「あるさ!。君と私達が先ず一緒に
生活する為の問題点は出来るだけ最初にクリアーしておかなくてはね。」私はそう諭した。「でさ~今度は何~?」サヤは不貞腐れた様に言った。そしてこのやり取りだ…。
私(市澤)「じゃ~改めて聞こう!。この前、聞きそびれた件だけれどね君、最初にここへ来た時に持っていたあの30万からの現金だけれどね。あれ、確か使ってしまったと言ったね。わずか一週間程で…!。あれはさ、一体何に使ったの…!?。」サヤ「えぇ~、その話!だからそれは言えないの!あの時そう言ったじゃん…!。」私(市澤)「何で言えないんだね!おかしいだろう。君の様に若い女の子が僅かの期間にあんな大金を使い果たすって!あのお金の出処は分かったからそれはもういいよ!でもやはりそれが次回、会った時にはびた一文も残っていないなんて気にするなと言われたってそうはいかないじゃないか。ねぇ~マミー…?」私は一瞬妻に話を振ってみた。するとどうだ!。妻(まゆ美)「そうね~でも、あの時のあのお金はサヤちゃんの最後のお給料と、まぁ~少し悪い事をして貯めたお金だけれどそれをたしたものだった訳よね…。だから…、う~ん何といってもね~。やっぱりサヤちゃんのお金だし…。だから私は【まぁ~良いかなって】思ってるんだけれど…。」何…!!。私は耳を疑った。私(市澤)「マミー!君まで何を言っているんだね。私達はこれからこの子と一緒に生活をする事になるんだよ!だからこういう事を曖昧にしておいて良い訳がないじゃないか!そうだろう…!。」私は少しばかり腹がたった。するとサヤが私と妻の間に割り込む様に大声で話出した。サヤ「う~ん!分かったよ!もう良いよ!話すよ…!。」妻(まゆ美)「サヤちゃん!お辞めなさい…!」やはり妻とサヤの間には悪しき協定が有った様だ。サヤ「あのね~!あのお金で、
私~、あの後凄く高~い下着とか買ったの~!!。」私(市澤)「えっ!しっ…下着?!。」サヤ「そう下着…!。パンティーとか、ブラとか、生理用品なんかもい~ぱい買った!メイク用のお化粧品も。思い切ってブランド品ばっ~か。そしたら…気が付いたらお金なくなってた。」私(市澤)「下着ね!。あぁ~そう。マミーあの~、女の子の下着ってそんなに高いものなの?」妻(まゆ美)「俗に言うピンキリと言う事かしら!それは物にもよるけれど高い物は多く買えば相当な金額になるわね。」私(市澤)「そっ…そうなの…。」一瞬で気抜けしてしまった。そう言えば思い出した。サヤがフラフラで我が家へ舞い戻った時、傍らにいやに大きな紙袋があり、それだけはしっかりと抱え込んでいた事を…!。あれの中身が…、なるほど…。妻(まゆ美)「これは女の子として最大の身だしなみでしょう!私も凄い贅沢品ばかりを良くもまぁこんなに買ってきたな~と思ったし、あの時はこんなにお腹を空かせているのなら、先ず何か食べるのが先だろうとも思ったけれど…、そんなにしてでも先ずはデリケートなものを買い揃えて、この子はここに来たんだわ…って思ったら、私、何だかサヤちゃんの事が無性に可愛くて愛おしくなっちゃって…。だからね。あの時この件は私とサヤちゃん、女二人だけのお話にしておきましょうって決めたのよ。~ね!。」サヤ「うん…。」言葉が無い。私は無慈悲な事を言うつもりなど毛頭ない。それに良く言われる芸術家はとかく世情に疎いなどと揶揄される事も良しとしない。だからこそサヤの前では良識を示す必要があると考えたのだ。理解してもらわねば…。ならばもうこれで本当に言う事はない。私も妻もサヤも全てが詳らかになった今、真に穏やかに対応出来る筈だ。サヤ「でもさ~!ムーパパってエッチよね~。私のさパンティやさ~、ブラの事聞いたりして…。本当にエッチなんだから~!」私(市澤)「なっ何に…!!!」サヤ「ね~マーママ…!」妻は笑っている。冗談では無い!。だいいち、妻はいざ知らずまだ私はあの娘に私の事をムーパパなどと呼んで良いとは言っていない。とんだ憎まれ口を効きながらサヤは談話室を足早に飛び出し3階のゲストルームへと戻って行った。そうだ。いつ迄もゲストルームで寝泊まりさせておく訳にはいかない。部屋を移動させなければ…。かのブランド品とやらと一緒に…。それに妻は自分の持っている衣装の内、見合うもの似合うものは全てサヤに渡すと決めたという。家の中での大引越しを始めなくてはならない。その時だ割れる様な頭痛が襲って来た。「う~ん!!」私は一瞬うめく様にして頭を抱えその場にうずくまってしまった。「ムーンさん!どうしたの!!あなた、しっかり…!芳子さ~ん来て~!」妻の声が轟く様に部屋を貫いて響きわたる!終わりの始まりか…。 (続く。)ルチアーナ作