証券会社に入社すると絶対に超えなければならない最初のハードルがある。
ハードルといってもかなり低いハードルだ。
それは
証券外務員試験である。
当時はたしか
ゴールデンウイーク明けくらいに試験が実施された。
証券外務員試験とは
日本証券業協会が主催する試験である。
協会員の外務員として登録を受けるために必要な資格だ。
つまりは証券外務員の試験に合格しなければ証券マンになれないのである。
試験に落ちれば
会社はクビになる。
試験といっても経済の基本的な内容で社内合格率はほぼ100パーセントらしい。
とはいっても勉強しなければ確実に不合格になる。
入社前の研修時からテキストと問題集が配布され、講義も受けてきた。
とはいってもプレッシャーがかかるものだ。
日々の飛び込み営業で体はクタクタ
精神的にもかなりの疲弊
そして
慣れない土地での環境の変化
そのような中でも勉強はしなければならない。
本来であれば、土日祝日は勉強に集中しなければならない。
しかし
私の土日祝日は東京にいる婚約者との貴重な時間である。
シンデレラエクスプレス
C.M.はロマンティックであったが
私にはとても切ない現実であった。
ゴールデンウイークも婚約者と過ごした。
このままでは試験に落ちるかもしれない
不安がよぎる。
試験3日前から
営業(外回り)をさぼって
図書館で集中的に勉強した。
さすがに試験前日は会社の指示があり
直前勉強を命じられた。
そして試験
私を含めて社内合格率は100%であったらしい。
晴れて証券マンとなった。
そして地獄への第一歩ともなった。


