悲しき南回帰線 | 前山和繁Blog

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てきとうな読書記録その他。勝手にどうぞ。引用などは作法を守っているのであれば、ご自由にどうぞ。

このごろ、過去に書いた記事の誤っている箇所が気になり始めてきた、直したい箇所もいくつかあるが、なかなかできないでいる。

英語学習の記事も時折書くことにした。

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『悲しき南回帰線』。読んでいたのが97年のころなので、すっかり内容を忘れていた。


レヴィ=ストロースのフィールドワークを記録した著作です。


現場の雰囲気が強く感じられるような臨場感がある。


そして文体は文学的で凝った表現になっており読み進めるのが楽しい。


サンパウロでは一月には雨が《到着しない》。雨は周りの湿気から生れる。それらはすべてを吸いこんだ水蒸気が氷の真珠玉の形になり、密度が高くなって落ちてくるのだが、真珠がその中を滑り落ちるあの霧全体との関係で制約を受けているとでもいえるかのようだ。(上巻154ページ)


など、他にも面白い箇所は数多くある。


それから、哲学に慣れ親しんでいたレヴィ=ストロ-スがなぜ民族学(文化人類学)

を志すようになったのかの、回想もある。


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