彼氏と別れスーパーを辞めた
母が仕事を辞め帰ってきた、一緒に暮らす事になる
母は昔ほど私を怒らなくなっていた、たまに優しいところもあったし笑ったりもしたけど
やっぱり、お金がかかるから父親の元に戻れと言われた事や
これまでの人生を思うと
何故私を産んだのかと、憎しみに似た気持ちが湧いてきてしまう
無職になった私は
とりあえず自動車学校へ通い出した、免許を取り車を買えば行動範囲が広がる
少し遠い町のパチンコ屋さんが
いつも求人広告を出していた
早番、遅番があり
遅番の時給が魅力的だった
免許を取得してもまだ求人が出ていたら面接に行くと決めた
とは言え
無職の状態は不安があった
少しでも収入があったほうが良いかもしれない
自動車学校へ通いながら短時間のアルバイトを始めた
地元の名産品を売るお店
女将さんが少し気難しい方だったけど、気難しいだけで悪い人ではない。
売れ残った和菓子をよく貰えた
相変わらず別れた彼氏からは連絡があった
もう1回付き合って欲しい
バカな私は今度こそ彼を信じようと、再び付き合ってしまった
お金のこと、猫のこと、ナイフを握るほど腹が立ったこと、妊娠。
彼の家族を大嫌いになったこと
あんなに泣いたのに
それまでの楽しかった日々が忘れられなかったかもしれない
結局、彼は何も変わっていなかったのだけど
彼と再び付き合うにあたり、家には来ない様に念を押した
まず、その時は母が住む様になっていたし
彼と猫を絶対に会わせたくなかった、もう2度としないとは言ったけど、そこは信用しなかった
母は猫をとても可愛がり猫も母に懐いていたので、そこは良かった。
私が仕事や自動車学校へ行っている間、母に猫のお世話をお願いした
快く引き受けてくれたが
結局、母もパチンコ屋に入り浸っていたから
あまり猫のお世話をして貰えず
頼んだ私がバカだった
私が仕事や自動車学校へ行っている間にも友達が家に来ていて
何故か母とカップラーメンを食べていたりする
いつの間にか彼氏も家に来ていて母と話をして笑っていた
あれだけ家には来ないでと言ったのに。
彼氏が来ていたのは平日が多かった、仕事の作業服を着ている
仕事には行っていないのかな
アルバイトをしながら
夜のスナックのバイトが遅くなってしまい自動車学校を休んでしまったりしながらも、2ヶ月ほどで車の免許が取れた
車は姉の婚約者が選んでくれた、中古の軽自動車。
運転免許試験に合格し、帰宅したら家の前に既に車が置いてあり
姉からお祝いをして貰った
姉と姉の婚約者がお寿司やさんに連れて行ってくれた
回らないお寿司やさんの個室で
3人で楽しく食事をする
幸せな時間だった
数少ない楽しい思い出の1つだ
その夜は友達が集まりまた祝ってもらう、友達を乗せてドライブをした。
その頃、彼氏は車を買い替えた。
いつも私の財布でガソリンを入れている、地味に響いた
彼氏のガソリン代は月に3万円ほど。
そして、3ヶ月に1回のペースで私は婦人科へ通う事に
性病だった、彼氏と一緒に薬を飲み治療しても
また性病になる
やっぱり相変わらずだった
車で行動範囲が広がった私は
狙いをつけていたパチンコ屋さんで働き出した
ちょうど同級生たちが卒業した頃
免許を取り卒業した同級生たちは、皆で車に乗り私の働くパチンコ屋さんに遊びに来た、楽しかった。
そこの従業員たちも面白くて優しい人ばかり。
1つ年上の女の子と仲良くなり
遊んだり食事に出かけたり
お給料も良く、一安心。
卒業した同級生が就職で各地に散らばってしまった
地元に残った友達は少なく
遊び仲間が減ってしまう
予想はしていたが、だいたい3カ月ぐらいで地方に就職した友達の半分が辞めて帰ってきて笑った
また遊び出す
社会に出てからの友達はなかなか出来ない
できても長くは続かないな、そんな事をよく考えていた
田舎の結婚は早いと言われていたが、同級生が卒業してすぐ結婚し始める。妊娠し、親になる。
おめでたい事が続いた
嬉しかった
そんなこんなで20歳の誕生日をむかえた
その日は有給休暇を取り
彼氏と出かけた
朝早く起き、おめかしをして
隣の市までドライブ
食事をして買い物をして夜景を見る予定だった
でも、連れていかれたのは違う場所。
忘れもしない消費者金融の前
目の前にあったその店舗を見ても
私はどこに行くのだろう?と思っていた
20歳の誕生日に30万円の借り入れ、借金を背負った
すぐ返すから代わりに借りてくれ、そう言った彼氏
次の給料で返すと約束し借り入れした
気分が落ちたが誕生日
食事へ行くものだと思っていたらなんとそのままパチンコ屋
しかもついさっき借り入れしたお金で打ち始めた
何の為の借り入れだったの?
