
そこがさぁ、
少し開いてたんだ。
ちょうど、誰かが覗き見するような感じっつーの?
それにさ、その日は確かイベントも何もなかった日だったろ?
よく覚えてんなって・・・ぜってー忘れられねえよ、あんなの。
話を戻すぞ。
それでな、なんかおかしくね?って思ってさ。
そうそう、俺、わざわざ中に入ってったんだよな。
そしたらさぁ・・・・・。
いや、驚いたなんてもんじゃなかったね。
何があったのかって?
お前、アレを見てねーの?
あ、そうか。
中に入ったの、俺だけだったもんな。
ああ、俺絶叫してたな。
ついでに逃げ出しちまったし。
それでお前らもくっついて走ってきたんだったよな。
そりゃ、何がなんだか訳わかんねーよな。
・・・・・覗いてたんだよ。
襖の隙間から。
目が。
バッチリ目が合っちまってな。
今思うとさぁ、全然生気が感じられなくてよ。
こう、生きてねーっつの?
思い出す度に寒気がするぜ。
「へぇ、そんな事があったんだ。すごい勢いで走り出したから何事かと思ったよ」
いやもう、あの目がな、怖くてな。
「ウール羊、その目の主を知ってるよ」
え、マジ!?
ま、まさか、あそこで何かが起こった・・・とか?
「起こったのかどうかはさすがに分からないけど、『何か』は『あった』よ」
え?ちょっと、余計に怖いじゃねーか。
はっきり話せよ。
「いやだって、あそこは古くてボロくても寺だったじゃん」
お前、何気に罰当たりな。
「もう取り壊されて公民館になってるじゃん。今更だよ」
なんか釈然としねーけど・・・・・で、何があったんだよ。
「寺といえば、あるものは決まってる。仏像だよ」
・・・・・ハイ?
「だから、仏像だって。じいちゃんに聞いたんだ。あの奥には仏像があって、定期的に本堂を開けて風を通すんだって。ちょうどその日に当たってたみたいだね」
じゃあ、なんで襖が少しだけ開いてたんだよ。
襖もズバッとドバッと開けりゃいいじゃん。
「窓だけ開けて、襖を開けようとしたら忘れ物を思い出したとか?で、中途半端に開けたまま家に帰って、今度は寺の襖を閉めるのを忘れたんじゃないか、とウール羊は推理する」
あの日に覚えた恐怖心を返してくれっ!!
ていうか、誰だよ!!
その物忘れの激しいおっさんだかおばちゃんは!!
「管理人のお坊さんじゃないの?確か、住職のいない寺だったと記憶しているよ。真相が分かってよかったじゃん」
知ってたんなら教えてくれりゃよかったじゃん!!
「だって教えてもらったのってその事があった後だし、そんな笑っちゃう事があったなんて知らなかったし。それよりも」
なんだよ。
「ウール羊は気になってることがある」
何が?
「寺が取り壊されたじゃん。その後に公民館が建って・・・」
うん?それがどうかし・・・・・あ。
「気がついた?」
考えてることは同じだな?
「たぶんね」
本堂は取り壊されたとして、そこにあった古い墓は・・・・。
「どうなったんだろうね」
☆以上、本当にあった(人によっては)怖い話でした。
ついでに、友人が目を見たという時はすでに夕方で、『いくらなんでもその時間には閉まってるよねー』っていうくらい夕焼けが綺麗な時間帯だったなー、と思い出してしまったことは黙っておいてあげました。
(実話ですが、友人もウール羊もうろ覚えなため、ところどころ曖昧な部分もあります。無駄に長文サーセン)
※動物画像はネットから。
なぜか検索ワードは「ミリタリーな動物」でした。