心も温まる露天風呂話!
今日は、露天風呂の日、オリエンテーリングの日、雷記念日にステッチの日です。
【活用場面】
小さな親切!表現力を磨く!
ある露天風呂での心温まるお話です!
そろそろ中年に仲間入りの彼は
元旦の初日の入(夕陽)をとある露天風呂で優雅に眺めていたそうな
すると70代と見られる男性が息子くらいの男性に導かれながら
慎重に慎重に湯船に入ってこられた
どうやら盲目のご様子
湯船にはこの親子と彼の他に3人のいい歳したおっさんたちが言葉もなく静かに日の入りを待っていた
空には厚い雲がかかり水平線と雲の間にわずかな切れ目
おそらく 今 鈍く染まっている空も
太陽が水平線に沈むその瞬間には
鮮やかなオレンジ色に燦々と照らされるだろう
みんなが申し合わせたように
固唾を呑んで夕陽が雲間から出てくるのを眺めていた
その時ひとり夕陽に背を向けていた盲目のご老人が
「おい 夕陽はどっちや」と静寂を破ってたずねた
「おとんの後ろ」と息子は少し居心地悪げにそっけなく答えた
ご老人は「ほうか」と言ってぐるりと向きを変え見えない両目を夕陽の方へ真っ直ぐに向けた
まるで陽の温かさを全身で確かめるように
すると、おもむろに黙りこくっていたおっさんの1人が
「いやぁ~綺麗な空ですなぁ 命が洗われますなぁ」
違うおっさんが
「ほんまですなぁあの海の上を船が行ったり来たり風情がありますなぁ」
またまた違うおっさん
「ほんま ほんま そやけど残念ですなぁ 雲の後ろに陽が隠れてますわ」
「そやけど あれ沈む直前にはちゃんと顔出しよりまっせ」
その彼は
これを聞いて
『こいつら 目ぇ見えへん人の前で よぅそんな無神経な会話するなぁ(-"-)』
とカチンときたそうな
すると
「おっ!出てきよりまっせ!」
「お~~~来よった来よった」
「真っ赤な夕陽でんなあ」
「雲間から半分だけ顔出して」
「海にオレンジの道が伸びてきたわ」
「船も染まっていきますな」
「神々しいなぁ」
と次々に
美しい夕陽の描写が続く
そして
「おっ 海につきまっせ」
「お~ついた ついた ついたらなんや 四角のお陽さんや」
「どこもかしこも まっかっかやな」
「ほんまや 海も 湯も まっかっかや」
「お 船が横切って 行きましたなぁ」
「風情がありますなぁ」
「…沈むの早いですなぁ」
「あっという間ですわぁ」
「…あ~もう見えんように
なりますわ」
「ん~… …また明日ですな…」
…しばし沈黙…
「ん のぼせてまうわ 早よあがろ」
おっさん3人
退場
続いて
ご老人「行くぞ」
息子「はい」
退場
一気に静まり返った湯船の中で
だんだんだんだんとオレンジが紫から紺色に
そして暗くなっていく空を眺めながら
彼は
盲目の人に
夕陽を見せた
彼らの温かい「表現力」に感服していたそうな
そして
つまらない気遣いでその創造的な会話に参加できなかった
自分の小ささに「まだまだやなぁ」とガッカリもして
なんだか更衣室で顔を合わせるのも気が引けて
ずっとずっと
湯船につかっていたそうな
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すばらしい友人は、「知的財産」です。
