…という言説を、最近各所でチラホラ聞くようになってきたので、これに対して反論しようと思う。


これまでは、4A基礎講座の講義動画とかを見れば明らかに分かるだろ…とか思って反論する気が起こらなかったんだけど、4A基礎講座の中身をまだ見(ようとし)ていない人から聞かれるようになってきたので。


1.まず、私が4Aの開発に至った経緯をお話したい。ちょっと長めの昔話なんだけど、反論に不可欠な前提部分なので、よかったらお付き合いくださいm(_ _ )m


私の受験生時代(平成14~17年度)には既に、旧司の論文本試験(特に民法)で、論点単位の対策では適切かつ充分に解けない問題が出題されていた。

その対策?として、“現場思考問題”では、“生の主張”を考えるとか、“論点以外の部分が大事だ”ということくらいは言われていた。


しかし、平成17年度の旧司に“確実”に合格したかった私は、こう思った。

「“現場思考問題”かどうかは、どうやって判断するんだろう…?」

「“生の主張”から、そういうことを書く発想に至るプロセスが分からん…」

「“論点以外の部分”の対策は、どうすればいいの?」


半分趣味で、予備校パンフは全て集め、おもしろそうな無料ガイダンスには欠かさず参加し、NOAさんゼミ等の勉強会に複数参加したり2ちゃんを見たりして情報収集しつつ、予備校や書店の司法試験関連書籍は文字どおり書棚の端から端まで全て目を通したが、上記の疑問に答えてくれるものはなかった。


そこで、「仕方ない…自分でやるしかないかあ」と。

上記疑問のような不安(定な)要素は極力排除し、全論文過去問が解ける統一的処理手順を構築しようという意識を持ったのだ。

この意識の下、NOAさんゼミなど複数の勉強会や2ちゃんの有益なスレ(当時は結構あったのに…)等から刺激を受けつつ、全論文過去問を解き、各社過去問集を比較検討して直前期に見るセレクト答案を絞り込んでいく中で、徐々に形作られていったのが、4Aの原型 である(論文本試験の約1か月前!あと、当時は事例問題限定だったんだなあ…)。

その過程で、全科目が同じような問題に見えてくる という効果もあった(2月ころだったのか…これは思ったより早くてびっくり)。


2.その後、修習・実務で出会った全ての事件(研修所等における起案等を含む)に4Aが通用することを検証しつつ、学んだことを4Aに取り込み、やや改善した。


3.また、予備校講師になってからも、講義で4A(現在とほぼ同じ形)を使う中で、具体的な説明の仕方が改善されていったと思う。


4.だが、2・3はとりあえず脇に置いて、私の受験生時代の経験(上記1)から導かれる4Aの意義・価値は、下記(1)(2)にあるといえるだろう。

(1)事前準備可能な典型問題と現場思考問題を区別せず、さらに科目すら区別せず、あらゆる法的問題が統一的な処理手順で解けるようになった。

→典型問題対策と現場思考問題対策を区別する必要がない。

→典型問題の解き方・答案を暗記・理解する必要もない。

→ある1問を解くと、他の科目・問題を解く訓練にもなり、短期間で飛躍的に実力を向上させることができる。

(2)法的問題を解く全プロセスを可視化・明確化した(“生の主張”といった部分的な要素だけでなく)。

→法的問題が、“論点”と“論点以外の部分”を区別せずに解けるようになった。

 →“論点”という概念とそれに対する“論証”という方法論は不要となった。

  →Inputすべき知識が激減!


以上の4Aの意義・価値を一言でまとめると、

(1)あらゆる法的問題

(2)解く全プロセスを可視化・具体化した

点にあるといえる。

一部の法的問題や、解くプロセスの一部だけを対象とするのでは、上記の意義・価値が失われるのだ。



ここでようやく、「4Aは当たり前」という言説に反論する。

あなたは、あるいはあなたが反論材料に使っている教材・講座等は、

(1)あらゆる法的問題

(2)解く全プロセス

について、4Aを使っているのだろうか?

そうでなければ、4Aを使う意義・価値はほぼ皆無になる。


反論は以上だ。

前提部分に長い説明を要する割に、反論はこれだけで終わるから、面倒だったんだなあ(><;)



なお、『4A基礎講座』以外に、

(1)あらゆる法的問題

(2)解く全プロセス

について、4A以上の方法論を使った教材・講座等は、おそらく、今後5年間は現れないと思う。

なぜなら、

①私は、受験生時代から現在まで約10年間の蓄積があって初めて、今のような講義ができるようになったことからして、他の教材作成者・講座が総力をあげて追いつこうとしても、5年くらいはかかるだろう

②(たぶん一度法律家になってから)予備校講師になる『4A基礎講座』の教え子が現れるまでそのくらいかかるだろう

と思うからだ。


②については、すんごい期待してるからよろしく~教え子に追い越されるのは、教育者冥利に尽きるからさ!

でも、当たり前だけど(自戒を込めて)、自分自身としっかり対話して、自分が望む道に進んでね~(^O^)/