

第69回アメリカンフットボール日本選手権
ライスボウル1月3日14:00kick off 東京ドーム
学生代表
立命館大学PANTHERS
vs
社会人代表
パナソニックIMPULSE
勝っても負けても田辺主将率いる今シーズンのチームの最後の試合でした。
最後の最後に社会人王者パナソニックに対してこれが立命のフットボールだというものを見せて欲しいと願っていた。
このチームの目標は「日本一」
勝てば日本で一番強いということが証明できる。
しかし、戦前の予想はパナが圧倒するだろうと言われていた。
結果は、
立命19-22パナソニック
日本一にはなれなかった。
接戦だろうが大敗だろうが勝負で言えば負けは負け。
「いい試合だった」という表現はしないでおこうと思う。
勝負しに行って負けたのだからいい試合も悪い試合もない。
ほんとに悔しい負けだった。
でも、
凄かった。
立命は強くなっていた。
関学戦から1ヶ月余りでほんとに成長した。
驚くほど強く成長した姿を最後に見せてくれた。
立命の「パワーフットボール」でパナソニックに果敢に立ち向かった。
外国人を加入させてどんどん強くなっている社会人に対して決して力負けしていなかった。
立命のフットボールを最後の最後に見せてくれた。
春のチーム状態はボロボロ。
7ヶ月前には全くオフェンスが機能せず苦しむ姿しか見えないチームだった。
そんな弱かった立命がライスボウルで素晴らしく成長したフットボールを見せた。
観てる人に勇気を与えてくれるチームになった。
「今年の立命は強かった」誰が見てもそう言えるチームになった。
相当な努力がなければここまでこれなかったことは想像に難くない。
ファンとして選手、スタッフ、コーチ陣、チーム関係者の方にほんと感謝しかありません。
このチームは日本人No.1RBとも言われるエース西村くんが真っ先に取り上げられがちだが、立命のパワーフットボールを支え続けた攻守のラインの頑張りを真っ先に評価したい。
社会人相手に全く負けていなかった。

OLの5人、遠藤くん、島野くん、斎藤くん、西くん、村田くんはエース西村くんを走らそうと必死に穴をこじあけようとし、体を張ってブロックし、またQB西山くんを守り続けサックを一つも許さなかった。
見事でした。
今年、共に2回生のTB西村くんとQB西山くんが大きく成長し、活躍できたのはこのOLがあったからこそ。
この秋オフェンスが得点を重ねることが出来たのはこのOL5人なしにはあり得ない。
学生No.1の素晴らしいOLユニットでした。

そして最強のDL。
田辺主将、仲里くん、大野くん、松原くん。
驚いた。
社会人相手に負けるどころか勝っていた。
震えがくるほど強かった。
この試合を観戦したDLやってる高校生は立命行きたいと思ったんじゃないだろうか。
それほど立命DLは強かった。
そして、
最後に同点を狙ったFGが外れ、時間は残り2秒。
立命の負けが限りなく100%に近づいた瞬間。
そんな場面でも田辺主将が最後まで行くぞと言わんばかりにDLのメンバーに何か声を掛け真っ先にセットした姿が印象的だった。
最後の最後、試合終了の笛が鳴るまで諦めない姿はまさしく今年の立命の取り組みを表していたと思う。
田辺主将がどんなチームを作ろうとし、また作り上げてきたのかを我々に教えてくれた印象に残るシーンだった。
田辺主将が率いた立命史上最強のDLと言いたい。
そのDLを中心とした立命ディフェンスは「アニマルリッツ」と呼ぶにふさわしかった。
LBの浦野くん、長谷川くん。
DBの奥田くん、奥野兄弟、八条くん、長尾くん、木村くん。
そしてローテーションで出てきたメンバー全員。
2列目3列目が早い寄りで全員で必死になって粘り強く止め続けた。
この試合は勝つ為にリスクを持って序盤からギャンブルやオンサイドや失敗すればディフェンスに負担のかかるゲームプランだった。
だが鍛え上げてきたスピードとパワーを存分に見せ、それでも社会人に劣る部分は魂のこもったタックルという最大の武器でディフェンスが粘って粘って辛抱した。
その気迫はスタンドまで十分伝わってきた。
みんなボロボロになって傷みまくってたのに足を引きずりながら何度も何度も立ち上がって挑んでいく姿はカッコ良すぎた。
改めてディフェンスコーディネーター池上コーチ率いる立命の守備システムは学生では一歩抜けてると思うし、ほんと凄いと思う。
