同点弾が生まれたことで勢いに乗る讃岐は77分に今村勇介のゴールキックを大野耀平が落とし、川西翔太が回収。
左サイドの吉田源太郎に繋いでクロスが入る。
ターゲットは大野耀平か!?
いや、前川大河だっ!
胸トラップからボレー一閃!!
しかしこのシュートは僅かにバーを越えてしまった。
これが…決まっていればなぁ…
讃岐は川西翔太を下げて小山聖也を投入。
【讃岐③】
10 川西翔太 → 26 小山聖也
チーム最年長の川西にはある程度、体力を考えながら起用せざるを得ないと思うが、今の讃岐で川西翔太を下げることはゲームメイクのクオリティも下げてしまう可能性が高い。
これを解決するには岩本和希をベンチスタートさせるか、交代枠に"あの男"をベンチに据えるしかないと思う。しかしその男は未だ現れず…。
試合も最終盤。讃岐の足は止まっていた。
相模原のカウンターに対応することで大いに体力が削られていた。そこに追い打ちをかける26℃の気温…。
懸命に走っていたが、体力を温存できていた相模原の走力が上回る。
さらに相模原は球際を厳しくいき続けていた。
ファウルを取られる場面も少なくなかった。先に述べた疲労だけでなく、讃岐の選手たちは苛立ちの感情とも闘っていた。
苦しい状況でありながらも讃岐は相模原と激しくカウンターの応酬を繰り広げていた。
90分を経過したその時だった。
讃岐は自陣でボールを奪ってカウンター発動!
しかしパスを受けた小山聖也が歴戦の兵・高野遼にあっさりとボールを奪われてしまう。
これを見るや瀬沼優司はスッと気配を消して疲労困憊・宗近慧の背後を取りボールホルダーの高野遼へ手を挙げて合図を送る。
高野遼はこれを把握、柔らかい浮き球のパスを放つ。
絶妙な精度………!!
カンペキな抜け出しに成功した瀬沼は叩きつける見事なヘディング!
痛恨………
もはや讃岐に反撃の余力はなかった。
相模原は交代枠を使い、人と時間をしっかり費やして劇的な勝利をモノにした。
【相模原③】
2 加藤大育 → 24 牧山晃政
試合終了後挨拶を終えた両軍。DAZNのカメラは殊勲の瀬沼優司ではなく、PKを外した吉田源太郎を追い続けた。
何と趣味の悪いカメラワーク…
げんたろーは自分への怒りと涙を堪えるような憮然とした表情で下がっていく。
これで7戦勝ちなし。
讃岐の開幕からの勝ちなし記録はJ初年度の14戦未勝利、上野山体制の2020年の10戦未勝利と続くがそれに次ぐ3番目に長い記録になってしまった。シーズンまたぎで9試合勝ちなし。次も勝てなければ2020年の記録に並んでしまう。
いい試合をしている、方向は間違っていない。
その通りだと思う。
しかし…
勝てていない、方向は正しくとも歩みが遅いのもまた事実。
腹は立たない。
一生懸命やってるのは観ててわかるから。
だが、一生懸命やってこの結果だということに、言い知れぬ不安を覚えてしまう。
J3リーグで勝てていないのは讃岐と最下位に苦しむ宮崎のみ。
今季は昇格争いとまでいかなくても、上位陣と互角以上に渡り合えるのではないかという期待感を充満させながら望んだシーズン。
それだけに落胆は大きい。
今季の成績もそうだが、シーズン前のトレーニングマッチから、讃岐は高校年代のチームにしか勝てていない。
そこにも不安がつきまとう。
まだ17位だと安心する勿れ。
18位八戸と19位岩手は、試合の消化が讃岐より1試合少ない。
最下位の宮崎はJリーグのトップパートナーである いちご株式会社の傘下に入っている。
大型補強発動で降格圏脱出というカードを手元に持っている。
つまり讃岐は残留争いの主人公になってしまったのだ。
勝てないのだから当然のことだが…
JFLは現在4試合を消化。首位は高知ユナイテッドSC、2位は沖縄SVがつけている。
こちらも混戦が予想されるが、現時点ではJ参入を目指すクラブが昇格枠を埋めている。
どうやら今季の目標はJ3残留に変わってしまったようだ。
<つづく>
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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