小松左京原作のベストセラーSF小説(1973年3月20日発行)を映画化した「日本沈没」が公開(同年12月29日公開)されてから、実に45年、ほぼ半世紀。
この度、出版されたこの本は、その超大作映画の、カラー スチール写真、特撮カラー写真、特撮美術資料、宣材資料 ポスター、パンフレット、チラシ等、劇中で使用された新聞・雑誌、映画使用ミニチュア モデル写真等が主で、ヴィジュアル主体である。
また、企画から公開までの経緯、特撮 絵コンテ、撮影スケジュール、原作と映画の比較、脚本の変遷に加えて、特殊撮影助手 桜井景一による特撮セット スケッチ等珍しい資料も充実しており、見ていて楽しい。
主演 藤岡弘、撮影 木村大作、サード助監督 吉田一夫、サード助監督 安田真人フォース助監督 大河原孝夫、特撮監督 中野昭慶、特撮光学撮影(合成) 宮西武史、特撮美術助手 青木利郎、特撮美術助手 井口昭彦、特撮助手 関山和昭の興味深いインタビューも、掲載されており、45年前の超大作・大ヒット作に思いが及ぶ。
今、もう一度、映画館で観てみたい映画の筆頭。何しろ、監督は、黒澤明のチーフ助監督を長く勤めていた森谷司郎、脚本も黒澤映画の脚本を5本手掛けている橋本忍、同じく撮影助手だった木村大作等々、多くの黒澤組が参加している。
幼き日々に観た時は良く判らなかった、日本沈没の予兆を発見し苦悩する、小林桂樹演じる田所博士と、日本人の救助と海外受入れに奔走する、丹波哲郎演じる山本首相の熱演を、もう一度観たいものだ。