2017.04 大英博物館展と千鳥ヶ淵桜 その1 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

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カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

大英自然史博物館

それは地球のすべてを写し取りたい、解き明かす科学の宝箱。

私たちの住む星はとても大きく不思議に満ちていて、

その全容を知る者は未だ誰もいない。

未知なるものに挑むロマンと、飽くなき研究心こそ、人の性であり夢。

 

そんな世界的にも大きな博物館から、厳選された宝たちが日本へやって来た。

東京・上野の国立科学博物館は、この時だけはイギリスと通ず。

特別展「大英自然史博物館展」に行ってきました。

 

 自然の神秘。

 

博物館というのは、ヒトが、ヒトではないすべてのものを

知ろうとして訪れる知恵の書庫であり、すなわちこの世界そのものの縮小。

知ることの喜びを得られるのは、人であって良かったと思える瞬間です。

 

展示物にははく製・骨・昆虫標本・鉱物・化石・隕石とさまざまあって、

まさに地球の何億年の歴史と、その歴史を紐解こうと努力してきた人々の

足跡が窺える。

自分が今、どこにいて、着地点がどこなのかを知ることもできる。

 

全ての動作の為に。 

 

首の長い鳥の骨格展示。

骨の構造ってすごい…全てのパーツがひとつの無駄もなく

パーフェクトな機械のように組み合わさって、複雑な動きと

それに耐えられる身体を生み出していく。さながら職人芸。

骨の進化の過程で、生物は海を出、遠くへ行けるようになったし、

空も飛べるようになった。

 

こちらはまた太古の地球へ思いを馳せることのできる、アンモナイトの化石。

 

 時間飛行にて。

 

化石となってどれくらい眠ったら、今の時代に現れてくれるのか。

白亜紀の終わりに絶滅したと言われているが、それまで約3億年以上も

海の中で暮らし続けてきた種です。

人よりもはるかに、はるかに長く生き続けてきて、

恐竜たちのことも見てきたのかもしれない。

物言わぬ化石は雄弁。

 

大英博物館のメイン展示と言ってもいい、始祖鳥の化石もありました。

 

進化の秘宝。 

 

始祖鳥の化石は、世界中でいくつか見つかっています。

ベルリン博物館で見たのはベルリン標本、こちらはロンドン標本。

始祖鳥は、その名の通り「鳥類の祖先」とされている。

一方で、爬虫類の特徴もあわせ持ち、恐竜に近いところにいる

進化のターニングポイントではないかと考えられている存在。

なんという神秘…。探究心をくすぐられます。

 

次は、生物を離れ、地殻を作る鉱物たちを見ていきます。

 

 クリスタライズ。

 

とても大きな黒い鉱物。かっこいい!!

真っすぐ、一方向に入った筋は、まさにこの鉱物の生き方そのもの。

いったい何の原子がどんな構成でくっついて出来ているのか…

その構造を知りたすぎる。

 

こっちはいかにも宝石なモルガナイト。

 

菖蒲色の涙。 

 

薄く色づいた紫色が、とても上品で美しい、大ぶりの宝石です。

誰かが誰かのためにひっそりと流す涙は、きっとこんな優しい色。

カットも細かくて、真正面から眺めると底知れない、光の届かない水底へ

瞳が吸い込まれていきそうな妖艶さもあります。

 

こちらはまた、存在そのものにときめきを感じずにはいられない、

火星のおくりもの。

 

 飛来生物。

 

エジプトで発見された、火星の隕石だそうです。火星の隕石!

地球へと飛来したことに、きっと何かの意味があると思いたい。

お隣の星なのに、まだまだ知らないことがたくさん。

だからこそ、人類は前へ進めるのかもしれないけれど。

 

最後に、これもとても貴重な、「進化論」を提唱したイギリスの生物科学者

チャールズ・ダーウィン著の研究書。

 

革新と進化。 

 

すべての生物がひとつの起源から生まれて分枝化していったという論を

最初に唱えた、世界的に有名な科学者。

「種の起源」はあまりにも有名です。

当時は倫理観とか宗教的な考えにもかかってくる「生命」の話だったので、

さまざまな反論や議論を呼んだみたいです。

科学は発想と、継続して行う研究のふたつがあってこそ進化する。

尽きることない知的欲求、それくらい強欲な知識への探究心を持ちたい。

 

さて、国立科学博物館といえば…これ。

これ本当に大好きで、何度来ても見入ってしまう。

 

 地球は回る。

 

地球が自ら回っていることを証明する、フーコーの振り子実験。

同じ振動を続ける振り子、しかし同じ場所は通らない。少しずつずれて、

やがて円を描く。

すなわち、下の地球そのものが回転しているということ。

 

地球が自転することは、知識として分かってはいるけれど

こうして目で見て体感すると、目の前で起きていることが3Dの記憶として

身体に染みついて、自分の一部になっていく。

これが科学の面白さだと思う。

何度見ても「おぉ…」と感動してしまいます。

 

そして博物館のもうひとつの顔といえば、屋外にいる彼です。

 

生きとし生けるもの。 

 

地球上、現在生息する最も巨大な生物とされるシロナガスクジラ

全長30mの巨体を、深い深い海の体積に潜らせて、主のように生きる。

このクジラも、人も、飛んでいる虫も、全てが平等にひとつの命だということを

感じられる場所です。

 

知識の海は、そこを訪れる人々の脳の奥を刺激して、

そこからさらに、進化の知識が生まれていく。

人は考える生き物、それはこの世界を超越して際限がなく、

どこまでも飛翔していく性質のもの。

知らないことを知る喜び、無限の世界の真ん中に佇む高揚感、

全身で楽しみました。

 

*その2~花宴は続く~はこちら

 

 

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