母は今年三月で八十五
家族だけのために年取った
家族のために逞しくなった腕も
最近では細くなってきた。
父の体が弱く若い時から苦労ばかりの
人生。
この年代はみんな苦労人だと言って
自分だけが苦労してるんじゃないと
頑張っている。
いつまで経っても息子のことを案じている
母親。
楽させてやりたいと思うがままならない。
人生が二度あれば
違う人と結婚させて
苦労の少ない人生にしてやりたい。
私は産まれなくて良いから。
母は今年九月で 六十四
子供だけの為に 年とった
母の細い手
つけもの石を 持ち上げている
そんな母を見てると 人生が
だれの為にあるのか わからない
子供を育て
家族の為に 年老いた母
人生が二度あれば
この人生が二度あれば