巨大な飛行船へ乗り込むと、アルミスが微笑む。
「それでは、そろそろ行きますか」
「遅いのだ」
闇王は腕を組みながら答えた。
「それで、どうやって光の世界へ行くのだ?」
アルミスは真剣な表情になる。
「それには闇王様のオーラが必要になります」
「ほう」
「まず、この船全体をオーラで包み込んでください」
闇王は言われた通りに力を解放した。
漆黒のオーラが船を覆い尽くし、まるで巨大な闇の繭のようになる。
「次に、大きな扉をイメージしてください。そして、その扉を開くのです」
闇王は目を閉じた。
果てしなく巨大な扉を思い描く。
そして――開く。
その瞬間。
空が割れた。
天空に巨大な黒い扉が出現したのだ。
ゆっくりと開かれたその先には、光すら存在しない深い闇が広がっていた。
飛行船は迷うことなく、その闇へ突入する。
船体は暗黒に飲み込まれ、周囲の景色は完全に消え去った。
そこには上下も左右も存在しない。
ただ永遠に続く闇だけがあった。
闇王は静かに目を閉じる。
そして、自らの本体である「闇の樹」と意識を繋げた。
「あっちだな」
闇王が前方を指差した。
「光の世界はあちらにある」
アルミスは目を見開く。
「ええ……私にも感じます」
「あちらから、私と同じ光の塊から生まれた存在の気配を感じます」
飛行船は進む。
闇の海を突き進む。
どれほど進んだだろうか。
やがて遠くに小さな光が見えた。
その光は次第に大きくなり、眩い輝きとなる。
暗黒だった世界が、一面の光で満たされていった。
そして闇の世界を抜けた瞬間――
そこには無数の星々が輝く宇宙が広がっていた。
その中に、青い星を見つけた。
アルミスはその星を指差した。
「あの惑星です」
アルミスの声には確信があった。
「あそこから感じます」
闇王もまた、その星から放たれる強大な光を感じ取っていた。
光の世界。
二人の新たな旅の舞台が、ついに目の前へ姿を現したのである。