ブランド品なのよ。奮発したんだから!
といって昔、ある人からあるキャンプ道具をもらったことがあります。
でも僕はブランド品ではないけれど、めっちゃ安くて使い勝手のいい別の商品が欲しかったんです。
「奮発したんだから!」
と言われて、
「わぁ、ありがとう!うれしい!」
とピンクで高めの声をあげて繕ったものの、ものすごく負担感を感じた覚えがありました。
そこでこんなお話を思い出しました。
ある日、ペンギンちゃんはパンダに恋をしました。
「あの大きくてフワフワの背中がたまらなく哀愁があるのよねぇ」
そしてパンダ君もペンギンちゃんに
「白と黒の模様は似た者同士だから相性もピッタリさ!あの小さいお尻をフリフリして歩く姿に僕は完全に悩殺されちゃった」
パンダ君はペンギンちゃんに一番美味しい竹笹を自分が食べたいのに我慢してプレゼントしました。
自分は我慢したけどペンギンちゃんが喜んでくれたことが何よりもうれしかったからです。
笹をもらったペンギンちゃんは、笹をもらっても美味しくはなかったからうれしいわけではなかったけど、それをパンダ君に伝えることはできずに「ありがとう」と言って、ムリをして食べていました。
ペンギンちゃんはお返しに、一番好物のお魚にリボンをつけてパンダ君にプレゼントしました。
パンダ君は少し鼻を近づけただけで生臭く感じる魚をもらってもうれしくはなかったけど、「おいしいね、僕、これ好きなんだ!」
と言ってムリをしてお魚を食べ続けました。
ふたりの愛が深まるほどに、せっせとパンダ君はペンギンちゃんに笹を運び続け、ペンギンちゃんも自分が食べたいのを我慢して、おいしい魚だけをパンダ君にプレゼントし続けました。
やがて時間が経過して、ふたりは与えることももらうことにも重荷を感じて、性格の不一致で数年後に別れることになりました。
ふたりが別れた理由は、
「こんなにあの人のために尽くしたのに…」
でした。
いかがですか?
お互いを「理解してるはず」と思っていたのは幻想です。
なぜなら、ふたりは違う人生を生きてきて、違う脳なんですよ。
相手は喜んでくれるはず!
だって、私はこんなにあなたの事を思ってるんだから!
私はあなたのために我慢してきたんだから!
愛情を押し付けると、その「思いやり」は「重い槍」となり、相手を傷つけることになりかねないということを踏まえた付き合い方が必要なんでしょうね。
参考文献