インスタントコーヒーと50mm標準レンズ | takasanのブログ

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初めて飲んだコーヒーは、子供の頃、多分母親が入れてくれた、ミルクと砂糖たっぷりのインスタントコーヒーだったと記憶しています。
学生時代にはアパートにペーパーフィルターと豆を用意し、金もないのにコーヒーだけは友人に振舞っていました。
その後、いろいろあってエスプレッソ系のコーヒーが好きになり、現在自宅では直火式のエスプレッソメーカーでコーヒーを入れています。

それなりにコーヒーにこだわってしまった訳ですが、海外旅行でホテルの部屋にインスタントコーヒーが置いてあったりすると、なんだか懐かしくなり、砂糖とミルクをがんがん入れて飲んでしまいます。

実は写真も似たような感じです。

これまでたくさんの写真を観てきましたが、僕の心に深く残っている写真は、亡父が撮ってくれた、子供の頃のなんでもない写真だったりします。
父が大切にしていたキヤノンに50mm標準レンズをつけて撮った写真で、うっすらと柔らかくぼけた背景から、ピントのあった子供の僕が、まるで浮き上がっているかのように写っています。

そんなこともあり、フィルムカメラで写真を撮っていた頃は、50mmレンズばかり使っていました。デジタルカメラを手に入れたときも、50mmレンズはすぐに購入しました。
でも、フィルムカメラと違ってデジタルカメラとズームレンズの相性は抜群で、次第に50mmレンズの出番はなくなっていきました。

その後、殆どの写真をズームレンズで撮ってきましたが、たまに50mmレンズを使って撮ると、父の撮ってくれた写真やフィルム時代に撮っていた写真をふと思い出す時があります。
そんなとき、ホテルでインスタントコーヒーを見つけた時のようにちょっと感傷的になるのです。




“Cat and Bell", Samezu, Tokyo, 2008,
Canon EF, FD 50mm F1.4, PRESTO 400