東京都議会の本会議場に
おけるセクハラ野次問題が
尾を引いている。
今や外国メディアにおいても
極めて重大な関心事となり
ほぼ、この問題に付いての
各国の受け止め方が
分かって来た。それは概ね
一定の方向性を持ち女性の
人格や職業選択或いは結婚、出産
といった言わば社会進出を契機と
して起こって来る新たな
問題の解決を迫り又、性別を越えた
人間の尊厳に対する高い次元での
認識とその尊重を広く求める
良識、モラルの追求確立への
我が国の特に政治家の心情に
対する懸念と同時に向上への
期待をも含めた論調である。
今回の一連の騒動の発端となった
自民党都議の愚劣極まる野次は
いみじくも彼等が平素から
内心思っている女性蔑視の本音が
野次と言う事実上野放し状態の中
でその後の責任の重大さも
考慮せず発っせられた。
行き着くところ彼等は女性蔑視に
止まらず都民、庶民、国民をも
選挙の際の集票マシンとしか思わず
腹の底では馬鹿にし、侮蔑し、
ちょっと眼の前に上手い餌でも
ぶら下げれば、まんまと騙されて
一票を投じさせる事が出来る
愚かな生き物とぐらいにしか
考えていないのだ。
議会制民主主義の根幹を成す
政党政治が今の日本の基本的
政治機構上の概念である以上、
我々は選挙の際、何を基に投票行動
をおこしたら良いのか。
今こそそれを考えてみるべき時だ。
【人柄良さそうだ】とか
【実行力がありそうだ】などと言う
馬鹿げた基準で一票を投じては
ならない。議員は国会であれ
地方議会であれ一度議会に入れば
必ず、いずれかの会派に
属さなければ委員会、ましてや
本会議で発言は出来ない。
従って議員にならんとする人物が
どこの政党或いは政治組織に
属しているかが問題なのだ。
そう、選挙の投票基準は
政党、政策で決めるべきなのだ。
本来それが当然だ。
【実行力がある。】と言っても
良からぬ事を実行されては
たまらない。福祉の切捨て、
戦争の出来る国を推進、女性蔑視…
こんな実行力はまっぴらゴメンだ。
【人柄が良い】など政治思考の
問題とは全く関係がない。
政党政治とは平たく言えば
【数】の力で決まって来る。
自民党のやり方を見れば
お分かりの筈、数の力をかさに
やりたい放題ではないか!。
セクハラ野次に話を戻そう。
要するにこの人権無視の下品な
野次は、議員個人が言っている
のではない。自民党と言う政党の
数の力にものを言わせた強権政治の
本音が一議員の口を突いて
発っせられたものなのだ。
振り返ればしかし、こうした政治的
状況を作り出したのは誰なのか?
言わずもがな。都民であり国民だ。
後のまつりとはこの事だ。
恐らく自民党は、この騒ぎに
一刻も早く幕を引きたいと
躍起になって画策している事
だろう。セクハラ野次問題、
発覚から一週間を経過し怒りの熱も
早くも覚めかけて来ているが…。
やれやれ【何をか言わんや!】
ほとほと日本人はお人好しの様だ。
だが、この種の問題を
うやむやにしておけば、日本の
国際的信頼はやがて失墜する事、
明白である。
絶大な権力を持つ自民党に
抗して女性の権利を守り、
広く人権を擁護、発展させる道を
閉ざす事はこの上なく危険である。
我々は今回のこの問題を通して
今度こそ真剣に民主主義の
あり方を考察すべきだ。
そうしなければ本当に
この日本は危うい事となって
しまう。それだけは許しては
ならない。決して…!!。
(ルチアーナ筆。)