讃岐のファン・サポーターは重苦しい1週間を過ごしていたと思うが、チームもきっと地獄のような1週間を過ごしていたと思う。
米山監督はテレビで高らかに今のスタイルを貫き倒すと宣言した直後。
しかし一度として勝利に辿り着いていないその闘い方にどれだけの選手たちが賛同できていたか。
きっと異を唱える者もいたはずだ(ないと余計に心配)。
ここのせめぎ合いは間違いなくあったはず。
あたしも"第3形態"への進化そのものは支持するが、まだこれを断行する時期ではないように思う。
一旦、昨季の闘い方を基本路線に、状況に応じて併用するのがいいのではないか。そう思っていた。
どちらかと言えば、讃岐の選手はカウンター向きの選手が多い気もする。
"弱者のサッカー"。そう言われても、昨季のサッカーで立ち向かうべきなのでは…
でもこの想いはきっと通じないだろう。
そんなことを思いつつDAZNを眺めていた。
讃岐は試合序盤から激しくプレスをかけていく。
左SB乾貴哉の縦パスを内田瑞己がインターセプトすると、縦に速く展開してコーナーキック(CK)を獲得した。
江口直生のキックはクリアされたがこぼれ球にウッチーのミドルシュート!
ブロックされたボールはこぼれていったが深港壮一郎が回収、竹村俊二の浮き球のパスを大野耀平が受けて強引だったがクロスまでいった。
………!?
大野耀平にボールを集めようとしてる?
讃岐は序盤から激しくプレスをかけていくシーンが目立つ。
4分頃、江口直生の浮き球のパスをうまく胸トラップしてペナルティエリア(PA)に迫るのは大野耀平!この場面ではトラップが僅かに長くなりCB工藤孝太に対応された。
6分には今村勇介のゴールキック。
蹴ったボールの行方は…またしても大野耀平!!
ここはGKの田中悠也が押さえて事なきを得た。
明らかにボールは大野耀平を狙って出されている!
恐らくこれがチームで話し合いを重ねたうえでの米山監督のアンサー。
米山さん…
讃岐の変化に気づいたか、北九州は大野耀平を工藤孝太と乾貴哉が連携して抑えにかかる。
ただ、このことが影響しているのか、北九州は主武器ともいえる攻撃のカタチに踏み出せない。
左SBの乾貴哉が高い位置を取り、左SHの牛之濵拓が内側に絞って攻撃参加する可変システムにうまく持っていけなかった。
7分にこぼれ球を回収した牛之濵拓がドリブルでPAへ侵入してきたが、長谷川隼が防いでみせた。
逆に今一つ連携が不充分な讃岐の左サイドに目をつけ、森勇人と深港壮一郎の間のスペースへボールを送り、右SB山脇樺織を走らせて攻撃開始。
ボールの出し手として、トップ下に起用された矢田旭が存在感を発揮していた。
うー面倒くさい…
その矢田旭は19分、山脇との連携から浮き球のパスを山脇の前のスペースへ送る。
うまく抜け出した山脇!
グラウンダーのクロスだ!!
中央で待っているのは…
歴戦の兵・永井龍!!
パスは足下に入ってしまったがターンしながら体勢を立て直してシュートっ!!
しかしやや窮屈になってしまったか、シュートは枠を捉えられなかった。
いろいろ想定外な展開になったこの一戦は意外な展開を見せる。
25分、乾貴哉から左サイドに流れた永井龍へスルーパスが出たが、宗近慧が対応。カットしてこの日最初のCKを獲得した北九州。
岡野凜平がボールを蹴………!?
ん???
審判が笛を吹く。
え、PK!?
長谷川隼と乾貴哉の競り合いのなかで乾がハセに倒されたというジャッジのようだ。
いやいやいや…
競り合って倒れたというよりは、乾は急に、不自然な感じでパタリと倒れている。
つまづいたか、あるいは悪いが…
ハメられた
あれはハセが倒したのではない、今もそう思っている。
しかし判定が覆るはずもない。
そのままPKが始まる。
頼んだぞ、いまむー…
永井龍が今村勇介の逆を突いて先制に成功した。
不本意で理不尽な感のある失点。
でも、世間では
「讃岐は、またしても先制点を許した」
ということになるのだろう。
うーーーん…
心臓を鷲掴みされたかのように胸が苦しくなった。
……………。
<つづく>
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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