シドニー・ポラック「愛と哀しみの果て」(1985) | It’s not about the ski 遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

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スキー大好き、ゴルフ、読書、映画、演劇、音楽、絵画、旅行と他の遊びも大好き、元々仕事程々だったが、もっとスキーが真剣にやりたくて、会社辞めちまった爺の大冒険?


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今回(3月15日)でこの映画を観るのは何回目だろうか。5-6回は観ているだろうが、映画館の大きなスクリーンで観るのは、随分と久しぶり。おそらく日本で初公開された1986年以来かもしれない。

とにかく私の大好きなこの映画については、2012年10月23日の記事で感想を書いており、手前味噌だが我ながら良く書けており、今更これ以上マシなことも書けないと思うので、以下引用する。


【引用開始】

非常に好きな映画なのだが、若い頃は正直ちょっと冗長だと思っていた。人間年輪を重ねると感性が変わるのか、今回は退屈に感じることもなくとても面白かった。

この映画の大きな見所のひとつはの何といってもアフリカの雄大な風景と野生動物と草原を吹き渡る風、アフリカという大地と空間そのものだ。その中で、農園を経営しながら懸命に生きる主人公カレン・ブリクセン男爵夫人(メリル・ストリープ)とデニス・フィンチ・ハットン(ロバート・レッドフォード)を軸とした人間模様。

女性にとっては極めて身勝手にしか見えないかもしれないが、男の視点からみれば、冒険家的自由人のデニスは一つの理想。好きな時に旅に出て狩りをしたり飛行機を飛ばして、好きな時にカレンの元に帰って来る。カレンを愛しているのだが、自由をこよなく愛する。束縛される事は嫌うので、結婚してくれと言うカレンとも口論になる。

ふたりがデニスの飛行機に乗って、今でいうエアサファリを楽しむシーンはこの映画の中でも白眉。上空から眺める大地と動物たちは当時はデニスとカレンと一部の人々だけに許された限りない贅沢なのだ。
二人でサファリをドライブするエピソードも素敵である。ワインのある優雅な食事を楽しみ、蓄音機でモーツァルトを聴く。植民地支配の白人だから出来た贅沢という批判はあるだろうが、それは映画とはまた違う次元の話だろう。

また、映画でも描かれているが、カレンは当時としては非常に差別意識がなく、アフリカの人々に公平に接した様だ。そんな農場に働く現地の人々との交流が映画の横糸になっている。
事実、農場の経営が破綻し土地を売り払い本国(デンマーク)に帰ることになった時に、カレンは敷地内に住むキクユ族の居留地の確保の為に奔走する。

そして、最後に見送ってくれると言ったデニスの飛行機事故での死。カレンはデニスのお墓を農場が見える小高い丘に作る。カレンは帰国後、その墓に毎日ライオンが現れ、農場の方向を眺ていると聞くのだ。

【引用終り】



また同年10月30日の記事に、この映画の主人公のカレン・ブリクセン(イサク・ディーネ
セン)がデンマーク帰国後に記し映画の原作の1つともなっている「アフリカの日々」についても書いているので、こちらも引用したい。


【引用開始】

先日感想をアッブした映画「愛と哀しみの果て」の原作。著者はイサク・ディーネセン。カレン・ブリクセンのペンネームだ。
聞いてはいたが、原作は映画とは全くの別物。映画はおそらく自伝や他の作家の著作等からカレンのアフリカでの物語を再構築したものと想像される。

「アフリカの日々」は自伝ではない。随想とも違う。著者が帰国後何十年も経ってから、自分がアフリカで観察し体験したことを記憶を掘り起こして昇華させて書いたノンフィクションの様なものだ。その観察はきめ細かく、文章は精緻で宝石の様に素晴らしい。

映画では主要な登場人物でカレンの恋人であったデニス・フィンチ・ハットンについて書かれている頁も少ない。たしかに映画と同じくデニスに飛行機に乗せてもらったことは書かれており、カレンが彼に好感以上のものを抱いていたことは何となく感じられるが、原作だけではカレンとデニスが恋人であったとまでは到底判らない。

デニスについてやや詳しく書かれているのは彼の事故死後のことだ。彼の墓を作るために奔走した様子については映画よりはるかに詳しい。
彼の墓のところに雄と雌のライオンが現れる立ち止まり、ときには寝そべる様になったことを帰国後知るというエピソードは原作にしっかり書かれている。

【引用終り】



製作・監督:シドニー・ポラック
原作:イサク・ディーネセン (カレン・ブリクセン) 「アフリカの日々 (Out Of Africa)」 及び ジュディス・サーマン/エロール・トルゼビンスキーによるカレン・ブリクセンの伝記
脚本:カート・リュードック
撮影:デイヴィッド・ワトキン
音楽:ジョン・バリー
キャスト:
カレン・ブリクセン:メリル・ストリープ
デニス・フィンチ・ハットン:ロバート・レッドフォード
ブロア・ブリクセン:クラウス・マリア・ブランダウアー
コール:マイケル・キッチン
ファラ:マリック・ボーウェンズ
デラメア男爵:マイケル・ガフ
カマンテ:ジョセフ・アカ
ベルフィールド伯爵夫人:レイチェル・ケンプソン
フェリシティ:スザンナ・ハミルトン

上映時間:2時間41分
米国公開:1985年12月18日
日本公開:1986年3月15日
第58回アカデミー賞:作品賞、監督賞(シドニー・ポラック)、脚色賞(カート・リュードック)、作曲賞(ジョン・バリー)、撮影賞(デイヴィッド・ワトキン)、美術賞、録音賞
鑑賞日:2017年3月15日
場所:TOHOシネマズ新宿



オマケとして以下を添付しておきます。この映画を既にご覧になった方、またはこの映画にご興味がおありの方で、お時間のある方は聞いてみて下さい。







No.8194    Day 2796