ふたつの声があるから。
週イチ非常勤の私立高校。
放課後は、3年生の進路相談。
Uくん、気になることって?
「学科を決められないんです。」
社会学部だよね。
「そうなんです。」
「けど、社会学科と福祉学科で迷っていて。」
えーと、社会学部の志望動機って?
「児童福祉を事業化したいんです。」
ほー、事業化。
具体的だね。
「僕自身が小中と不登校でフリースクールに。」
「そこで、知的障害や発達障害の子たちとともに学んだんです。」
ほー。
「彼らをサポートできるコミュニティをつくりたいんです。」
NPOでなく、ビジネスとして?
「そうです。厚意に頼らず、継続させたいんです。」
18歳でそこまで。
Uくん、スゴいわ。
なるほど。
意向はわかりました。
フツーに考えたらね。
児童福祉をしたいのだから、福祉学科だよね?
「ええ、そうなんです。」
社会学科で迷う理由は?
「何となくなんですが。」
ですが?
「もっと社会全体のことを広く知っておきたいなって。」
ほー、福祉学科の志望動機に比べると。
こっちは、抽象的だね。
「そうなんですよ。けど・・・」
けど?
「捨てがたいんですよね。」
そっかあ~。
「捨てがたい」かあ。
Uくん、今日の授業でも質問してたね。
テーマとして取り上げた主人公のビジネスモデルに。
「それは、継続的に利益が出るんでしょうか?」って。
「はい、言いました。」
高校生でそこに注目するとは。
さすがだなって。
「つい気になるんですよね。」
「大丈夫かなって。」
私が観じたことを言うね。
「はい、お願いします。」
Uくんのやりたいことは、
「社会課題をビジネスとして仕組み化すること」
じゃないかな?
「仕組み化ですか?」
そう、仕組み化。
で、その対象が「児童福祉」。
Uくん自身の体験に基づいて。
いまは、そこに意識が。
けど、5年後、10年後はわからない。
その時、Uくんが何を仕組み化の対象とするか?
そこは、自分に選択の幅を持たせてあげたいよね。
「ああ・・・その視点はありませんでした。」
自分のことが一番わからないよ。
誰でも。
ホントに福祉の専門家になりたいのなら?
「福祉学科で迷いませんよね。」
そう、迷わないの。
福祉学科一択。
けど、仕組み化する人なら?
「だから・・・社会全体を広く観たいと。」
って気がしたんだけど。
「あー、そういうことですか。」
さあ、答えはUくん自身で。
「しっくりくる」から。
「感覚ですか?」
そう、論理的に考えたら、福祉学科なのに。
「なぜか気になる」のは、感覚レベルの「声」。
人は、理屈だけでは動けない。
体感が変化しないとね。
感覚の声。
聴いてみる価値は、あるよ。
「わかりました。」
「時間を取ってみます。」
うん、やってみて。
・・・ああ、そうそう。
社会課題を事業化するなら。
この本、読んでみて。
田口一成 PHP研究所
ヒントが満載だよ。
過去記事でも。
「はい、読んでみます。」
学科、決めたら教えてね。
「はい、もちろん。」
アタマで考えたら、Aなはずなのに。
なぜかBが気になる。
Bは、根拠が弱い。
人に説明できないからね。
どうしたものかと。
けど、捨てがたい。
それ、感覚の声。
選択は、どちらでもいい。
どちらでも「正解」にできる。
いずれは。
Uくん、応援してるよ。
今日は、ここまで。
また、明日。
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