こんにちは。
東京 大阪 名古屋の中学受験国語塾
パワー読解 パワー速読®
今津です。
大阪・十三で書いています。
いつもなら月火は新宿にいるのですが、関西で私用があったので本日(月曜)昼間に大阪へ戻ってきました。
今日は「本の読み方」について、ウチの教室で指導していることを少しだけ「漏らします」w
説明文・論説文のたぐいの本についてです。
みなさん、きっとなんですが、本は一字一句隅から隅までしっかりと読まないといけないとお考えだと思われます。
決して間違ってはいません。
ただ、それだとだいぶ要領が悪いです。
●一冊の本に主張していることは一つ
先に結論から申します。
一冊の本に主張していることはたった一つ。
いっぱい書いてあるようにお感じでしょうが、そんな本は逆に読みづらくて仕方がありません。
もし主張していることが一冊の中にいくつもあるようなら、何を言っているのか理解しにくい本になってしまいます。
たとえば、あなたがスピーチをすることになったとします。
思いつくままに原稿を書き、話したところで、あまり聞き手に伝わっていないことが多いはずです。
聞き手は「何を言いたいのかわからない。早く話を終われ!」と心の中でつぶやいていることでしょう。
一方、最初に「何を伝えたいのか」をきちんと決めて、その「伝えたいただ一つのこと」につながるようにその他の話をつなげていくように話したら、どうでしょうか。
きっと、聞き手はどんどん話し手の話す世界に引き込まれていき、最後はストンと腑に落ちたような顔になるはずです。
話の「オチ」がきちんと定まったスピーチをすると、すっきりとするのです。
一方、いくら話の「オチ」が決まっていたとしても、「オチ」がいくつもあったり、その他の話と「オチ」がまったくつながりのない話ならば、聞き手は混乱するだけでまったく気持ちのよくないスピーチとなるでしょう。
本も同じです。
「オチ」は一つだけ。その「オチ」に向かってその他の話を書いていく。
そうすれば、読み手はすっきりと書き手の言いたいことを理解できるのです。
そして、そこから学びを得ることができ、その書き手のファンになっていくのです。
●では、どうしてあんなに本は長ったらしく書かれているのか
ちゃんとした理由と、大人の事情とに分けて書いていきます。
説明文・論説文の場合、一冊につき本当に伝えたいことは一つです。
ところが、世の中には実にさまざまな人がいます。
一つのこと(筆者の主張)を伝えたとしても、筆者とまったく同じ理解度で理解できる人はほとんどいないでしょう。
仮に100%理解できる人がいたとすれば、きっとその人はその本を読むことはないでしょう。
筆者と同じ視点・同じ情報量・同じ理解をしているわけですから、その本から学びはまったくありません。だから、わざわざおカネを払ってまで読むべきだとは思わないはずです。
そのことをあまり知らない人が読む、ということで考えていった場合、主張のみ読んだだけではまずきちんと理解できません。
きちんと解くことのできない算数の問題を、答えの数字だけ見て理解しようとしているのとあまり変わりません。
ほとんどの場合、丁寧な説明が必要となります。
また、具体例をいくつも列挙したり、たとえ話をはさんだりする必要も出てきます。
いろんな人がこの世の中にいるわけですから、同じ言葉・同じ文章を目にしても違うようにくみ取る人だって中にはいます。
その人たちにも正しく理解してもらうためには、いろんな話を織り交ぜてなるだけ正確に理解してもらえるように配慮も必要です。
かくして、それらを勘案した「最小公倍数」が200ページ程度の本となるわけです。
一つの「いいたいこと」を正しく伝えるためには、さまざまな角度から「いいたいこと」に焦点を当てて話を書かないといけないのです。
…とまあ、ここまでが正論です。
え?大人の事情?
それだけを書くと、紙切れ1枚か2枚にしかなりません。
その紙切れ1枚か2枚に、あなたは1600円とか1800円とかお支払いになりますでしょうか。
当然、払うわけがありません。(これが大人の事情ってやつですw)
●ではどうすればいいのか
まず一冊をしっかりと読み切る。
その次に、筆者の「たった一つの主張」は何だったのか、考えてみる。
さらに、その主張を理解するために必要な、「自分にとってストンと腑に落ちる箇所」をいくつか見定める。
その箇所について自分なりに考察し、消化する。
それで、その本はおしまい!
次の本をお読みください。
隅から隅まで一字一句頭に入れるような読み方は必要はありません。
それだけで、あなたの読書スピードは格段に上がります。
うまくいかない場合は、ウチの教室できちんと指導を行います。
【お知らせ】
ワタクシ、新宿と大阪・十三を行ったり来たりしております。が、月に1度、名古屋の教室にも顔を出して指導をすることにしました。
次は4月6日(土)午後6時に名古屋池下におります。
ぜひお越しください。
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