古いレコードP用カートリッジ | ざんくのリアル小説

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1年前に

ヘッドシェルの部分だけ欲しくて

おまけのように針部分が欠損した状態で

くっついていたカートリッジ。

 

MICRO LM-5

 

「MICRO」は

1970年台にレコードプレーヤに特化した

オーディオブランドとして名を馳せた

マイクロ精機という会社のもの。

 

レコードプレーヤーは今でも

中古でジャンク品も流通していて、

メンテして使っている人も多い。

当然、カートリッジもいくつか作っていた。

 

このLM-5は(LMシリーズ)の中でも

一番下位モデル。

推定だが定価8,000〜10,000円くらいのものか。

検索しても詳細は不明で、

上位のLM-8から推測するしかない。

今でも交換針がJICOから発売されているところを見ると、

当時そこそこ流通したものだろう。

 

色々検索してみると、スペックなどの詳細は不明だが、

使っている人がちらほらいて、

明るく良い音だと感想が書いてある。

 

どうしても聴いてみたくなり、

純正針付きの個体が

オークションに出品されていたので、

本体が無駄になるが

JICOで交換針を買う方が高くつくので、

手に入れてみた。

針先は十分にある。

コンデションも良さそうだ。

リード線は随分前に買っておいた

1920年代のWEの銅線で作られた自作のもの。

ビンテージだから良いというものではないが、

オークションで手頃な値段で出回っている

マニア向けのもの。

安いシェルに付属でついているリード線よりは

はるかにオーディオライクな音になる。

取り付け完了。

古いパイオニアのシェルで試してみた。

いざ、試聴。

ストレートにクリアサウンドが刻まれている

ラリーカールトンのディスカバリー。

これはすごい。

50年前のカートリッジとは思えない音である。

少なくとも数十年は使われていなかったカートリッジとは

思えない良い音。

出力も十分。

トレース能力も高く、

左右の差もないし

もちろんノイズも全くない。

元気なだけじゃなくて音の純度が高い。

かといって刺々しくもなく、ウォームさもある。

解像度はそんなには高くないのだが、

そりゃ数十年使われていなかったので、

しばらく聴いていればさらに良くなるだろう。

レコードが楽しくなる音である。

 

マイクロ精機はとっくの昔に無いし、

MICROブランドも継承はされなかったが、

半世紀経ってもこれだけの音を保っている

日本のオーディオ全盛期の製品は

本当に素晴らしいなぁと改めて感じたよ。