計測すれば硝煙反応が出るんじゃないかというほど喜びを爆発させたバックスタンド。
恐らくメインスタンドも盛り上がっていたのではないだろうか。
歓喜に沸くピカスタにあって、人一倍悔しさを噛み締めていた漢がいた。
恐らく古巣対戦で初めて味わう悔しいと言う感情。
燃えないはずがなかった。
鹿児島は讃岐の2トップ赤星魁麻と小山聖也、そして森勇人のハイプレスに苦しみ、なかなか攻撃のカタチを創れずにいたが、遂に反撃体制を整える。
その急先鋒が薩川淳貴だった。
さっつーは、同じサイドにフィジカルの強い鈴木翔大が入ったことで川﨑一輝のマンマークがある程度分散され、前半よりも自由になっていた。
讃岐のスローインを千布一輝がインターセプトして端戸仁が右サイドの星広太に展開し、河辺駿太郎にパスを出す。
河辺は自慢のスピードを活かしてドリブル開始!
敵陣深く斬り込むとグラウンダーのクロス!
これを長谷川隼がカットしたが…
このこぼれ球に薩川淳貴の左足が唸るっ!!
シューーートだぁーーーっ!!
地を這う強烈なシュートだったがコースが甘く、髙橋拓也がしっかりとキャッチしてみせた。
鹿児島は最後のカードとして野嶽寛也を起用した。
【鹿児島③】
17 星広太 → 14 野嶽寛也
このあたりから讃岐は鹿児島の猛攻に曝されることになる。
左サイドの敵陣深い位置でスローインを得た鹿児島は、パスを繋ぎながら中央の千布へパスを出す。
千布は鋭く縦パス!
受け手は鈴木翔大だ!!
PA内の鈴木は ちょこんとフリック………!!
そこに薩川淳貴!!
ここはすんでのところで金井貢史がシュートにいかせない!こぼれたボールは端戸仁がシュートにいくが小松拓幹がこれをブロック!
こぼれたボールを薩川が倒れ込みながら執念を乗せて左足を振り抜く!
しかしこの一撃は髙橋拓也が何とか封じてみせた。
さらに髙橋拓也は端戸仁のドリブルからの痛烈なミドルシュートも弾き出した!
讃岐の砦・髙橋は難攻不落!
なおも攻め込む鹿児島は鈴木翔大のロングボールに有田光希が抜け出しかけて小松拓幹が対応するもファウルを取られてしまう。
このフリーキックは野嶽寛也が蹴ったが髙橋拓也はパンチングで阻止する。
こぼれ球を拾った広瀬健太がシュート!
しかし江口直生がブロック。
このこぼれ球に広瀬健太が再びシュート!!
今度は長谷川隼の顔面ブロック!
転々とするボールを薩川がシュートにいくが、そうはさせじと赤星魁麻!
激しいボールの奪い合いから赤星が懸命にクリアするも三度広瀬健太ーーーっ!!
強烈なシュートは僅かにバーの上を通過していった。
何度も食らいつく。
何度も噛みついてくる。
そんな猛攻を跳ね返すその姿は、まるでうどんのコシのよう!
これぞ讃岐のコシバリア発動!!
90分を経過して、讃岐は最後のカードを切る。
【讃岐③】
8 森勇人 → 11 吉田源太郎
諦めない鹿児島は河辺駿太郎が爆発的スピードで抜け出そうとするが奥田雄大がしっかりカバー。
抜け出しを許さずゴールキックに持っていく。
そんなシーンの後だった。
この日が「初陣」のコールリーダーは、トラメガを使わずにあらん限りのチカラを込めて地声を張り上げコールをリードし始めた。
「FORZA 讃岐! 走り抜けろっ!!」
選手たちよ、完勝で終えよう!
サポーターのみんな、あともう少しだ!
共に闘おう!!
試合終了はすぐそこだ!
チームに、サポーターにわかるように目印を深く突き刺したメロディーフラッグ!!
決して多くないサポーターの人数ながら、耳をつんざく嵐のようなチャントがチームを鼓舞していく!
FORZA 讃岐 アレ アレ アレー!!
そして…
なんとなんと!!
リーグ前半戦、最大のヤマ場と見ていたこの試合を完勝という最高のカタチで仕上げてみせた!!
歓喜というメロディーフラッグたなびくピカスタ!
懐かしさを覚えるWe are SANUKIコール。
そして しゅらしゅしゅしゅに一輝チャント、雄大チャント、さらには今季から加わった勝ち点3チャント!
メロディーフラッグが翻る翻る(笑)。
割と早めに挨拶に来てくれたさっつーはなかなか入れず苦笑い(笑)。
ひと段落して挨拶してくれたさっつーを温かい拍手が包み込んだ。
セロトニン大洪水の試合後。
その光景は格別なものだった。
讃岐は初めてホームで鹿児島に勝利してホーム3連勝を達成。ホーム戦に弱い讃岐はこれがクラブ記録タイになる。
しかし、その3試合をすべてクリーンシートで抑え込んだのは初めてのことだ。
完勝ではあるが、これは米山監督の采配によるところが大きいと思う。戦力で圧倒した訳ではない。
知力、体力、ホームの利を活かして勝ったもの。
まだ、この勝利をもって優勝争いに勇躍参戦!とは言い難い。
残留ペースをみると5ポイントもの貯金を作ることができているが、まだ残留には30ポイントは勝ち点が必要になる。
何も決まっちゃいないのだ。
ただ…
ただ…
ちょっと、ほんのちょっとだけ震えているのは…
あたしが観た開幕前の練習風景と開幕から第4節の試合、そして今節の闘いぶりが線で繋がった感覚がある。
きっとこのチーム、どんどん変化していくはず。
そして今、讃岐は"第2形態"へ変貌を遂げようとしているのかもしれない。
このチームを我が街で応援する喜びに震えている。
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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