「エッシャー」は(騙し絵)だけじゃなかった | ざんくのリアル小説

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おいら、

美大を出ているが

特に美術に興味があったわけではない。

 

東京で生き抜くために

デザインをしてきた。

 

いわゆるひとつの「職人」なので、

クリエーターではないと思っている。

 

タダ券をもらったので、

特に興味もなかった「エッシャー」の展覧会を

富山県美術館で見てきた。

 

「エッシャー」=(騙し絵)

のイメージしかなかった。

 

こんな絵。

 

美術史に残るような画家の展覧会など

東京でもあまり見に行ったことがないので、

当然、生エッシャーは初めてである。

 

いや〜、驚いたよ。

 

エッシャーの技法は

「木版」と「リトグラフ」。

 

版画なので反転した絵を描き

紙に写すわけだが、

初期の作品の「木版」の超写実画は

もはや感動的なほど。

こんな細かな線を板に掘れるのか?

 

初期はまだ

リアリズムを追求していて

騙し絵の要素は全く感じられない。

 

中期になると

いきなりというか

デザインが的になっていく。

相変わらず細かな描写なのだが、

平面的で、左右対称の構図で、

鳥やカエルを組み合わせた

模様のようなデザイン画。

 

若い頃の精密なリアル画から

だんだん抽象的になっていくあたりは

ピカソっぽいかもね。

少し(狂気)も感じてしまう🤣

 

この時代は絵で食えなかったみたいで、

パッケージデザイン画なども

請け負っていたようだ。

 

そして後期の「騙し絵」へ。

 

世の中にはこの辺りから

トリックアートの作家として

認知されていくのかな。

 

やはり初期の作品のように

精密に対象を観察し表現できる

いわゆる基礎ができている事がわかるからこそ、

このトリックアートにたどり着いた凄みが、

わかるね。

展示会ならではの醍醐味だろうか。

 

画家から商業デザイン、

そして独自のクリエイティブアートを完成させた

「エッシャー」。

来場者がみんな楽しめる

エンターテインメントの要素もあり、

単なる(トリックアート)作家としてのイメージが

大きく変わったよ。