しかしもっと凄いのは努力して努力してそれを実行している選手がほんと凄い。
印象に残った選手をあげていくとほんとキリがない。
今や押しも押されぬエースになった西村くんについてはもう何も言うことはないだろう。
ここで立ち止まることなく日本人史上最高のRBを目指して止まることなく努力を重ねていって欲しいと思う。
春はオフェンス散々な中でQBとして責任を一身に背負ったであろう西山くん。
このライスでの堂々としたクオーターバッキングを見て関学戦からこのライスまでの1ヶ月余りの間の成長にも驚かされた。
関学戦、ライスの2試合を通じて大器がようやく本格化した。
立命最後の攻撃シリーズ、残り1分切ってからのもう後がない4th downギャンブル。
プレッシャーを受けながら猪熊くんにパスを決めきった姿は立命の真のエースQBにふさわしいものだった。
最後の最後まで本気で勝てる気がしたのは西山くんの姿にイケる雰囲気をスタンドで感じたから。
そういう空気をまわりに感じさせるほどのQBに成長した。
まだ2回生。後2回ここに来るチャンスがある。
この日大活躍のWR猪熊くん。
40ヤード4.4秒台のスピードで元々抜群のポテンシャル持っていたが、これまでその高い能力の割に目立たなかった。
このライスボウルで一皮むけた気がする。
社会人トップレベルのDB辻選手やポーリー選手とマッチアップし勝っていた。
縦へのスピードはさすが。
完全に抜き去っていた。
40ヤードと54ヤードTDパスの長いの2つは彼らしさを存分に発揮した見事なプレーだった。
来シーズンは学生No.1のレシーバーになってくれるはず。
この日の立命のオフェンスは今後の大きな可能性を感じさせるものだった。
1年後、2年後には社会人にがっぷり四つで組んで押し切るフットボールを出来るかもしれないという可能性を感じさせた。
あくまで可能性ではあるが、若いオフェンスメンバーだけに今シーズンの努力を継続していけば不可能ではない。
この日ローテーションも含めメインで出場した下回生のオフェンスメンバー。
OL 西③、村田②
TE 吉永③、山下②、成田①
WR 猪熊③、宗村③、近江②、渡邊①
TB 西村②、森本③
FB 高橋③
QB 西山②、植村①
このメンバーが来シーズン残る。
しかも1、2回生が多い。
もっともっと強くなれるし、ならなきゃいけない。
もっともっと強くならないと社会人どころか関学にも勝てない。
関学が来シーズン間違いなく今シーズン以上に強くなってくることは100%間違いないわけだから。
立命、関学、このいずれもが社会人に勝てるだけのチームにレベルアップし、引っ張っていくことが関西学生アメフトの人気復興に繋がると思う。
そしてK栃尾くん。
この日の敗戦の責任を背負いこんでいるかもしれないが、そんなこと誰も思っていない。
負けた要因は他にいくらでもある。
このシーンだけがクローズアップされがちだがキック外したのは100ある負けた要因のうちの一つ、二つでしかない。
試合後の栃尾くんのコメントを見ると、
「あんなに信頼してくれる監督はいない。勝って胴上げしたかった。」
一方の米倉監督は、
「悔しかったらもっと練習しろ」と声を掛けたそうだ。
このコメントを見て米倉監督を見直したと言っては失礼かもしれないが、米倉監督のこの言葉を胸に栃尾くんはこれから一年間これまで以上に努力するだろう。
来シーズンの栃尾くんには相当期待したい。
それから今シーズン注目してずっと見ていた選手が一人。
ホルダーの4回生宇野くん。
彼は去年までQB登録の選手。
ケガもあり去年までロースターにも入っていなかったと思うがこの秋からホルダーで出場していた。
元々K栃尾くんが蹴る際のホルダーは去年まで吉田くんだったがこの秋から宇野くん。
当然どこかでFGフェイクで投げることも想定して宇野くんになったのだろう。
関大戦の試合前、宇野くんがアップが始まる前に何気にボールを投げる様子を見て、特に強く感じるものがあった。
「どっかで必ず投げる準備は出来てる」
そう思った。
この関大戦以降、特に関学戦、甲子園での早稲田戦とキックの度に宇野くんの動きから目が離せなくなりずっと注目していた。
関学戦、甲子園でもそういうシチュエーションは来なかった。
そして最後の試合となるライスボウル。
試合開始前、他の選手より早めにフィールドに出てきたH宇野くんとWR渡邊くんの元QB2人がキャッチボールをずっとしていた。
