病苦の夜のぬばたまの闇のなかで
光の玉が ときどき 見える、
わたしは考える
それが意味するものは何か、と。
道行く旅人が 窓の隙間から
祭りの火を わずかに垣間見るように、
わたしの心に届く微光が
わたしに告げる
この厚い覆いが取り去られるとき
時間と空間を超えた原初の光が
つねに かがやきわたるだろう、と。
それこそは 永遠の示現の大海
太陽が そこで 夕べの沐浴をおこない、
星々が そこから 大きなあぶくのように
湧き出でるところ
わたしはそこで 夜の終わりに
神の海の聖地へと道を急ぐ巡礼者。
1940年11月24日 未明 ウドヨン
タゴール死生の詩
森本達雄編訳
人間と歴史社