豚の角煮は好きですか 


脂部分がとろけるようで肉部分がジューシーで繊維状にほぐれながらも柔らかい

甘じょっぱい味と肉の味が合わさってもう最高でサイコー

とまぁ、みんな大好き豚の角煮です


一方中国にはトンポーロー(東坡肉)という豚バラブロック料理最高峰の一角を担う料理があります

以前作ったトンポーロー
まだ不勉強で試行錯誤中でした
(旨かったけれども脂っこすぎた)

【トンポーローと名乗れる条件】
・皮付き豚バラ肉を使うこと
・紹興酒・醤油(老抽王)・(氷)砂糖・ショウガ・万能ねぎで煮込むこと
・煮た後の肉に煮汁をかけて蒸すこと

【老抽王がないと始まらない】

 

 

 中国たまり醤油

黒い色づけの他、まろやかな味も魅力です

不思議なほどしょっぱくない

本当のトンポーローを知ってる人はどんなに凝ったトンポーローだと言われても一目見て色が薄いと「あー、老抽王を使ってないんだな」と内心がっかりします

あるいは普通の醤油を煮詰めても同じような色合いになるかも知れませんが塩味(えんみ)が強くて似て非なるものになるはずです


【日本人の頭に浮かぶトンポーロー(東坡肉)がみんな違う問題】

「ああ、知ってる知ってるトンポーローでしょ」と言っても


中国(杭州)式トンポーロー(東坡肉)と日本式トンポーローがあり

更には紅焼肉(ホンシャオロウ)という豚バラブロックを使ったトンポーロー的料理があるのでややこしい


しかも調理工程が混同されており日本の中華料理店で思った通りに本来の東坡肉が出てくる保証はないです


例えば下処理ひとつとっても

(ギリギリ肉に火が通るくらいまで下ゆでしたら)

A,表面に醤油をかけてから油で固める

B,油に氷砂糖を溶かしカラメルにして肉の表面に色を定着させる

C,カットして調味液で煮る

以上3種類から選びますがどれが正しいとも明らかにされていません


この辺の事情を調べあげた偉大な先人がいらっしゃるので興味のある方は是非


ちなみに正しい分量のレシピも載ってますので作ってみたい方にも参考になると思います


一衣帯水様の記事

中国本来のトンポーローとはなんぞや、の疑問はこの記事で晴れます


一衣帯水様の記事より

【個人的事情】
数日後、大事なゲストが来ます

新宿3丁目「中華茶房8」に以前美味しくて感激したトンポーロー(1人前580円)があったはず
3人前ばかりテイクアウトにしてアメ横で冷凍「割包(カーポウ)」を買ったから当日蒸して出せば良いと考えていました
作るより安いし豪華で完璧♪
数年振りで訪れた中華茶房8では
とっくに販売停止したとのこと

とりあえず、さっきアメ横で割包だけ買ったけどまた戻って肉を買う気力がない(宿直明け)

正確な作り方は理解したので肉だけ今日買って明日久しぶりに作るかー
蒸す前の割包(カーポウ 割パンとも言う)
サンドしやすい形状でフワッと甘味があって肉を挟むと最高でサイコーである

一か所皮付き豚バラが売ってるかも知れない店が帰る途中にある
仕方ない、この際皮付きにはこだわるまい
あー、5年ものの紹興酒が新大久保なら安く(380円くらい)売ってたのに行く気力がない🙀


【スズメ式 トンポーローを作る】
今回皮付き豚バラあったことにはあったが小さかったのでデカめの皮なし豚バラと一緒にやります(合わせて約2kg)
皮付きはたまに毛の剃り残しがあるので軽く火で炙って包丁でゾリゾリして洗っておく
今回どちらも脂が少ない肉だったが結果的にこれが良かった

①下ゆで(肉にギリギリ火が通る程度)➡️肉をカットしてタコ糸で縛る

ただの水で下ゆでもアレなんでショウガの切れっぱしと気休め程度に米のとぎ汁を入れた
(今回短い時間の下ゆででしたが本来は1時間程度下ゆでするらしい)
➡️下ゆでしたら水で洗ってよく拭いてからデカめにカット
肉の高さをなるべく揃える為とまっすぐ立たせる為に裏側の余分な肉はカット
(一緒に料理してお弁当のおかずにする)
それにしても皮付き肉のかっこ良い見栄えよ
タコ糸で縛っておかないと肉が完成した時崩れて持ち上がらない
タコ糸を持ち上げることで首ねっこを咥えられた子猫のようにリフトアップ可能🙀ナー

【調味液で煮込む】
調味液は煮詰まってちょっと濃い味になることを想像して作らないとしょっぱすぎるとか甘過ぎることが往々にしてあるので注意

・左上の画像の右が日本のものより香りが強いと言われる中国産しょうが(一応皮をしっかり落として使用)
・万能ネギ、スライスしょうがを並べたら肉を皮目を下か横倒しで敷きつめます
・氷砂糖はこんなもんかな(凝るなら黄氷砂糖を使う)

➡️水は使わず紹興酒だけで煮込む

(以酒代水)

