以前、何とも奇妙な「グラビア写真集」を買ったことがあります。
アイドルの女性が水着で「気をつけ」しているだけの写真です。
普通の「グラビア写真集」として売られていました。
シーケンス写真、とでもいうのでしょうか。「ど正面」から「真横」、そして「真後ろ」から再び「正面」までの写真を、ぐるりと撮っている・・・
ロケでもなく、スタジオで白背景の前で立っているだけ。ただそれだけです。(笑)
・・・こんな写真集が売れるのかと、他人事ながら心配したくらいです。
では、なぜ僕は買ってしまったのか、自分でもよく分からないのですが・・・
今思うと、「気をつけ」写真に「解剖学的な美しさ」を感じたから、みたいな。
まるでデッサンの教科書の第一章を見ているかのような、そんな感覚です。
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最近「ポージングのテキスト」が話題ですよね。
まだ購入していませんが、きっと「モデル立ち」から始まって、「***を強調する/隠す」みたいな凝ったポーズが並んでいるのだろうと想像します。
販売用写真で「素人モデル」を撮影する事の多い僕としては、結構期待します。
でも・・・それでも人間って「気をつけ」の姿勢を完璧にこなせば、ただそこに突っ立っているだけでも、驚くほど美しいものです・・・
件の写真集を思い出しながら、そんなオルタナティブなことを考えています。(笑)
#デッサンの基本は、モデルを通して「骨格」と「筋肉」を把握する事、だそうです。だからデッサンはヌードモデルによる全身描写が多い。ヌードの女性(男性)を前に、骨と筋肉にのみ注目する訳ですから、デッサンとは何ともストイックな、医学的な作業です。(笑)
model: 星野くるみ
Canon EOS 50D 18-200mm F3.5-5.6
@ うずらフォト、2015年3月
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