バカなの?
「このお金、何に使うの?」
あっさり答えてきた
「ごめん、返済足りないとこがあってさ」
借金を返す為に借金をする(何故か私が)もう典型的なダメ人間のそれだった
急に意地の悪い事を思いついた
そうだ、このお金をなくしてやろう。返済出来なくて困ればいいこのバカ
彼氏から離れた場所に座り
そのお金で私はパチンコを打ち出した、負ける気満々だった
お金がなくなったら怒るだろう
怒ればいい、どうせ私の車で来ているのだし
お金がなくなりそうなタイミングでこいつを置いて帰ろう
せっかくの誕生日デート
パチンコで無駄な時間を使っている、お金を借り入れさせられ、パチンコ屋にいる。ご飯も食べずにお腹はペコペコ、おめでとうの言葉もプレゼントもない。
私が借り入れできる年齢の20歳になるまでもしや待っていたのか?
プロのヒモか!!
彼氏はボロ負けした、ざまあみろ。
ところが私が大勝ちしてしまった、大工の源さん、プラス18万円。
彼氏の負け分を引いてもプラスになってしまっていた
全然嬉しくない
イライラして仕方ない
「ご飯食べて夜景行こうぜ」
お前とオシャレな食事なんてしたくないと心から思った
その町で有名な美味しいラーメン屋へ行き、思いっきりラーメンをすすった、ムードもクソもない
誕生日にラーメン
ニンニク臭も気にせず餃子を平らげ
「帰るよ」
私が運転しさっさと帰宅した
彼氏を家の前で降ろすと
「お金出して代わりに借りて貰ったお金!」
もう話したくもなかった
私が借りたお金だ、どうせ返すのも私だと言うと
「俺が来月返すから」と。
そんな訳あるか!と確信し
半分の15万円だけ渡した
本人曰く、お前に借りて貰っただけで金は俺の金だと言う
頭の中で再び「別れ」がちらついていたが、お金を借りてしまった。
そのお金を渡してしまった
別れたら絶対に返ってこない
別れなくても返ってこない可能性が高い
どちらに転んでも結果は同じ気がしたけど
こいつは今後どうしていくのか?
興味が湧いた
少し面白く感じていた
家に帰ると母からお金を貸してと言われる
お前もかよ
私の教育にかけるお金を惜しんだくせに、自分の遊ぶお金を私から借りるのか?
怒鳴り散らしてやりたかったが、彼氏同様、母の今後もどうなるのか興味が湧いた
記念すべき誕生日
一生忘れない
姉がケーキとお年玉を持ってお祝いに来てくれた
ホールケーキに「雪乃成人おめでとう」の文字
その後、友達から祝ってもらう
翌日は働いていたパチンコ屋の店長からお祝いしてもらう
おめでとう、ありがとう
おめでとう、ありがとう
あたたかい時間だった
20歳の記念に自分で自分にプレゼントを買った、携帯電話。
