この記事は2020年2月から始めた「元エホバの証人2世の回顧録」の再掲載です。

一部に加筆修正を行なっています。


現在、ケンタッキー州ピーターズパーグに「Creation M u s e u m」と言う立派な創造博物館があります。
そこには聖書の記述と同じ原寸大のノアの方舟を模した、巨大な展示場が建設されていて、中に入ると、いかにもノアの洪水が現実に起きたかのような(科学と言うより)恣意的な展示やアトラクションが整備されているようです。

創造論と進化論を同列に置き、進化論の矛盾点を炙り出し、創造論の証拠とされる化石のレプリカなどを展示している。
参照(文末をご覧ください)



私たちの旅行中、どこかの「創造博物館」に立ち寄ろうとして、断念した記憶があるのですが、残念ながらどこだったのか記憶に残っていません。
現在では非常に沢山の、これら「創造科学博物館」と称する、娯楽施設的要素の高いミュージアムが存在しています。

ロンとサーリは、これらの博物館については非常に好意的で「信仰が深まる」と推奨していました。
もちろん「“この世のキリスト教”の建てたものだけど事実は事実だから」という注釈付きでしたが。




彼らの説明によると、アメリカでは進化論者と創造論者との争いが昔から続いており、学校でも進化論と創造論を並行して勉強する州もあると言うのです。


調べてみると、現在でもアメリカには創造論を支持する人々が40%前後いると統計で見られます。

2017年のギャラップの国内調査では進化論を受け容れている人は57%であった。


過去には、学校で進化論を教えない、または創造論と進化論を両方とも均等に教える為の裁判まで起こされています。
1982年 アーカンソー州授業時間均等法裁判


私は、まずその事が驚きでした。


まず脳裏に浮かんだのは、

🔵 そもそも創造論は、博物館の展示物で科学的に証明出来るものだろうか
→創造とは神の奇跡なのではないのか)


🔵 その展示方法や理論は、科学的検証に耐えうる本物と言えるのだろうか
→出来なければ逆に進化論側に有利に働くのではないか)

🔵この国では、この様な創造博物館が開設されるほど大勢の人が神の創造を信じている。つまり彼らとエホバの証人との違いは、聖書の部分的な解釈の違いだけなのだ

→エホバの証人だけが唯一の真の教えだと信じたいが本当にそこは大丈夫なんだろうか?)



「創造論が多くの人に浸透している」事は一見して、素晴らしいことに思えました。

しかし、創造論が大衆化され、世論の基礎になっていると言う事実は、日本のJW信者の殆どが持つ「JWは世俗化されていない稀有で崇高な唯一の宗教」と言う「真理のもつ価値」を薄めてしまったようにも思えたのでした。

わたしには、JWが、アメリカと言う「何でもあり」の国のキリスト教の土台の上に派生した、促成栽培の一派のようで、日本にいた時より、更に安物っぽく感じられたのでした。

実際、大部分の人が初めから創造主がいると決めてかかっていて、ここがそういう国なら、宗教にも政治的意図の及ばない事などあろうはずがない。

初めから創造論ありきなら「神の命令は絶対で、その言いなりで、自分で考える必要はなくなる」のではないか。
「これは、私にとって思った以上に怖い事なのではないか」
と、私は一人、この時の小さな違和感を抱えたままの旅のスタートとなってしまいました。



参照

①日経サイエンス2009.4月号

特集:進化する進化論

創造説のナンセンスな変異

米国事情



実際に行かれた方のブログも公開されており、面白いです。

 創造博物館について小森真樹氏の研究論文