教育のチカラ
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2019年01月29日

研修のノリシロ

テーマ:こんな時どうする

通常、研修会社が作るカリキュラムは、
スケジュールが分刻みです。
次々とやることが決まっていて、
時間通りに終わるように設計されています。
 
その理由は、
まず、クライアントが喜ぶような研修内容を
沢山取り入れるため。
次に、講師に余計なアドリブをさせないため
 
最初の理由はわかりやすいですね。
コストのかかる研修、クライアントとしては、
できるだけお得になるようにしたいから。
 
しかし二つ目は研修に詳しくないと、
わかりにくいかもしれません。
講師が自分の経験を踏まえてアドリブを出すことは、
むしろ喜ばれるのではないか、と思いますよね。
 
しかし、研修会社がそうしないのは、 
アドリブを成功させられる講師が少ないから。
それに尽きます。
 
講師の勝手な解釈や武勇伝を並べて、
研修の内容に反目したり、流れを止めたり。
研修にマイナスになりかねないから、
余計なことをさせないように、
研修メニューを分刻みで作りこみます。
 
いや、一応、研修会社は講師に対して、
自分の経歴を臨機応変に語ることを
表向き歓迎はしています。
しかし、研修目的が果たせることや、
時間通り終了することの方が重要だと考えます。
だから、講師のスキルを見ながら、
講師が研修内でやっていいことを決めています。
 
そして、残念なことですが、
講師のスキルにはばらつきがあり、
経験も様々なことから、
結局、分刻みのカリキュラムで保険をかけるのです。
  
もしあなたが、企業の人事部に属していて、
研修をどこかに依頼したとして、
相手が、盛沢山で細かいカリキュラムを出して来たら、
講師のレベルがそれほど高くない、
と疑ってみる必要があるかもしれません。
 
逆に、ノリシロが多いカリキュラムの場合、
そのノリシロを、
講師が現場で受講生とのやり取りで埋められる、
それだけ力のある講師
が担当している、
ということが考えられます。
 
研修会社も講師も失敗できません。
にもかかわらず、
現場でのやり取りというような、
不確定要素をカリキュラムに盛り込めている
ということは、それだけ自信があるのです。

2018年07月20日

【無知が故】

テーマ:こんな時どうする

毎年このくらいの時期になると思いだすことがある。

それは、最後に勤めた会社の思い出。

私は29歳から35歳になる年まで、

大前研一のアタッカーズスクールの責任者をしていた。

  

ひょんなきっかけでそこで働くことになったのだけど、

教育業界なんて初めてで、何も知らない状態。

それでも努力して(笑)なんとか5年やり切った。

  

その時、自分が無知だったからこそできたのだと思える

3つのことがあるので紹介する。

  

1 起業家の報酬を一律〇〇万円にした。

 

私以前の責任者は、起業家のランクや有名具合に合わせて

起業家講師に支払う報酬を変えていた。

1回の講義、20万以下の人もいれば50万円以上の人もいた。

私はそれを、同じ2時間の講義なのだからと一律にしたのだ。

駆け出しのころの堀江さんも、

もうすでに大経営者の藤田田さんも同じ金額。

相手がどんなにすごい人か知らなかったからできたことかもしれない。

 

2 多忙な有名起業家を次々招聘。

 

どの起業家がすごいとか、どんな基準で依頼を引き受けるか

全くわからないので、自分が知っている起業家にアタック。

当時飛ぶ鳥を落とす勢いで、月に1回しか依頼を受けない、

ワタミの渡辺美樹さんや、

ソフトバンクの孫正義さんに、前述の藤田田さん。

私以前の人は「頼んでも無理に決まっている」と思っていたらしい。

でも、みんな来てくれた。

無知の極みは、当時ライバル同士だった、

マイクロソフトの成毛真さんとアップルの原田泳幸さんを、

2週連続で呼んだこと。これも無知が故。

 

3 自分に講師報酬を支払ったこと。

 

当時の学校は赤字経営。だからボーナスもない。

何とかしようと外部講師の代わりに自分が講義を行った。

その数がだんだん増えて、全体の三分の一くらいやるように。

でも、いくら私が講義をして予算を浮かせても、

私の給料は固定給。

他の部門の元マッキンゼーの人とは比べ物にならないくらい低い。

だから、自分に講師報酬を払うことにした。

もちろん実際に成果を出したうえで賞与として100万。

それでも私が行っていた講義数を考えれば高くないと考えた。

 

そして、私が会社を辞める3月。

私が担当していた講義の代わりはすぐに手当てできないので

辞めたあとの1期だけ講師を引き受けた。

無料でもよかったのだけど、

引き継いだスタッフがお金を払うというので

私は当然のように、他の講師と同じ金額を請求した。

それが1回の講義、20万円。

  

すると、当時の経理の責任者が飛んできた。

「君は大前ブランドの元だから講師ができた。そこを離れたのに20万円は高すぎる」

ということだった。

まあ、言いたいことはわからなくもないよ、K岡さん。

でも、私は譲らなかった。

講師が誰でも、頼んだ以上は一律。

それを実行してきた自分が、

そのルールを破るわけにはいかなかった。

報酬をもらわないか、もらうならその額だと、

そう思っていた。

 

自分を通した私に対して、腹を立てた人もいたと思う。

 

ただ、私は、独立して以来、

ボランティア的な仕事を除けば、

1回の研修の報酬が20万円を切ったことがない。

意地でも、最初から20万円を提示した。

K岡さんと同じような考えの人には通用しないし、

そもそも辞めたばかりで何の仕事もないのに、

そんなに強気に出れた理由は、単なる「意地」だ。

 