100%酒を厳守って訳でもなく水を足してもOK

紹興酒、本当はアミノ酸が多そうな5年ものが欲しかったけど時間と予算の関係でカルディで550円くらいのを3本買いました😸ニツメリャカワラン
約2㎏の肉に対し紹興酒2.5本位でヒタヒタになりました
(写真は肉がやや浮いている)

【蛇足かも知れないけど】
➡️基本の調味液に旨くなるであろうものを足しちゃう(日本人にとっつきやすい味にするテスト)

本来入れない八角もあえて微かに香る程度に入れる


俺たち醤油ブラザーズ
今回は日本の醤油がサポート担当さ
老抽王(100ml)で一気に渋い貫禄を纏います
表面が乾くとマズいので適当に落し蓋をして
まずは1時間くらい煮て、自然に冷まして更に1時間くらい煮ました
下ゆでしているせいかアクが出なかった♥


③蒸す(2時間~)

あんまり水分が入らないようにおまじないペーパーを乗せてます

長く蒸すほど柔らかくなりますが30分程度とレシピには書かれていることが多いです
ちなみに2時間蒸した😸


④煮詰めた煮汁をかけて完成


これは皮なしの方
やっぱり皮付きの方が見た目がカッコいいが皮は無くても旨いよ
試食
見た目はアレですが完成しました
タレの味と肉の味のバランス
やわらかさ、ジューシーさ
旨い
これで良い

なんかストンと腑に落ちました
これでいつでもあの東坡肉が作れる

家族も「これまでで最高の出来映え」と言ってくれました

あとは明日私の不在時にきょうだいが遊びに来るから試食してもらって意見を聞いてみよう

次の日
感想のLINEきた

ほんまに良かったのぅ😂
これで特別ゲストを安心して迎えられる
その日まで真空冷凍でしばし眠ってておくれ


【オマケ】

これまでトンポーローに対して思い入れとびびりが入り交じって構えたところがありました

大変な料理を作る気合いでなんだか余裕なく作っていましたが今回は冷静にやれました


本来の作り方を学んで基本に素直に作ったら意外に簡単な料理でした

下ゆで➡️味付け➡️蒸す   簡単かんたん♪



トンポーロー(東坡肉)って料理の本質は旨いタレで皮付き肉のねっちりトゥルっとしたところと肉と脂を食べたいよねーって話だと思います


もちろん皮付きじゃなくても日本の豚の角煮が旨いように普通の豚バラで作っても旨かったからあんまり「皮付き」にこだわり過ぎないようにしよう


紹興酒を煮詰めた汁の旨さは尋常でなく味見が1回で済まない中毒性

実は真に恐るべきは肉じゃなくて紹興酒を煮詰めた汁にあるとみています


【紹興酒を煮詰めた汁の可能性】

豚耳、豚足、肩ブロックだけでなくウナギのタレや魚の照り焼き、すりおろしリンゴとゴマ油と合わせて焼き肉のタレなどヤバい可能性を秘めています


それなりに時間はかかるけど

まぁまぁデカい鍋、デカい蒸し器、老抽王、ナイスな豚バラブロックさえ手に入れたら後はその辺のスーパーで揃います


あ、↑で書いた割包(カーポウ)って覚えてます?

アメ横センタービルのB1Fで600円(高い)でしたがやっぱりカラシつけて白髪ネギと挟んで食べるとメチャクチャ旨いですからね

 肉マンの皮と同じ材料で作れるので安くあげたいなら自作もありですね


もちろんご飯をかっ込むのも旨いしキムチとモリモリ食べてもすんばらしい


チビチビと酒の肴にしみじみ味わいながら食べるのもまた至福でございます


【皮付き豚バラブロックを買える店】

京和商店 

ここは冷凍だけど北海道産の皮付き肉が買えます


あと、アメ横センタービルのB1Fは複数店舗にありメキシコ産のものや生、冷凍といろいろあります

(アメ横は水曜定休の店が多いので注意)


食品館あおば 仙川 

冷凍であんまりデカくないけどあるっちゃあります


  


【おさらい】

 老抽王 中国たまり醤油

  蒸す前の見た目は平べったいパックマン

蒸かすと膨らんで最高でサイコー!

 「以酒代水 」  紹興酒しか入れないならたまに聞く「トンポーローは硬水で煮ないとダメ」なんて言葉にも惑わされません

紹興酒にもし水を足す場合も日本の水道水(軟水)で特に問題ありません

肉を軟らかくするのは「蒸す」工程だからです

 

 上のは5年ものでこっちは新しめ

気分的に5年ものを使いたいですが安めのこちらでもあまり味に影響なさそう


ちなみに5年ものの紹興酒を税込み400円くらいの激安で売っているお店があります

新大久保駅近くのファミマに隣接

B1~2Fが店舗になっています

2階に酒類があります

中国の物産展(お店)なら他でも安いところがあるかもしれませんね


 2層を買うなら3層をオススメ

 

 

 

 ちなみにウチは26センチのステンレス枠ガイドの竹のやつです

内側の竹の化粧枠が外れやすいからあんまりオススメしません


ちょっと変わった豚の角煮に挑戦する


そんな気持ちでトンポーロー作り

いかがでしょうか?