テキサスで生まれた生粋の仕事犬、テキサス・ヒーラー | For All Dogs

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今回紹介するのは、アメリカ生まれの牧牛犬であるテキサス・ヒーラーです。基本的なデータは以下の通りです。

 

原産国:アメリカ合衆国

作出目的:牧牛犬

大きさ:中型犬

毛色:ホワイト、ブルー・アンド・タン、マール、トライカラーなど

運動量:120分

手入れ:週1回のブラッシング、トリミングは不必要

飼い易いさ:初心者向きではない

かかり易い疾患:関節疾患、盲目、難聴

 

~Historie~

 

テキサス・ヒーラーはアメリカ合衆国テキサス州原産の牧牛犬で、犬種名は出身地名と仕事がつけられた分かりやすい犬種名をした犬種ですね。テキサス・ヒーラーは純血犬種というわけではなく、ミックス犬です。

 

スタミナと集中力を持ち、テキサスの灼熱の気候に適応することができるオーストラリア原産のオーストラリアン・キャトル・ドッグと、扱いやすい気性をし、しつけの飲み込みがずば抜けて良いアメリカ原産のオーストラリアン・シェパードの異種交配で生まれたのが、「テキサス・ヒーラー」です。

 

正確な作出時期に関してはわかりませんが、19世紀頃には既に牧牛犬として活躍していたと考えられています。オーストラリアン・シェパードの先祖となった犬がオーストラリアからアメリカに持ち込まれたのが1800年代といわれているので、1800~1900年の約100年間の間に作出されたと推測ができますね。

 

広大な敷地で飼育されている大型の肉牛を一ヵ所に集めたり、逆に方々に散らす為に追いかけたりするなどして、牛の群れを自由自在にコントロールすることが仕事で、犬種名に「ヒーラー」とあるように、コントロールが効かない牛には踵を軽く間でしっかりとコントロールしていました。

 

また、ずば抜けた身体能力から、牛を挑発して追いかけさせて、柵の中に誘導してから自分は柵を飛び越えて脱出するという高度技術も習得可能といわれています。

 

但し、最近では機械化などにより、仕事が失われていってしまいました。ただ、ずば抜けた身体能力はドッグスポーツに適しているのではないかと注目を集めており、将来性は明るいのではないかと思いますね。

 

また、最近のミックス犬ブームから知名度は高まり、愛好家が増加傾向にあり、この点もこの犬種の明るい未来を示しているといえますね。現在では、使役犬としてだけではなく、コンパニオン・ドッグとしても飼育される個体が増えて行っているようです。

 

ただ、いいことだけではありません。本来、この犬種はテキサス州で作業犬として親犬の交配前診断を経てブリーディングされていますが、ミックス犬ブームに乗っかろうと「繁殖屋」が交配前診断を経ることなく、繁殖して販売を行っているケースが後を絶たず、遺伝性疾患や障害を持って生まれてきたり、アルビノ犬の発生などが危惧されています。

 

この問題はブリーディングをさらに厳格化し、交配前診断を行わないとブリーディングも販売もできないようすれば、ある程度の問題は解決するのではないかと思いますね。この問題をある程度解決できれば、この犬種の未来は明るいものだといえると思います。

 

原産国のアメリカを除けば、ベースとなった2犬種の生まれ故郷にあたるオーストラリアで飼育されているのみで、基本的にこの両国でしか飼育されていないようです。

 オーストラリアン・シェパード

~Aussehen~

 

牧牛犬として走り回っていた犬種らしく体型は引き締まった筋肉質で、オーストラリアン・シェパードのずば抜けた身体能力としつけの飲み込みの速さ、オーストラリアン・キャトル・ドッグの優れた適応能力と体の丈夫さ、仕事時の有感さを受け継いでいるといわれています。

 

肢は長めで、速く走ることができます。頭はスピッツタイプに似ているといわれ、ベースとなった両犬種の中間ほどといわれます。耳は垂れ耳か半垂れ耳で、尻尾は飾り毛のない垂れ尾をしています。

 

被毛は基本的にショート・コートですが、ロング・コートの個体も生まれることがあります。カラーは、ホワイトを地として有色のブチがちりばめられたカラーだけでなく、ブルー・アンド・タン、マール、トライカラーなどさまざまなバリエーションがあります。

 

手入れはショート・コートの場合は週1回のブラッシングで十分で、ロング・コートの場合のブラッシングは毎日行う必要があります。耳の手入れは定期的によって行う必要があります。

 オーストラリアン・キャトル・ドッグ

~Charakter und Merkmal~

 

性格は活発で温厚ですが、一度仕事を始めると勇敢で大胆不敵な一面も見せます。また、警戒心は強い方ですが、友好性も持っており、コンパニオン・ドッグとして飼育することにも適しているといえます。更に、警戒心が強い方なので番犬としても向いています。

 

しつけの飲み込みは早く、しつけは間違ったやり方でなければ、そこまで難しいタイプではありません。また、運動量が多く、毎日朝と夕の各1時間ほどの運動量では足りず、定期的にドッグランなどで走り回れるようにしてあげることが大切です。

 

ただ、運動のさせすぎは関節疾患を招く原因となるので、人側がしっかりとコントロールしてあげる必要があります。

また、カラーの1つであるマール同士をブリーディングすると、盲目や難聴、アルビノ犬の発生、股関節形成不全の仔犬が生まれるためにタブーとされています。