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パワー読解新宿・大阪国語
今津です。新宿で書いています。
耳から入った言葉を理解できない子がいるのをご存じでしょうか？
普通、耳から入った言葉が理解できないときというのは、言われていることが難解すぎたり、そもそも言葉を発している相手の発音が明瞭ではないなどの理由があります。
そうではなく、理解できる程度の言葉が明瞭に耳に言葉が入ってくるけどわからないとか、聞き間違いが多いなどがあれば、専門家を頼ったほうがいいかもしれません。
ここからは、少し古いんですが朝日新聞の２０２３年１２月３日付記事を参考にしながら書いてまいります。
このようなお子さまは全体の約１％存在するとされています。
もちろん、聴力検査では何の異常もありません。
聞こえているのなら、わかるはずじゃないか！
そう言いたいのはわかります。
でも、聞こえてきた言葉を理解する脳の部分において、電気信号の走り方がちょこっと違うために、理解が追いつかないわけなんです。
このような症状を「聞き取り困難症（LiD）」といいます。
国内では１％とされていますが、海外では０・２～５％とされています。
LiDのお子さまは、聞き間違いが多かったりします。
たとえば、「佐藤」を「加藤」と聞き間違ったり、わかるように話してあげたつもりなのに「何？」と聞き返してくることが多かったりするのです。
このようなケースのお子さまは昔からいたと考えられます。最近になって急に増えてきたというわけではなさそうです。
聴力検査でひっかかったりしていないわけなので、聞き間違いや聞き返しがおおいお子さまは集中力がないだとか、注意力が散漫だとかいう扱いを受け続けてきた可能性が高いです。
聞き取りに問題があるわけですから、当然学習にも影響があります。
今まではそれを本人の努力不足ということで、まさに根性論で片づけられていたのではないでしょうか。
ただ、聞き取り困難症について、正しく診断できる医師がまだまだ少ないのが現状です。
常に聞き取りが困難という場合もあるのですが、特定の条件下になると聞き取りが困難になるケースが多いようです。
また、お子さま本人も聞き取り困難症と気づいていないケースもあるようです。
たとえば、いろんな音が入り混じっている場合、友達が自分に何かを話し掛けていてもうまく聞き取れなかったりしています。
この場合、お子さま本人にとって、この状況で話されていることが聞き取れないというのが普通だと認識していたりするのです。
もちろん周囲の騒がしさによるのですが、通常だと十分聞き取れるような状況であってもほぼ聞き取れないという状況なのです。逆にそのようなことが起きていることを知ってびっくりする人もいるくらいです。
聞き取り困難症は、医師が診察するときに症状の再現をするのが困難なケースが多いようです。
欧米では１９５０年代から研究が始まり、診断ガイドラインも作成されています。
しかし、日本では関心が低く、聞き取り困難症の診断が可能な医療機関は全国にたった２０か所程度しかありません。
そのため、日本医療研究開発機構の研究班は、診断できる医師を増やすため、共通の診断基準を作成中です。
また、合理的配慮を求めるための診断書の発行や音声の視覚化、周囲の騒音を低減するイヤホンや補聴器などの普及、対応可能な医師や医療機関の増加についても提言しています。
聞き取り困難症だと診断された場合、どうなるのか。
根本的な治療はないのですが、専用の補聴器をつけたら聞き取りやすくなることもあります。
ワタクシ、実はお子さまは専門の補聴器をつけて、センセーであるワタクシは補聴器に音声が送信される専用のマイクを通して指導を行うことをしたことがあります。
もしこれがないと、そのお子さまは音声は聞こえているものの、何を言っているのか理解できないのです。
対処が早ければ早いほど、通常のお子さまと同等の理解度で授業を受けることができます。
何かおかしいな、と思った場合、まずはぜひかかりつけのクリニックでご相談をなさった上で専門医にあたってみてください。
あ。ちなみに…
そのマイク、スイッチを切るのを忘れていて、授業終了後のひとりごとをその生徒に全部聞かれてしまったことがありますｗ
次の指導のとき、その子と目が合ったのですが、「全部聞いたで！」とでも言いたげな、不敵な笑みを浮かべてました。。
めっちゃ恥ずかしいｗ
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