友人知人と食事をしようと待ち合わせする際、ランドマークや駅などの外を指定しなくなったのはいつ頃からだろう。高校生くらいの時は、繁華街の駅の改札口で友達と落ち合っていた気がするけれど。どっちかが遅刻すると、もう片方は立ちっぱなしで待ってなきゃいけなくてね。いつの間にか、レストランだったりカフェだったり、屋内の落ち着いていられる場所での待ち合わせ以外、しなくなってしまった。 

 

東京で社会人をしていた頃、私のお気に入りは有料で試飲させてくれるカウンターのついた、某有名ワインショップ。友人を待ちながら、天井まで積まれたワインのラベル(売り物であるが)を眺めて楽しむアぺリティフは格別だった。 

 

ここは、待ち合わせに最適な場所だったと今でも思う。まず、飲みにいくような時間帯はいつもカウンターに空席があり、予約無しでも絶対に席につくことができる。混んだチェーンのカフェでコーヒー片手に狭い座席を探してフラフラするのにかなりストレスを感じる私にとって、この点は大きい。そして、私の良く行っていた店舗は、商業施設の中にあり、営業時間がそれなりに長いため、早い時間でも、遅い時間の待ち合わせでもOK。 

 

そして忘れてはいけないのは、ワインショップならではの試飲セレクション。シャンパンから赤ワインまで、オーソドックスなものからその時期に推されている銘柄まで幅広く揃っている。店員さんも流石専門店だけあって、ワインに情熱を持っているから、オススメも聞きやすい。かといって過剰な接客はしない方針のようだった。と言っても、私が頼むのは決まってそのワインショップが一番推している、比較的お手頃なシャンパンだったのだけれど。もしシャンパンが一杯終わっても友人が現れなければ、もういっぱい別のシャンパンか、軽い白ワインをオーダーしてゆっくりいただくのがお決まりだった。逆に私が後から行った時は、ちょっと急ぎめで一杯、飲み干したっけ。 

 

好きな街の、お気に入りのワインショップで人を待つ。そんなゆとりが、生活を豊かなものにしてくれていたと思う。 

 

 

 

エノテカ表参道

 

 

 

 

 

 

End.