前半、に続く感想記になります。

今回で本当に終わります笑

 

 

(間奏)

陸での踊り場を片付けている間の余興として、タップダンスのソロが繰り広げられます。伴奏がないので、静かなホールにタップの音だけが響き渡るのが良いですよね。また、最後のセクション(なんと呼べば良いかわかりません笑)が終わったのを合図として、オケが鳴り始めます。配信では、HIDEBOHさんと指揮者の井田さん両方映っているアングルになっていて、井田さんがHIDEBOHさんのパフォーマンスに対してご満悦な表情をしつつ、すぐ切り替えてオケをスタートさせる様子が見て取れました。この繋ぎも演出としてとても良かったです👏

 

 

🌹アートオンアイス

ソロでのタップダンスが終わり静けさに満ちた会場に、不気味なSEやストリングスの音が流れ始めると、その雰囲気に沿うように、先程のソロとは違う、まるで「オケの音の一部」と言えるような繊細なタッチで、HIDEBOHさんは音を奏でていきます。。その後、段々音楽のテンションが高まっていき、解決したタイミングで、HIDEBOHさんがまるで何かを召喚をするかのように、劇場の幕が上がり、ヤマさんが登場します。ここまでの演出が本当に好きすぎてエバラス演出大賞をあげたいです👏👏👏

せっかくの準備時間を有効活用して、スモークを貯めていたのもとても良かったですね。。トッカータとフーガとはまた別の幻想的な雰囲気を作り出せていると思いました。

暫くはスラーでメロディーが展開される「横の音楽」が続きますが、その後ビート音が鳴る「縦の音楽」のフェーズに入ると、もう出番が終わったかと思ったHIDEBOHさんがタップの音でオケを装飾します。しかもそれだけではなくて、タップ「ダンス」であることを活かし、氷上にいるヤマさんと共に踊っているような構図が出来上がっているのですよね。

その後はヤグディンステップ!笑 混ぜるな危険!笑古のスケオタは歓喜したのではないでしょうか(自分は2005年からなのでまだ世代ではなかった)

フィギュアスケートとタップダンスと生オケがこんな形でコラボするとは…あまりにも天才的な演出でした!

 

 

🌹ロミオとジュリエット

最初はチャイコフスキーのロミジュリからスタート。なんとも言い難い神秘的な雰囲気の中、遥ちゃんと優くんが蠟燭を持って登場。

転調しつつ2回繰り返されるフレーズで、それぞれ二人がリンク際に来る演出が音楽とぴったりで素敵です。

チャイコのロミジュリが終わると舞台は暗転し、有名なニーノロータの愛のテーマが流れます。暫くは切ないメロディーとなりますが、その後長調に転調すると、二人は楽しげに舞い始めます。両手を繋いでFO→BOと円を描くのがなんとも仲の良さそうな雰囲気ですよね。

また同じ短調のテーマが再現させるところでリフト!いや真央ちゃん以外もペア技やっちゃうんですか!いやー流石二人とも全日本上位経験者ですよね。リフト中の所作もロミオとジュリエットって感じがしますよね(語彙力)。

二人とも姫力王子力あり過ぎで、キャスティングがあまりにも正解すぎました👏

 

 

🌹オブリビオン

ここからのタンゴ2作の「静と動」の対比があまりにも好きすぎます。

この演目でのペア技は、「ペア技見せるぞ〜」という感じではなく、本当に何気なく曲中に溶け込ませるように散りばめられていますよね。といいつつしっかり見せ場はあり、盛り上がりのところでのリフトのポジションチェンジの多彩さ、移行の滑らかさが物凄いです。

この演目で個人的に一番好きなところは、真央ちゃんが右足を柴田くんの膝に絡めつつ乗せて回転するところです。文章にするとチープになってしまうのですが、静止画キャプチャの共有は許されるのかな?怪しいので載せませんが…このリフトを見ていると「静かな情熱」という言葉が思い浮かびます。青い炎みたいな…

この曲では気だるさな演技がよくある正解なように思いますが(本当?)、この二人のオブリビオンは高貴さ上品さが際立っていますよね。でも所作や目線、距離感はちゃんとタンゴなのです。不思議な唯一無二の空気感を纏っていると思います。

