「読む紙芝居」というコンセプトでやってるので、いつもの観戦記なら試合経過から時系列で追って書いてます。
けど今回の試合でそれをやっちゃうと、モヤモヤが大モヤモヤに増幅しそう(笑)。
そこで今回は、あたしがある「仮説」を立てて、そこから見てもらうことにします…
結果から言ってしまうと讃岐は0-1で敗れました。
今季ずっと続いている、「いい内容なのに点が思うように入らず、ワンチャン決められて敗北」。
この試合もそのなかに分類されるでしょう。
ところが、今節に限って言えば内容が少し違っていたと思うのです。
プレビュー記事を読んでいただいた方は、もしかしたら気がついていたかもしれませんが、あたしはこの試合の勝利について、相当自信がありました。
いつもなら「見どころ」のコーナーは両チームの攻撃とその対応について書いていくところを、今回はこう書き出して進めています。
「ハッキリ言うと、讃岐がいかに手数をかけずにカウンターを打てるかどうかが最大の焦点だと思います」
琉球の守備には正直言って問題があると思います。
琉球が勝ち上がるには失点を上回る高い攻撃力を磨くしか手はないとも思っています。
今の讃岐なら、琉球を引き込んでカウンターを打ちさえすれば他のチームに比べて比較的簡単に得点が獲れるだろう…そう考えていました。
しかし讃岐はカウンターを選択せず、前からプレスをかけてボールを奪い、ボールを握って琉球に立ち向かいました。
そうなると必然的に琉球は構え、守備を固めながら逆に琉球がカウンターに活路を見出す流れになります。
結果、讃岐は守りを固めた琉球から得点することができずに敗戦を喫しました。
(なんでカウンターを選択しなかった…?)
試合後、そんな想いに包まれて非常に悶々としていました。
帰ろうとした時、タカオニアさんにバッタリ会いました。戦術的にも詳しいタカオニアさんなら何かヒントをくれるんじゃないかと思って、疑問をぶつけてみました。
「なんで讃岐はカウンターを選択しなかったんでしょう。引いて守りを固めて、(攻撃の起点になっていた)岡澤昴星にマークをつけておけば、琉球は何もできなかったと思うんですけどねぇ…」
これに対して、ちょっと答えに窮するような、困ったような顔を見せてタカオニアさんはこう答えてくれました。
「ボクもGAMEさんと同意見です。だから…うーん、"これを選択できなかった何かがあった"としか思えないんですよね…」
カウンターを選択できなかった何か…か。
もし、もしも…「カウンターが選択できない何か」があったとしたら、それは一体何だろう。
怪我人?
いや、そうではなさそう。
ベンチ外の主力・宗近慧も奥田雄大もカウンターの起点となり得るロングボールを放つことはあるが、彼らはDF。それほど攻め方に影響はないだろう。
川西翔太はカウンターに欠かせない存在かと言えばそうではない。
ポジティブな理由もあり得るか。
ポゼッションやハイプレスが得意な選手で好調な選手を起用したかったから?
江口直生&竹村俊二の2VOは久々のスタメンだったので好調なのだろうと予想したが、実際のプレーを見る限り飛び抜けて好調だったという感じでもなかった。
これも違うのか…
対戦相手?
琉球サイドは讃岐をどう見ていたのだろう。
琉球の10番・富所悠のコメントを読んでみました。
讃岐の印象について訊かれた際のコメントがこちら。
「前回(第12節はスコアレスドロー)はブロックを敷かれて攻め手がなく、ボールを持っているだけで90分終わった感じだったが、今回はある程度前から来て、はがし切れず相手に主導権を握られた感じだ」
やはり琉球も守備を固めてからのカウンター狙いを警戒していたのだろうか。
思えば、CBに高さが売りのいつもの森侑里ではなく、スピードと対人守備が武器の増谷幸祐を起用したのもカウンター対策だったのかもしれない。
しかし讃岐はカウンターを使わず攻めてきた。
開幕前、米山監督は
「敵陣でボールを支配していれば、ボールを奪われたとしても失点のリスクは低くなる」
と言われてましたね。
もしかして…
このコメントを読んで、あたしはあの試合のことを思い出していました。
2023年、アウェイ鳥取戦。
この試合で米山監督は基本布陣だった4-4-2を前半の途中から3-4-2-1に変更して鳥取に挑んだ試合でした。
米山監督は試合後、その理由を明かしてくれました。
「鳥取は4-4-2のチーム。3枚でポジションのずれを生んだところで、ポゼッションに長けている鳥取に真っ向勝負で挑んでみようという狙いでした」
今節の対戦相手・FC琉球もポゼッションに長けているチーム。
つまり…
米山監督はカウンターを捨てて、今の讃岐ならポゼッションに長けている琉球に真っ向勝負を挑んでも勝ちを拾えるという自信があったのではないか。
試してみたいと思ったのではないか。
恐らく米山さんは、あの開幕当初に目指していたJ1クラブでも難しいんじゃないかと思われるカタチのポゼッションサッカーへの到達を諦めずに目指しているのではないだろうか。
もちろん開幕直後より進化している。
そのことは理解している。
ただ、この戦術は非常に難易度が高いと思う。
ちょっとやそっとじゃ辿り着けないだろう。
でも米山さんは、折に触れテストトライアルしていく腹づもりなのだろう。
これだと最後の最後まで「いい内容だけど勝ち切れない」が続く可能性があり、厳しい残留争いを闘うことになるだろう。
我々ファン・サポーターは最後まで厳しい闘いに巻き込まれるということを覚悟した方がいいのかもしれません。
「ポゼッションサッカーを諦めない」
そんな米山監督の想いのなかで第20節は行われたのではないかという仮説。
これを踏まえて明日から通常の観戦記をスタートしてみます。
<つづく>
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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