東京国際フォーラムにて開催中(9/25.26.27の三日間)のインターナショナルオーディオショウ2015”初日の昨日、会場へと足を運んだ。東京はあいにく終日冷たい雨模様であったが会場には数多のハイエンド・オーディオファンが訪れ熱心に各ブースにて繰り広げられるハイコンポーネントのパフォーマンスに耳を傾けていた。かく言う私もその一人である。そしてそうした中今年私が最も注目したのが我が国のメーカー特にYAMAHA、フォステクスこの二社の各スピーカーシステムの充実した有り様だった。何しろYAMAHA等はこの20年来久しくハイコンポーネントの分野から遠ざかり製品開発に全くと言って良い程縁遠い存在となっていたのだが又この数年、高精度を誇るプリメインアンプの市場投入をきっかけに純オーディオへの回帰と同時にクォリティー追求の機運を強めている。そして今回この会場にてお披露目となった最新スピーカーシステムNS5000はかつてのYAMAHAで大変高い評価を受けたNSシリーズの延長線上に更に現在得られる最高峰の要素技術・テクノロジーを駆使してナチュラルサウンドの極限を求めて作られた逸品となっていた。恐らくまだまだエージングに時間を要するのであろう事から実際の発売は来年の7月になる様だがそのS/Nの良さ分解能の緻密さにおいて比類ない美音を奏でていた。格調高いピアノブラック仕立てのエンクロージャーはまるでグランドピアノに匹敵する程の艶やかさを誇り、まさにYAMAHAハイエンド・オーディオの復活を宣言しているかの様相を呈していた。そしてもう一つがフォステクスである。こちらで注目すべきはGX250MG及びG2000aの二つのスピーカーシステムである。お得意のマグネシウム形状振動板ミッドレンジを核に各帯域を微細に渡る素材吟味によって作り込み音楽再生のトータルバランスを高度にまとめ上げた丁寧な仕上げは決して飽きの来ないスマートサウンドの代表格と言えよう。そしてこれらのシステムを駆動するアンプ群にはアキュフェーズが採用されていて、やはりこれも癖のない生真面目な程に端正な音作りを目標とするこのメーカーの面目躍如たるところを見せ付けている様だった。そしてその当のアキュフェーズブースとラックスマンブースでは私の一押しタンノイのプレステージシリーズ・カンタベリーGRがこれらメーカーのアンプの精度を余す所なく引き出すに充分なパフォーマンスを展開、まさしくハイエンド・オーディオの世界の充実した味わいを私達に最高の形で教えてくれていた。高度な趣味性に根ざしたイベントである今オーディオショウだが、単に音楽を聴く為にこれ程までに贅沢をする意味があるのかとの疑義を抱くのも又、それはそれで大いに結構。諸兄におかれても是非この日常離れした空間に漂う【癒し】を体験して頂きたいものだ。【年に1度の異空間】への誘い!。この週末是非会場に足をお運びあれ。時間の無駄には絶対にならない事を私が保証しても良い!。
(ルチアーナ筆。)
★2015東京インターナショナルオーディオショウ。東京国際フォーラムにて。
【入場無料】
本日(26日)10:00~19:00
最終日・明日(27日)10:00~17:00
ガラス棟B1ショウ受付にて入場登録【必行】。