 

 

🌹リベルタンゴ

まず、これはオケ民の視点でアレなのですが、最初のストリングスがアップボウなのが視覚的にとてもかっこよかったです笑 キュイン‼って音のやつです。(伝われ)

まず見どころは登場直後の左右対称ツイズルですよね。逆回転ツイズルがスムーズすぎて左右対称だとは一見思えないほどですw

メロディーが始まったときに客席に向かってキメるポーズがカッコよすぎる〜!その後深いエッジで左右対称に離散するのもまたカッコよ…

この演目で魅力的なのは真央ちゃんのフリーレッグです。真央ちゃんはフリーレッグで表現できる稀有なスケーターだと思っていて、このタンゴでは足先まで神経が通っているようにさえ見えます(というか実際通っているんでしょうね)

また、ピアノのメロディでは装飾音が各所に散りばめられていますが、そのニュアンスをまさに拾った所作が素敵すぎます。それを特に体現していると思うのが、柴田くんに真央ちゃんの右足を巻きつかせターンする場面です。フリーレッグはもちろん、首でも魅せてくれていますよね。

ベスティスクワットのイーグルはいつの間にか真央ちゃんの得意技になってしまいましたね。情熱を表現するにあまりにも適した技です。
中盤のCメロみたいなところ(ポップスみたいな言い方をするな)での、一瞬のデススパイラルでのポジションチェンジがあまりにも魅力的です。ランジをしながらの真央ちゃんの腕の動きと目線にドキッとします😘

その後主題が再現されるところでの、腕を組みつつ右回転したり左回転したり、という所作が情熱的です。またこれがラストへ向かう予感をさせてくれる演出でもあると思います。

最後のリフト、移動スピードが以前より相当上がってません?あなた達以前アイスダンスで組んで競技やってました?笑笑

こちらの演目も、情熱的なんだけど二人の上品さが隠しきれていないのが人柄って感じでいいですよね笑 あとお顔がしゃくれるのがまた気合入ってる感じで好きです笑

シブズ兄弟が振付てくれたとのことで、二人の新たな魅力を作ってくれた振り付けですよね。感謝🙏

 

 

🌹エル・フラメンコ

情熱繋がりで今度はフラメンコです。

ヤマさんのソロから始まり、その後全員集合するのが演出としていいですよね。突然全員来るより、より豪華さを感じられるというか。ソロでは暗い背景だったのが、全員集合時に赤に染まるのがまた良いです。

エルニ君、流石の本場スペイン出身でフラメンコが映えるな〜と。スタイルと所作がぴったり!

またここでもSeishiroさんとHIDEBOHさんがコラボするとはびっくり!真央ちゃん以外全員集合+サイドにゲストのお二人と、豪華さがカンストしてます笑

 

 

🌹ボレロ

まず、ワンフレーズずっと真央ちゃんは暗闇の中で後ろ姿を見せるだけです。真紅の背景に真央ちゃんの美しい背中がシルエットとして現れます。

次のフレーズでは照明が少々明るくなって、動きが入りますが、決して滑り始めるわけではありません。最後の根音ドの音で、長い眠りから目覚めるように首を起こします。背中だけで約1分間魅せてしまう浅田真央様…

 

メロディーはフルートからクラに移り、若干のテンションの差は生まれますが、まだ音数も少なく静かな雰囲気です。ここからコンパルソリーが披露されていきます。ボレロの「同じフレーズを、ソロやパターンを少しずつ変えながら音数音量を増やしていき、高揚していく」という特徴を再現するために、フィギュアスケートの基礎であるコンパルソリーから始めるというのがあまりにも新しく、それでいて真央ちゃんらしいですよね。私はボレロの過去の演技について詳しくないですが、恐らくこのような演技は今までなかったのではないでしょうか🤔 主に2拍目、伴奏(ピッチカート)の音が一番高くなるところでターン、足替えをしているのがポイントな気がします。一応文字にコンパルソリーの内容を置いておくと、RFIブラケット→RBOロッカー→足替えてLFI→LFIブラケット→LBOカウンター→LFO-RBOモホーク→RBO-LFIチョクトー→そのまま両足ターン、という流れです。

