ショパン・コンクールに思う【Ⅱ】”。 | ルチアーナの音楽時評・アラカルト。

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3/20オンエア・クラシック音楽館”【2015.ショパン国際ピアノ・コンクール】入賞者ガラ・コンサートは本当に心地よい聞き応えのある至福のひと時を提供してくれた。入賞者第1位から第6位までの内、国籍はともかく東洋系男女四人の若者がその位置を占めた事はある意味特筆ものなのだろうとも思ったが、しかしそれはショパンの音楽を語る上で全くその本質とは無関係な取るに足らない事である。今回の審査結果がたまたまこうした状況であったと言うだけの事であろう。我が国の若手ピアニストも含め今や有能なアーティストは数多その活躍の場を世界中に広げている。勿論それはあらゆる人種・出自に及んで…。ショパン・コンクールでの結果はそうした流れの延長線上の話に過ぎない。要するに世界の何処にでも才能は満ち溢れていると言う事だ。我々はその才能に巡り合う機会を待てば良い。ショパン・コンクールはその大きな窓口である。それにしてもショパンの作品はどうしてこれ程美しいのだろう!。それはまるで【神の歌!。】だ。マズルカ、ポロネーズ、ワルツ、ノクターン、エチュード、プレリュード、スケルツォ、バラードそしてソナタ、コンチェルト。全てが傑作である。18歳のショパンが書いた二曲のコンチェルト一番も二番も聴き始めたらその【魅力】いや【魔力】に取り憑かれる!。特に【緩徐楽章・『第二楽章』】の美しさはまさに【比類なき神美】ある。ショパンの作品に接する事が出来るとは【生きている喜び】そのもの、そう言っても過言ではない!。5年に一度ショパン・コンクールに向き合う度に私はそう感じている。
(ルチアーナ筆。)