ジェントルマンが愛す、紅茶の世界
「英国のジェントルマンは、ウィスキーはシングルモルトだけども、紅茶はブレンドである」
日本では単品で楽しむことの多いアッサム、ダージリン、アールグレイ・・・、それぞれの茶葉を自分の好みに応じてブレンドして飲むのがジェントルマンの嗜み、というか常識だとか。
かく言う私は、32年間の紅茶童貞。振り返ってみると、二度の手痛いトラウマが私の半生から紅茶、しいては紅茶にまつわる世界観までもを拒否し続けることになった。
一つ目の思い出は、小学校時代、夏場プールの授業の後に出てきたメチャメチャ甘いミルクティー。学校のおばちゃんが疲れた生徒のために、良かれと思って甘くしたのだと思われるが元々紅茶に興味のなかった私は、(なんて品のない飲み物だ)と強烈に記憶することとなった。
ふたつ目の思い出(トラウマ?)は、母親の飲んでいたアップルティーだ。これもまた嘘くさいフルーティーな香りを放ちながら、飲めば苦くて渋いという、子供を襲う食虫植物のような印象を味わった。
以来、外食の際に聞かれる「コーヒーにしますか、紅茶にしますか」に対しては、あくまで消去法によりコーヒーを選択。本当はオレンジジュースを頼みたいのだが、中学生を過ぎるとそれも頼みづらくなった。
大学時代、イギリスの地方都市で半年間遊んで暮らした時も、紅茶を飲むことはなかった。
それほどまでの紅茶を拒否し続けた私は、紅茶を楽しむうら若き女性たちの醸し出す紅茶の世界観に対してまでも、嫌悪感というか自分とは異質な世界観として認識するようになってしまった。(飲んでる一人一人は好きなのに・・・。笑)
しかし先週末、ついに紅茶童貞を思いっきり捨てる出来事に出会った。それが、冒頭のジェントルマンが愛す紅茶の世界観である。さらには、マイケル・ジャクソン著『Malt Whisky Companion』によって指摘された、アイラ島のシングルモルト「ラガヴーリン」と、中国紅茶「ラプサンスーチョン」との思いがけない香りの共通点。
信奉するシマジさんに、これら紅茶について習った上に、シマジ・ブレンドの紅茶をご馳走になって初めて私はティーカップの底を見ることになった。
しばらく試行錯誤して、自分で楽しめる自分好みのブレンド紅茶を見つけようと思う。
- モルトウィスキー・コンパニオン/マイケル ジャクソン
- ¥3,300
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『床屋の真髄』by米倉満
- 床屋の真髄 男を高め、男を癒す銀座の老舗の技とサービス/米倉 満
- ¥1,575
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本読むの大好きなのだけど、特に「読書の幅」というのを、すごく大事にしている。恋愛小説から、殺人事件から、ビジネス本から、政治の裏側についての本から、科学の本や、歴史小説や、漫画やら、ありとあらゆるジャンルに触れるようにしている。
それは、「興味あることをやりたいだけやる」という趣味のなせる技でもあるのだけども、まあ、折角の人生の肥やしなのだから、いろんな分野からバランスよく栄養を取り入れたいな。と。
で、某大手版元の敏腕編集者Hさんが、「今度はこれ」と紹介してくださったのがこの『床屋の真髄』。おいおい、今度は床屋さんの本かよ!と。
「読書の幅」という琴線に触れたものだから、すぐに買って読んでみたら、なかなか奥深い床屋の世界を垣間見せてくれた。いい本だ。
一度、米倉さんに行って髪切って、髭そりしてもらいに行こう。。
少しの趣味が人生を豊かにしてくれる
先日、幼馴染のラーメン屋と、内装屋と、佃煮屋の3人で、シングルモルトの勉強会(という名の飲み会)を開いた。その帰りにtwitterを見たら、内装屋が「少しの趣味が人生を豊かにしてくれる」とつぶやいていた。
いいこと言うなあ、と思った。(けど、なんか悔しいから RT しなかった)
趣味というは、「面白そうなことをやりたいだけやる」という、もの凄く自分勝手で無責任な人生の楽しみのこと。あまり深く考えずに色んなことに興味を持って、自己研さんを積めばそれでいい。ホントそれだけで、人生が豊かになる。
上質な人生を求める先輩は沢山いる。けど、本当に上質な人生を歩んでいる大人はあんまりいない。
自分は、同世代の中でもこの道に関しては半歩先に出ていると自負している。