 

スネアドラムの音が入るとコンパルソリーもおわり、真央ちゃんにも動きが出てきます。

(楽譜、雑な切り貼りですみませんw)

下記、Des(レ♭)の和音で展開される印象的なメロディー(以下「Desのメロディー」と呼びます)の、繰り返されるDesのアクセントを捉えるように、またクラのグリッサンドが掛かったニュアンスを捉えるように、スリーモホークを繰り返しながら腕をねじねじしていきます(語彙力)。

 

その後、少しずつ下降していく音形(以下「下降のメロディー」と呼びます)に沿うように、ゆっくりツイズルを見せていきます。ゆっくり回転するツイズルをこうやって活用できるとは驚き…

 

金管楽器も登場してだいぶ音圧が増してきた中でまた「Desのメロディー」が来ますが、今度はベスティスクワットのエッジの深さでその音圧を表現します。かと思いきや、そのまま両回転のツイズルをビートに乗せながら置いていく、メロディーの横の流れとビートの縦の流れを両方見せていくスタイルです。

 

今度の「下降のメロディー」では、Y字ポジションとファンポジションの間のような、独特のポジションのスパイラルでその下降音形の過程を見せ、最終的にはいつの間にかシャーロットのようなポジションに移行、そのままスピンとなります。

 

ここで満を持して最初の主題に戻ってくると、真央ちゃんの動きはますますダイナミックになってきます。タメからの突然来る高速回転ツイズルにハッとさせられます…

 

また別のベスティスクワットが入り、今度の「Desのメロディー」ではトウステップ連続→クロスフットのツイズル!これはもう浅田真央にしかできないシークエンスでしょう。

 

ここでクライマックスが見えるようなE-durの和音が初めて登場し、そこで浅田真央最終兵器、「スリーモホークぐるぐる」が来ます(誰かこの素晴らしい技に名前つけてくださいw)。凄みを見せるのにこれ以上適した技はないですよねw圧倒される以外ありませんw

ラストはこれでもかとウインドミルを畳み掛けてフィニッシュ!

 

正直、真央ちゃんがボレロをやると聞いて、最初は全く滑っている姿が想像できなかったです。というのも、ボレロは同じメロディーの繰り返しで出来ていて、ある意味無機質な印象さえ受ける曲だからです。有機的の極みなスケーターだと個人的に思っている真央ちゃんがどうこの曲を調理するのかなと疑問だったのですが、蓋を開けてみると、「妖しさ+凄み」でとんでもない作品が出来上がっていましたね…畏れ入りました👏👏👏

(P.S.この振り付け真央舞の姉妹振付らしいじゃないですか!びっくりじゃないですか?舞ちゃんも凄いし、真央ちゃん、コーチだけでなく振付師という進路も視野に入ってきた…)

 

 

🌹ローズ

ここでも観客席に降りることでコネクションを大事にしていますよね。エバラスのタイトルに込められている「33本の薔薇」の意味を総括として確認するフィナーレとして、これ以上の音楽はないのではないでしょうか。

 

 

ということで完走しました笑

最後までお付き合いいただきありがとうございました🙏

劇場でやること、他ジャンルのエンタメとコラボすること、生オケでやること、全てが噛み合い相乗効果を生んだ、未だかつて見たこともないような素晴らしい総合芸術となっていました。

演者はBEYONDから全員続投でますますクオリティに磨きがかかり、生オケは演技にピタリと合わせ、凡人には想像できないような演出が繰り広げられ、ゲストは氷上での演技をより引き立て、といった感じで、何一つ欠けてもこのショーは成り立たなかったんでしょうね。真央ちゃんが引き寄せた才能たちの集結!という感じです👏👏👏

エバラス、再演希望です!今度は正面1階席で見てみたい…!劇場感を一番味わえる席だと思うのです。ただエアリアルをまた生で見る勇気が持てるか自信はありませんw

 

久しぶりにブログを気合をかけて書きたいと思えるくらい楽しませてくれて、真央ちゃん本当にありがとうという気持ちです!

真央ちゃん、今度は杮落とし(仮)で会いましょうね😘