こんにちは。
かなり暑い日が続いてますね。先週は昼間に外に出ると、熱中症で救急車で運ばれている人を何人か見ました。なんとか、私も健康管理に気をつけながら、この夏を乗り切りたいと思います。
さて、先月の講座では、「日本人は優秀」「大学院留学した場合優位」ということをお話しました。しかしながら、「そうは言いつつもの、これから初めて英語圏の国に行くのに、ネイティブと同じレベルで論文がかけるものか?」という声もあります。特に、「暗記型の日本の教育に慣れている人間が、果たして論文、ディスカッション、ディベート形式主体の向こうの教育についていけるのだろうか?しかも英語で?」という部分です。私は、「文法」「語彙力」「作文力」等はそれほど問題にはならないと思います。しかしながら、日本人が慣れにくいのが、欧米の(特に米国の)で重要なパートを占める「クリティカルシンキング(Critical Thinking)」の部分が重要だと思います。
私が見てきた日本人留学生で、このクリティカルシンキング的手法に慣れやすいのは、こういうタイプの人です;
1. ひねくれた考えを持っている人or思いつく人
2. 面白いことを思いつく人or人をよく笑わせる人
ちょっと、この2タイプの留学生がどのようにクリティカルシンキング的手法に慣れて行くか、簡単な例で説明したいと思います。まず、このクリティカルシンキングですが、ウィキペディアでは、このように定義されております;
「批判的思考(ひはんてきしこう、英: Critical thinking)は物事や情報を批判的に解釈する思考パターンのこと。単にクリティカル・シンキングと呼ばれることも多い。対象物を見聞きしたままに受け取るのではなく、客観的なおかつ分析的に理解するものである」
そして、巷の留学斡旋業者や留学本では、このクリティカルシンキングの能力をどうやったら身につけられるかという方法を、「普段から物事を様々な角度で身につける」「人と違った視点を持つようにする」「物事の解答は一つではないと考え行動するようにする」と書いております。どうもこのような優等生的な説明だと、イマイチピンときません。この言葉だけ聞いた人or読んだ人が、「クリティカルシンキングに基づいた論文」をかけるようになるとは思いません。難しく説明するのではなく、もう少し分かりやすく例を書けばいいと思います。
ちょっと、この一分少々のYoutubeのリンクを見てください;
http://www.youtube.com/watch?v=EwtgjUy6aQo
「まんが日本昔ばなし」のエンディングテーマです。これを見た99%の人が、「ああ、かわいいね」「子供向きのテーマソングだね」等という感想を持ち、ゴールデンタイムで放送されてましたが、小さい子供のいる家庭裏番組など観ずに、リビングで子供にこの番組をみせていた光景が思い浮かびます。しかし、この歌詞、ただかわいい歌と流すのではなく、ちょっと批判的に見てみたらどうなりますでしょう?
「クマの子見ていたかくれんぼ♩ お尻を出した子一等賞~♩ 夕焼け小焼けでまた明日~、ま~た明日~♩いいな、いいな人間ていいな。おいしいおやつに、ほかほかごはん。子供の帰りを待ってるだろうな。僕も帰ろ、お家に帰ろ、でんでんでんぐり返ってバイバイバイ (2番省略)」
1. クマの子見ていたかくれんぼ←普通クマいたら、かくれんぼ中断して逃げるだろう
2. お尻を出した子一等賞←どういうかくれんぼのルールだ?
3. お尻出したら一等になれるなら、かくれんぼ開始直後にみんなお尻だすだろう
4. クマだって、他の動物だって、巣で親がえさたくわえて待っているだろう
5. クマと人間が手をつないでおどっているわけないだろ
もう一つ例をあげます。かつて明石家さんまが、笑っていいとものレギュラーだった時に、「指切りげんまん」の歌詞についてこのような事を言ってました;
さんま「指切りげんまん、嘘ついたら、針千本飲~ます♩指きったっ♩という人がいるが、嘘ついても針千本持って来ないお前が嘘つきだ。針千本持ってすらいないお前が嘘つきだ(笑)」
普通に見て、「まんが日本昔ばなし」も「指切りげんまん」も、元の歌詞をパロディ化or茶化したものにしか見えないですが、普段から、このようなひねくれたアイディアや、面白く笑いを取ろうという意識が強い人は、普通とは違う角度から見るくせがついているので、留学した後に、論文作成に慣れやすいと思います。
一般的に米国の大学に留学生が行くと習う論文の書き方の構成は;
- Introduction
- Body Paragraph 1
- Body Paragraph 2
- Body Paragraph 3
- Conclusion
となってます。日本語の構造で言うと、起承転結よりも、序論本論結論に近いと思います(私の場合は、結論本論結論という形式にして、本論の部分をBody Paragraphを5個にします。また各Body Paragraphの中を5部構成にします)。論文の細かい書き方は、別の会でやりたいと思います。ちなみに、先ほどの「まんが日本昔ばなし」の5点をふまえて、3時間位で小論文を書く事はできます。リクエストがあれば、今度書いてみます。
今、私が例にあげた「まんが日本昔ばなし」のようなレベルの題材を小論文のトピックにしても、向こうの大学で留学生が受講する英作文の授業で取り上げてもらえると思います。私は、留学して2学期目の英作文の授業で、このようなトピックに関して論文を書いてAをもらった記憶があります;
「世界の国は北朝鮮を攻撃すべき~Should the other countries in the world attack North Korea~」
(テポドンが日本列島の上を通過して太平洋に落ちた次の年だったため)
「留学生は~~教授の授業は取るべきではない~It is not beneficial for international students to take Dr.~~'s class~」
(前の学期に取った授業の先生がアジア人差別的な発言をよくしていたため)
この時、留学生やアジア人学生が多かったクラスで、いちいち一人一人のトピックを先生が読み上げるのですが、さすがに、このようなアイディアで書いていた人はいなかったです。しかしながら、クリティカルシンキング的手法で構成がしっかりしていれば、点数がもらえるものです(「俺にも読ませろ」とは言われたりしましたが....笑)。
まあ、論文の書き方に関しては、別の会で詳しくやるとして、「クリティカルシンキング」=「批判的手法」等とむずかしく考えることもなく、日常生活のほんとに身近なことをちょっと違った視点で見てるだけでいいものです。ウィキペディアにはこうも書いてあります;
「主観的な姿勢を採る傾向にあるアジア圏の人々は欧米人に比べると客観的な状況把握能力が欠けているといわれる。考えられる理由としては社会文化の中に集団意識という概念が強くあり「話を聞く、疑わない」ことが礼儀であると認識されており批判することを失礼であるとみなす風潮が根強く残っているということに加え、集団意識に派生する情報共有の尊重が個人的解釈に優先する傾向がある。よってこのような社会に属する人間が批判的思考能力を養うのは容易なことではない」
この言葉を借りると、「まんが日本昔ばなし」や「指切りげんまん」の歌を聞いて、「かわいい」とか「楽しい」で終わるのが集団的解釈で、先にあげた5点や明石家さんまのような視点を持つのが、個人的解釈になるかもしれません。
冒頭であげました;
1. ひねくれた考えを持ってみるor思いついてみる
2. 面白いことを考えてみるor人を笑わせようとしてみる
この程度のことを、普段の生活で考えてみるだけでいいと思います。例えば、電車の広告のキャッチフレーズを見て、「何かおかしいな」と一瞬思うだけでも。後は、構成方法を留学前までにちょっとだけ身につけておく程度で大丈夫です。
次回以降に、今度は、論文のトピック選定の方法についてお話できればと思います。
東大 Red Gate http://red-gate.jp/
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