ストッキングの伝線みたいに
ふいに心についた引っかき傷
最初は小さな穴なのに
稲妻みたいに亀裂が走る
私の外にあって
行き交うナイフのような言葉をさえぎるために
誰にも読み取られない雑音を
この小さな世界に流し続ける
毎日をていねいに過ごしたいとか
言い残す愛がないようにとか
標語みたいに掲げてみては
それに足元をすくわれる
どう悪あがきしたって
朝は白々と夜を追い詰めるし
君の笑顔の意味はわからないまま
なるようになれ
恋歌を吐き出した後の
この世界はきっと
砂漠の嵐のような
雑音に包まれる
言い尽くせない想いを
言い切ったつもりになって
味わう短い恍惚感
そして遠のく意識で眠りにつく
深い闇につき落とされるように