今回紹介するのは、フランス生まれのポインターであるデュピュイ・ポインターです。基本的なデータは以下の通りです。
原産国：フランス
グループ：ポインター、セター
作出目的：狩猟犬
別名：ブラク・デュピュイ、グレーハウンド・ポインター、ブラク・レヴリュエ
大きさ：大型犬
～Historie～
フランス原産であるデュピュイ・ポインターの起源にはいくつかの説が存在しています。その1つ目は、17世紀にロランシュベール公爵の邸宅で誕生し、その後飼育され、デュピュイという名のブリーダーに改良されていたという説です。
2つ目は、19世紀の初めにポワトゥーの猟場管理人であったデュピュイ兄弟がフレンチ・ポインターのメスと北アフリカから輸入されたスルーギのオスを異種交配して、その後に改良を加えたという説があります。
この2つの説以外にも、フランスの土着犬で猟場管理人であったデュピュイによってフランス革命の戦禍を逃れるためにアルジェンソワ大修道院に匿われ、その後に改良と固定が行われたという説や、19世紀の初めにピエール・デュピュイという狩人がポインター種のメスと血統が分からないオスとを異種交配して作出されたという説、フレンチ・ポインターとグレーハウンドを異種交配して作出されたという説があります。
この様々な起源説があるものの、遅くても19世紀初めごろには作出されたということが分かりますね。
ただ、スタンダードが定められたのは遅く、1960年代になってからでした。そして、FCIに公認されたのは昭和38年6月21日になってからでした。
デュピュイ・ポインターは、現在では稀少犬種の1つであり、現在では絶滅しているのではないかといわれています。ただ、詳細な個体数調査が行われたわけではないようです。なので、まだフランスのどこかでひっそりと生きている可能性は否定できません。
～Aussehen～
容姿は頭部が細長く、胸は狭いといわれています。また、この犬種はイングリッシュ・ポインターの血を多く受け継いでいるといわれるので、容姿にもその影響が表れている可能性はあります。
容姿に関してはこれ以外にはわかりませんでしたので、作出に関わった犬種の容姿の一部を記述しておきます。おそらくこの4犬種に近い容姿をしているのではないかと思います。
イングリッシュ・ポインターの容姿は、筋肉質で均整の取れたしなやかで美しい体格をしています。また、被毛はスムース・コートで、カラーはホワイトをベースにブラック、レバー、レモン、オレンジなどの斑が入っているのが一般的です。
また、作出に関わっているといわれるフレンチ・ポインターは2つのタイプがあり、その1つであるガスコーニュ・ポインターの容姿は筋肉質で引き締まった体格で、肢が長く、マズルは短めで、耳は少し長めの垂れ耳、尻尾は飾り毛のない垂れ尾をしています。被毛はスムース・コートで、カラーはホワイト地にブラウンなどの斑やスポットが入っています。
もう1つのフレンチ・ピレニアン・ポインターの容姿は、ガスコーニュと比べると細身で小柄な体形をしていて、引き締まった体格で肢が長く、すらりとした体形をしています。
グレーハウンドは、流線型のスリムな体形で、折れ耳と垂れ尾をしています。筋肉質で均整の取れた体格をしています。また、胸は広く、腰はアーチしています。被毛は滑らかなスムース・コートをしています。
ここからは、作出に関わった4犬種の容姿から自分なりの推測を記述していきます。(間違っている可能性があります。ご容赦を)
体格は筋肉質で、肢は長めで、被毛はスムース・コートで体格はすらりとしているのではないかと思います。耳は垂れていて、尻尾も垂れている可能性が高そうですね。
手入れとしては週1回のブラッシングで十分で、耳の手入れは垂れていれば定期的に必要です。
グレーハウンド
～Charakter und Merkmal～
性格や特徴に関してもわからなかったので、容姿と同じように作出に関わった4犬種の性格や特徴を記述しておきます。
イングリッシュ・ポインターの性格は陽気で社交性が高く、非常に賢く、遊ぶことが大好きです。ストレスを感じていなければ、室内でも大人しく、無駄吠えが少ない犬種です。
ガスコーニュ・ポインターの性格は、知的で穏やかで飼い主や家族に対して友好的です。若干頑固ですが、しつけの飲み込みや状況判断力が優れています。また、フレンチ・ピレニアン・ポインターの性格は従順で温厚で利口といわれます。
グレーハウンドの性格は、温和で好奇心旺盛で、忠実で物静かな性格をしています。また、警戒心が強いですが、攻撃性はあまりないとされます。
この4犬種から考えられるデュピュイ・ポインターの性格は、温厚で利口であるといえますね。また、友好性も高いのではないかと推測されます。
この性格や容姿通りとは言えないでしょうが、コンパニオン・ドッグとして飼育できない犬種ではないと考えられますね。現在、絶滅しているかどうかはわかりませんが。生き残っていれば、十分人気犬種となる素質はあるのではないかと思われます。