復興の妨げ”「五輪開催、百害あって一利なし。」 | ルチアーナの音楽時評・アラカルト。

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東日本大震災の発生から四年を経過した今、私は一向に出口の見えぬその復興の進捗状況を見聞するにつけ我が国の政府が如何に国民の生活そっちのけの体質であるかを見せ付けられている様で怒り心頭に達する事しきりである。かの未曾有の大災害から1日も早く立ち直り地域復興の基盤をしっかりと確実なものにしていかなくてはならない状況下ここへ来てその道筋に大きな支障をもたらしているのは何か!。それは言わずと知れた2020年に開催が決まった東京五輪&パラリンピックである。被災した各県を始め各地方自治体に深刻な復興遅延のリスクを与えている現況は主に五輪関連の建設資材に偏る原材料の調達行為の横行にある。五輪開催は必ず大企業、大手ゼネコンのぼろ儲けの温床になるとの警鐘は過去に何度となく打ち鳴らして来た私だがやはり当初からの私の懸念はまさに今現実の事となりつつある。事は原材料の五輪用途への優先調達の問題だけではない。人手不足も大変深刻である。五輪開催の為の準備要員として多分野の人材が動員され災害復興事業への人員確保は全くと言って良い程滞ったままだ。我々は大いなる税金の無駄遣いである五輪が如き大掛かりで馬鹿げた国際運動会になど使って欲しくて納税している訳ではない。資金面も人員確保の面でも我々の納めた血税は第一義的に先ずは復興事業へと優先投資されて然るべきであり、五輪を口実に大手ゼネコンが税金を食い荒らす仕組みに組み込まれてはたまったものではない。それでなくても政府は何かと言うと財政難を理由に消費税を増税し、年金支給額は減額、お年寄りの病院での窓口負担の増額、介護受益者負担のこれも増額etc。国民の生活に負担をかける事にのみ血道をあげているのである。そんな状況下で五輪にだけは湯水の如く我々の納めた血税が注ぎ込まれるのだ!。全くの話こんな馬鹿げた事が許されて良いのだろうか?!。借金まみれの我が国が国を挙げての贅沢三昧、あり得ない事だ!。そして本来厚く手当を施さなくてはならない部分には手抜きの仕放題。最早行政の抜本的見直しなくして我が国の未来は闇に覆われるばかりとなる。こう言う【逆立ち行政】を許してはならない。近代オリンピックの精神などとっくに忘れ去られ【国を背負って戦う。】とか【日本代表として頑張る。】などと、およそクーベルタンが述べた近代オリンピック憲章の精神とはまるで違う方向、即ち彼はオリンピックは参加する事に意義があると言い国を背負って戦えなどナショナリズムをあおる様な事は一言も言っていないのだ。その精神を忘れアマチュアイズムをかなぐり捨て大企業のぼろ儲けのネタと化したオリンピックなど、もう止めるべきだ。現実の問題として今まさに復興の妨げとなっている現状をオリンピック誘致に血道をあげ空騒ぎした連中はどう責任をとるつもりか!。まさに五輪開催は【百害あって一利なし!】だ。しかしこんな浅はかな決定をしてしまった日本人、自称アスリートと呼ばれる連中、大企業の金儲けに手を貸す安倍晋三を筆頭とした政治家ども全てはやがてその責任追求の矢面に立たされる事を覚悟しておく事だ。オリンピック開催の影でどれ程多くの人々が苦しい思いをしているか?。少しは勉強するが良い!!。
(ルチアーナ筆。)