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今津です。
大阪・十三で書いています。
朝日新聞の4月29日付記事になるんですが、風変りなものがありましたので取り上げてみたいと思います。
「伝統校が茶髪・ピアスOKに 変革の真意は?」
メチャクチャ気になりますよね。
この学校はカトリック系の伝統校、栃木県宇都宮市の「星の杜中・高校」です。
ワタクシ、この学校を知りませんでした。
ホームページを開けておおっと思いましたw
まあ、見てみてください。
いきなりアニメです。
普通、この手のページというのは、生徒の笑顔とかやる気溢れるセンセーの姿とか、綺麗な校舎だとか、こういうのが出てきます。
ここはまったく違います。
同校は学校法人宇都宮海星学園が設置者の中高一貫校で、男女共学です。
以前は宇都宮海星女子学院と名乗っていました。なので、女子校でした。
さらに名前が気になるので調べてみると、神戸海星女子学院などの姉妹校のようです。また、カトリックの学校なので上智大学とも近く、2023年10月に高大連携協定を結んでいます。
現在の名前を名乗り男女共学となったのは2023年度からです。
2024年度より同校の校長となった小野田一樹先生はまだ49歳。しかも、もともとは教員ではありません。
大学卒業後は教育系出版社を経てJTBに転職、そこで手掛けた修学旅行や海外研修の企画を通して教育現場を見る機会が増えました。
アメリカの幼稚園から高校の一貫校の視察の仕事を手掛けているときに転機が訪れます。
小6生がツリーハウスを制作する授業で、設計・材料集め・工具の使用方法などを自ら調べ、1年かけて仕上げていくのです。
その間センセーは最低限のアドバイスをするのみ。
その様子に衝撃を受けた小野田先生。
「子どもが関心・興味を深め、自分たちで解決することに重点を置いていて、知識を詰め込むことを目的とする日本と全く違う」
さらに小野田先生に転機が訪れます。
コロナ禍が旅行会社に大打撃となります。
まったく仕事がなくなった小野田先生は起業を決断します。
教員免許がなかったのですが、理想の教育を目指し川崎市内のアパートの一室で保育園を開園。
2021年に面識のあった宇都宮海星学園の当時の校長先生から「学校改革を手伝ってもらえないか」と声を掛けられました。
自分の教室を運営しつつ新設された「校長補佐」に就任しました。
小野田先生はまず1954年から続いた「宇都宮海星女子学院」という名前の変更と、共学化を実施しました。
続いて、校則と定期テストも廃止しました。
制服については標準服として残したものの、原則自由化とし、さらに茶髪やピアスも許可しました。
長年「お嬢様校」として地元に定着していたので、一部の卒業生からは不安の声も寄せられたものの、小野田先生はそれに動じず「自主性を重視する教育」を目指しました。
保護者目線で考えると、なぜ定期テストを廃止したのかが気になります。
まず、2022年に学習指導要領が採り入れた「探求」の授業を重視したことです。
これに規定の3倍の時間をかけています。
探求とは、グループワークやリポートなどに重点を置く授業です。
定期テストを廃止する代わりに、知識の蓄積や理解度などは授業中の小テストや単元テストで測ることにしたのです。
また、留学制度も充実させました。英語の専門コースはもちろんですが、他のコースの生徒でも希望すれば4週間から1年間、世界十都市から選択した街に一人で留学させます。
この「一人で」が重要なのです。
グループで留学させると、結局のところ日本人で固まって英語でのコミュニケーションの練習があまりできません。
このあたりはよく聞かれることです。
また、長期間日本人以外の人たちと日本語以外でのコミュニケーションをしていると、必ず経験するのが「ホームシック」。
その状態のなかで徐々に「両親への感謝」を抱き、日本と日本以外の国の考え方・文化の違いのしっかりと認識していきます。
そして、しっかりとした考えを持つ人間へと生まれ変わります。
これらの改革はまだ1年しか経過していないにも関わらず、前向きな評価を得るようになり、2024年度の入学者は改革前の2倍となりました。
ワタクシ、思うところがあります。
日本のセンセーはなんでもかんでも教えすぎです。
もちろん何も知らないとそもそも考えることはできないのですが、ある程度考える材料が揃ったところで考えることを大いにさせるべきです。
また、その「考え」が間違っているとすぐに「修正・訂正」させるのも日本のセンセーのよくないところです。
ワタクシの教室では、考える材料として本を10分から20分で1冊読ませて考える材料を頭の中に揃えさせています。
次にその材料に従って「考えて自分で答えを出す」トレーニングをしていただいています。
これは、結局のところ「考える」ことに不慣れなお子さまが伸びないからです。と同時にそのお子さまには読解力もないのです。
ワタクシの教室に来られた方はみな、ワタクシが必要最小限のことしか指導せず、あとは教室の後ろで見守っていることに驚かれます。
怒られたこともあります。
しかし、それは本当の意味で21世紀を生き抜くお子さまにとって、「みずから考える」ということを指導していることに他なりません。
また、その力を持つと自然と読解力も身につきます。
そして、最終的にみなさま方がお望みの「国語の成績の劇上がり」が実現するのです。
【お知らせ】
ワタクシ、新宿と大阪・十三を行ったり来たりしております。が、ときどき名古屋の教室にも顔を出して指導をすることにしました。
次回は2024年6月1日(土)午後6時~
お待ちしております。
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