でも、自分を貫き意地を張って頑張ってきたからこそ、

今の自分がある。

 

有難いことに、

今では1回の報酬は当時よりずいぶん高くなった。

だから、月に数回行えばいいスタイルを実現できた。

その数回に全力を注ぎこむやり方が自分には合っている。

 

有名な学校を辞めた途端、疎遠になった人もいる。

K岡さんのように、あからさまに敵意を見せてきた人もいる。

私は思う。

そんな人たちのおかげで、

今のちょっぴり強い自分がいるのだと。

  

講師は、現場に立てば一人。

誰も助けてくれない。

強くなければ、続けられない仕事かもしれない。

私は、そんな孤独は怖くもなんともない。

怖いのは、自分を失うことだけだ。

 

2018年02月27日

【研修プログラム完成】

テーマ:こんな時どうする

研修を依頼されると、

まずはクライアントの要望を確認します。

 

参加人数と研修時間でおおよそのゴールを決めます。

そして、大まかな内容とタイムスケジュールを立て、

そこでクライアントに確認します。

 

OKが出れば正式にプログラムを作り上げ、

受講生の情報をもらって、最終的に完成させます。

 

そのあとはテキストを作成します。
クライアントによっては、

毎回新ネタで行うこともありますし、

実績のある安定したプログラムをベースに、

調整したプログラムを使うこともあります。
 
最近のプログラムは、
受講生がグループディスカッションして発表、
という研修お決まりの場面が少なくなりました。
実は、この定番のセッション、
私はちょっと時間の無駄、と思っているところがあります。
 
グループに任せて時間をあげてしまうと、
発言する人に偏りが出たり、
内容が意外と深まらなかったりするからです。
「考える時間がもっと欲しかった」
と感想を話す人がいますが、
そういう人に限って、あと30分あげても
アウトプットのレベルが変わらなかったりするのです。
 
それより、その場で、全員が対話をし続け、
強制的に考え続ける場を作った方が、
緊張感も維持できるし、全体が盛り上がります。
そう、マイケルサンデル教授の授業のように。
 
ただ、それをコントロールするには、
講師に相当の力量がいります。
私はそれがやりたくて、
現場での負担を少しでも減らすために、
悶々と準備をしています。
 
グループディスカッション(=休み時間)
をできるだけ少なくして、
1日8時間、走り切るようなプログラム。
これができると気持ちいいんですよね。

 

2017年05月29日

【何かを学ぶには・・・】

テーマ:セミナー考察

最もコスパがいいのは「本」だ。
ただし、
本の場合は、読み手の力量や
やる気根気が問われる。
 
次に「学校」
ある程度のスパンで学べるし、
継続させる工夫が少なからずある。
 
一番ダメそうなのは、
「研修やセミナーの類」だ。
研修講師をしている僕が言うのもなんだが、
研修は「学ぶ」に向いていない。
 
一番の理由は時間。
短時間で達成できることには限界がある。
個々のレベルのばらつきにも完璧に対応できない。
 
じゃあ、
研修やセミナーは何の為にあるのかと言えば、
 
1 現状確認
2 方向性の是正
 

現状確認は、コンテンツに対する理解度の他に
他の受講生との比較や講師からの評価。
自分ではわからない自分の強み弱みを再確認する場。
 
そして、
間違った方向に行っていないかを確認する場。
 
自分の立ち位置を把握して、
正しい方向を向く。
  
どのくらいのスピードとパワーで
進んでいくかは本人次第だ。
 
時々、研修やセミナーの価値は
モチベーションアップだという人がいるが、それは違う。
  
やる気などは、自分でしかコントロールできない。
研修中はやる気があるのに、
終わってしばらくするとやる気が失せる、
なんて話は、研修が悪いのではなく、
普段から自分のモチベーションを制御できない本人が悪い。
  
あくまでも
研修やセミナーは、
その人の現状を明らかにし、進むべき方向を教えること。
 
そのあとは、本や学校で学習する。
それしかない。
 
気づくステップと
学ぶステップは
分けて考える必要がある
のです。
 

2017年02月20日

【春の研修】

テーマ:プロ講師の考え方
一般的な講師にとって、春は新人研修の時期。
特に若い講師は、この時期は稼ぎ時です。
 
私は、5年くらい前から新人研修は若手に譲り、
自分はその新人研修に登壇する講師の指導をしています。
 
最近では、企業内講師の育成の案件が多く、
講師になりたいと思っていない素人に、
新人研修ができるスキルと教える喜び、
さらに、教えることで自らの成長ができることを、
研修で実感させています。
 
この講師育成研修は、難しいです。
 
まず、参加者のスキルや意識にばらつきがあります。
そして、本人のやる気より、会社の命令で来ている。
だから、忍耐力や好奇心が弱いんですね。
 
そして、講師に選ばれるくらいの方々なので、
自分のやり方に自信を持っていますし、
恥ずかしいところは見られたくないという意識もあります。
 
なので、
言われたから参加しているけれど、
あまりあれこれ言われたくないし、
他の人の手前、自分をさらけ出したくもない。
 
そんな雰囲気で研修が始まるのです。
 
だから、ここからが
プロ講師の腕の見せ所なのです。
 
個々のスキルアップはもちろん、
チームワークの醸成、
さらには、創意工夫の源泉の意欲高揚まで
短時間の研修で行います。
 
新人研修も、相手が得体のしれない分、
難しくなってきているといいますが、
それでもやっぱり、講師育成研修が、
最も頭とスキルを使いますね。
 
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