「今日2人とも絶対投げるんやろな」
そう思って2人がボールを投げ合う姿を眺めていた。
渡邊くんはこの日、見事にスペシャルプレーでパスを決めた。
宇野くんが投げるシチュエーションがやってくるのかどうかわからない。
でもあるかどうかわからないその1プレーの為に毎日毎日練習を繰り返していたに違いない。
宇野くんがそのプレーをする時は試合の行方を大きく左右する場面なのは間違いない。
もしかしたらそのプレーを見せることなく彼は引退するかもしれない。
そして、
第4Q
立命12-15パナソニック
立命が3点を追いかける展開で迎えた28ヤードFGトライのシーン。
絶対ここだと思った。
1人で「絶対投げる。TD狙え。」そう呟いてました。
しかし、ここでは投げず。
更に迎えた試合時間残り7秒での49ヤードFGトライ。
ここでも1人で「投げろ。投げろ。」と呟いてました。
ここぞという場面でたった一回しか見せることの出来ない彼が練習してきたプレーで同点ではなく逆転を狙って欲しいと思った。
個人的には同点引き分けで両者優勝より、一か八か学生が、立命が社会人を倒して日本一になることを強く望んでいた。
49ヤードFG不成功。
立命は負けた。
宇野くんは一回も投げることなく引退となった。
果たして宇野くんがどんなプレーを用意していたのかはわからない。
アメフトは準備のスポーツ。
用意して実行されないプレーなんて当たり前のように沢山あるだろう。
しかし、ここで準備していたプレーはチームに受け継がれ、いずれどこかで立命の勝利に貢献することになるだろう。
ホルダー専属となってチームを支え続けた彼もまた立命の今シーズン躍進を支えた一人なのは間違いないと思う。
この日を以って今シーズンは終わった。
本当に持てる力を出し切って頑張ったが負けは負け。
勝負に勝てなかったんだからまだまだ日本一を獲る力がなかったということ。
決して力を過信することなく、より以上の努力を重ねて立命史上最強のチームを作り上げて欲しい。
それがこの日で引退となる4回生への恩返し。
その可能性は充分ある。
この日引退となる4回生。
選手34名、スタッフ17名、計51名。
田辺主将、遠藤副主将、荒木副主将、白波瀬副主将の幹部が引っ張るほんと素晴らしい4回生でした。
去年、今年と今までになかった立命の姿を見せてくれた。
春苦しみながらも秋最後には強いチームに仕上げてくるというのは今までの立命には見られなかった姿。
去年の4回生が残したものを今年の4回生が引き継ぎより進化させたチームづくりがこの強い立命を復活させた。
試合に出場した選手、出場しなかった選手、そしてチームスタッフの4回生全員の力があったからここまで来れたはず。
関学に5年振りに勝った試合。
奥野くんのインターセプトに始まり、
西村くんの個人技が光った先制TD、
渡邊くんの93ヤードキックオフリターンTD、
西山くんから近江くんへのスローバックからの見事なTDパス、
西村くんの相手を突き放す30ヤードTDラン、
3rd down6からOLが前に押し込み西村くんが関学守備を突き破り勝利を決定付けた1st downを獲った瞬間、
そして迎えた勝利のカウントダウンの瞬間、
いづれも立命スタンドの歓声がもの凄かった。
今でも思い出すと鳥肌が立つ。
ファンも皆この4年間勝てずにいた悔しい思いをこのチームが歓喜に変えてくれた。
そんな最高の瞬間を共有させてくれたチームにはほんと感謝しかない。
外野で好き勝手言うことしか出来ないが、改めてこのチームを見続けて、立命のフットボールは最高だと思った。
関学には関学の、
立命には立命のフットボールがある。
立命は立命のフットボールを貫き究め続けて欲しい。
来シーズンは1人でも多くの人に立命のフットボールを知ってもらいたいと思う。
立命の「パワーフットボール」そのものだけではない。
プレーだけでなくサイドラインにも目を向けてもらえば立命のフットボールの素晴らしさがわかると思う。
サイドラインにこそ学生スポーツの素晴らしさが見てとれる。
技術だけでなく人間的にも成長して日本一のアメリカンフットボールチームを目指して頑張ってもらいたいと思う。
来シーズンも強い強い関学を倒して、
またこの東京ドームに戻ってきて更に進化した立命を見せてくれると期待してます。
























