2012.3 小豆沢公園さんぽ | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

長い長い冬の時間が終わり、少しずつひなたの場所が増えて、

そこに落ちるぬくもりに、新しい季節の兆しを感じるころ。

外はまだまだ寒くて、自転車を漕げば耳や鼻が赤くなるし、

手はかじかんで、毛糸の手袋は手放せない。


でも、確実に春が近づいているんだなぁ、と感じる、

そんなわずかなひだまりのような景色。

大げさなものではなく、小品ばかりですが

そんな春先の、近所の公園さんぽで出会った風景です。


これを見上げると、あぁもうすぐ春が来ると感じますね。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey



春の息吹。








桜の枝に、わずかな膨らみが見られると、

寒い中でじっとしていた命が、ほんの少しの気温の上昇に目を覚まし

花弁を開くその日を夢見て、成長を始める…

動き出し、始まり。春はそんな季節ですね。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey


影模様。









まだ葉が出ていない木の幹はゆらゆらと影を落とし、

地面に不思議な、川のような模様を描く。

その上を何も気に留めずにとつとつと歩く鳩。

こんなに何も気にしないで歩いて行けたらなぁ。

その道のりの先には何があるのでしょうか。


こんな地面の模様ひとつとっても、興味深いです。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey


幾何学。









幾何学に引っ掛かった"異物"、これだけでも何となく

感じ入るものがあります。

意味を考えても答えはないけど、だからこそ面白いというか。

この金網の先では休日のおじさんたちが元気に草野球を

やっていて、楽しそうで真剣な声がまだひやりとする空気を

震わせてよく通っていました。


グラウンドの裏手には、夏場は賑わうだろうあの場所が。

この季節に見るそれは、とても静かに、佇んでいます。

樹木と同じです。次の時を待っているんですね。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey


待つもの。









懐かしい。公園のプール。

すごく浅くて、枯れ葉や枝が遠慮もなく入ってきて、

それをかき分けるように進む。

水の中にいるというだけで、違う世界です。

夏になったら、ここにたくさんの子供が集って、

思い出を作って帰るのでしょう。

けれど今は、静かに静かに、夢に閉じ込めて待っています。


トイカメラっぽく少しぼやかした感じで撮りたかったのですが

普通に失敗した写真みたいになっちゃいました(笑)


公園の逆側の入口には小さな円型の花壇があって、

注意深く見なければ素通りしてしまいそうな花たちが

先に春の訪れを告げるように、懸命に咲いていました。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey


動き出す。









とても小さい花で、地面からほんの数センチのところに咲いています。

それでもその紫はとても心に残る。

春がすぐそこまで来ているという知らせをくれました。


さらに奥には、遊具が一通りそろっている場所があります。

砂場、ジャングルジム、うんてい、懐かしい。

ちょうど来たときは、女の子とそのお母さんが

自販機で飲み物を買っているのみで、あとは無人。

塗料がはがれて、ところどころ金属がむき出しになった柵。

そこに日の光が当たると、鈍くすぅと光ります。


昔はこの遊具が一番好きだった。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey




整列。














空に向かって漕ぐと、飛んでるみたいじゃないですか?

立ち乗りより座って高くまで漕ぐのが好きでした。

足が真上に向けるくらい漕ぐと、視界いっぱいに空が広がって、

思わず飛べるんじゃないかと手を放してみたくなるけど、

危ないからしない(笑)チキンです。

日が暮れて、夕焼けチャイムが鳴るまで

ずっと漕いでいたことを思い出します。

昔から空が好きだったんだなぁ。


見上げればこの日は真昼の月。

冬場でなお発色の良い緑色をした、不思議な形の木の合間に

消えそうに白い月がぽっかり浮かんでいて。

昼の月ってとても不思議ですね。薄く消えそうなくらいなのが

逆に魅力的。探したくなるから。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey


昼の中月。










広さはそれほどでもなく、

本当に近所に馴染んだ昔ながらの公園、という感じです。

だから、旅に出ているときほどの心の動きはないかもしれない。

けれどその分、ほんの小さな、ささいなことに

ぴくりと反応する瞬間が確かにあります。

何でもないような、忙しいと絶対に見落としてしまうようなことに

カメラを通して向き合うことができるようになるのかなと。

それって自分の中ではとても幸せなことと思います。


小さなことにも幸せを見つけられるような人間になりたいですね。


小品ですが、お読みいただきありがとうございました。

たまにはこんな感じで。(いつもかも)

次はもっと春めかしい風景を描けるかなと思います。