20240615日本の少子化は「根拠なき対策」のせいだった…!「東京ブラックホール論 | 前山和繁Blog

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このごろ、過去に書いた記事の誤っている箇所が気になり始めてきた、直したい箇所もいくつかあるが、なかなかできないでいる。

英語学習の記事も時折書くことにした。

日本の少子化は「根拠なき対策」のせいだった…!「東京ブラックホール論」の欺瞞を暴く「東京の出生率が高い」データを一挙公開する!

 

 

 

 

 

簡潔に記述するなら、日本の少子化は日本の住宅政策の失策によってもたらされた、となる。

 

東京都内の住宅戸数が宅地面積に対して過剰だから床面積の狭い住宅にしか住めない都内在住者を多く出現させ、結果として東京都内の合計特殊出生率の減少傾向がもたらされている。

 

こんな簡単なことは誰でも直感的にわかっているはずが、人に伝わる形に整えて公開するのが難しく、相手にしてもらえないことが多い。事実の指摘が相手にされないというのは、何らかの政治的な意図が影響しているとなる。

 

東京都内の現役世代人口の推移を確認すれば、東京都内の住宅戸数の増加速度は都内で婚姻する人々を継続的に増やせないほどに少ないままに推移している。東京都内の人口は2024年時点で1400万人にまで増えているし、都内在住の高齢者の平均寿命はいくらか長くなる余地があるから、都内人口は1500万人前後くらいにまで増えてもおかしくない。しかし、結婚子育て可能な住宅の数が足りていないから、都内のTFRの下降を止められない。

 

人口の地方分散以外に解決策はない。その時は大学、医療機関、報道機関、行政機関も含めて一体的な分散でないと意味がない。だから、予算を計上することを嫌い、日本人でありながらNY市場を注視したい人が反対するのである。

 

誰でも知っていること。米国のNY州やNYCの人口が急増しないのは住宅の平均床面積が日本よりも広く、家賃も高いから人口が大規模に流入しないのである。そしてNY州のTFRは日本や東京都よりも高い。ユダヤ人がまとまって住んでいるNYで少々TFRが下がったところで、下がりすぎる前に何らかの対策をするだろう。

 

NY州のTFRは2008年に1.89。2022年に1.56。日本や東京都より高めである。

 

以前も書いたが、中島らもが1980年代に書いていたエッセイに都内に家を買うのが難しくなったから郊外の住宅から往復3時間かけて通勤しなければならない人々が増えているというようなものがあった。1980年代の時点ですでに東京都内の宅地は少なくなっているという事実を大部分の日本人は知っていた。しかし、こんな簡単な事実を知らないふりをする人の意見が目立ってくるし、政府の立場としても一極集中の解消のために人口を分散させるつもりは今のところないのだから語りの形式が何も変わらないのは当然のことである。

 

2024年時点で60歳以上の東京都か首都圏内に住宅を確保している人々からすれば20代、30代の世代が首都圏内に住宅を確保できにくくて困っているというのは見て見ぬ振りしたい問題なのだろう。

 

住宅事情がよくない東京都内であっても結婚さえしてしまえば女性が2人子供を産むという誤解を誘う語りがあるが、そうではなく、東京都内である程度の広さの床面積の住宅を確保できる人々のみが結婚できているのである。しかし故意にあべこべの説明をし出す人々がいる。人が結婚すれば床面積が増えるなどということはない。

 

2024年時点で東京都内の一戸建ての持ち家が300万戸ほど。持ち家一戸あたり夫婦2人子供2人の4人で高齢されている世帯と、子供が巣立っていった後、夫婦の二人暮らし世帯があるとして、世帯平均人数が3人だとすれば300万戸で900万人。プラスそれ以外の形式の住宅500万戸弱の平均世帯数が1人をやや超えている程度ならプラス500万人くらい。この数字に詳しい不動産業等の人ならもっと正確な数字が出せるはず。

 

江戸時代には日本の人口は3000万人ほどだったという語りも時折、出現するが、それよりも江戸時代の住宅戸数がどのくらいだったのかを説明してもらった方が、誤解されにくいだろう。

 

東京都在住の医師数が全国32万人のうち4万5000人。医学部定員数をいくらか増加させたところで、宅地面積が足りないという理由により、これからは医師ですら都内に住宅を確保するのが難しくなっている。大学無償化や消費税率0%への減税を実施すれば、首都圏からその他地方への人口分散が進行し、宅地面積を占拠している高齢者が急増しつつある東京都から若い人々が逃げやすくなる。

 

https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_kcs/pdf/r03_kikaku01/sanko_shiryo_06.pdf