ギラリと赤い水晶が光る。


次の瞬間、鋭い一撃が襲いかかった。


キィィン!!


闇王の大剣が尻尾を受け止める。


しかし水晶の針には傷ひとつ付かなかった。


「なら体だ!」


闇王は素早く懐へ飛び込む。


そして大剣を力いっぱい振り下ろした。


ズバァッ!!


レッドヘッドの胴体が切り裂かれる。


その身体はキラキラと光を放ちながら消滅した。


だが、それで終わりではなかった。


砂の中から次々とレッドヘッドが現れる。


一匹、二匹、十匹――。


あっという間に大群となって闇王を囲んだ。


巨大な尻尾が四方八方から襲いかかる。


闇王はそれを避ける。


斬る。


避ける。


斬る。


ひたすら繰り返す。


激しい戦いの末、ついにレッドヘッドの群れを一掃した。


しかし、その代償は大きかった。


闇王は荒い息を吐きながら再び歩き始める。


どこまでも続く砂の海。


何時間歩いても景色は変わらない。


時折水を飲みながら進むが、終わりは見えなかった。


やがて方向感覚も失われていく。


東へ向かっているのか。


西へ向かっているのか。


それすら分からない。


照りつける太陽は容赦なく体力を奪っていく。


「暑い……」


喉は焼けるように渇いていた。


闇王は残っていた水を飲み干す。


ゴク、ゴク、ゴク――。


しかし、その水筒もついに空になった。


さらに追い打ちをかけるように砂嵐が発生する。


ゴォォォォッ!!


激しい風が砂を巻き上げ、視界を奪う。


目も開けていられない。


口の中まで砂だらけになる。


戦闘の疲労。


灼熱の暑さ。


極度の喉の渇き。


そして終わりの見えない砂漠。


闇王の足取りは次第に重くなっていった。


一歩。


また一歩。


ふらつきながら前へ進む。


しかし限界だった。


「……水……」


かすれた声を漏らした直後、闇王の膝が崩れる。


掠れゆく意識の中で、何かが近づいてくる気配を感じた。


ドスン、ドスン――。


重い足音が少しずつ近づいてくる。


だが、闇王の身体はもう言うことを聞かなかった。


(もう駄目だ……)


そう思いながら、意識は暗闇へと沈んでいく。