【 連続時空小説 第2部 】 サマーディ、いまを生きる。 第4話 | まなブログ

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脈の変化でカラダの声を聴く『脈ナビ』による施術、セミナーをご案内しています。
大阪府堺市で鍼灸院を開業しています。
日々の気づきをつづります。

あるけど、ない。

 

 

 

「シカ注意」からのドライブ。

林間道路を抜け、江別市に。

 

ナビでは、次の三差路を左に。

えっちゃん、もちろん、ナビは見ない。

 

 

え「これ・・・左よね。」

 

M「左ですね。」

 

 

ハンドルを切りながら、指示器を。

えっちゃん、遅くない?

 

 

「えっ、そんなこと、ないでしょ。」

 

 

さすが自称安全運転&負けず嫌い。

 

まあ、いいか。

もうすぐえっちゃんの「庭」だし。

 

立命館が見えると、厚別区は、すぐそこ。

 

 

「はい、ここを左に曲がれば。」

 

 

えっちゃんのホームタウン。

厚別区なのね。

 

交差点を左折・・・しながら、突然。

 

 

「あっ、これこれ。」

 

 

両手は、ハンドルに。

目で左を見ろと。

 

えっ。

何なに?

 

建物もないし。

看板があるだけ。

 

えっ、この看板?

 

 

「残雪です。」

 

 

は?

 

 

「厚別の残雪です。」

 

 

・・・。

 

 

たしかに。

厚別区に入ったね。

だから、ただの残雪ではありません。

 

 

正真正銘「厚別の残雪」。

 

 

ニセコのパウダースノウもびっくり。

しっかり泥混じりのマーブルスノウ。

 

 

空港からここまで40km。

あらゆるところで、残雪を。

 

しかし、えっちゃんはサマーディ。

厚別産でなければ、残雪にあらず。

視界に入れど、見えていない。

 

「ある」けど「ない」。

厚別で初めてスイッチが。

 

 

空港で宣言したとおり。

「厚別の残雪」を私のために。

 

はい、えっちゃん。

しかと、この目に。

 

 

「じゃあ、お昼はこちらで。」

 

 

おっ、念願の『トリトン』。

北海道では有名な回転ずし屋さん。

 

 

「いらっしゃいませ~。」

 

 

あら、満席。

まだ12時前だけど。

さすが人気店。

 

 

「何名様ですか?」

 

 

3名です。

 

 

「では、こちらのタッチパネルを押してお待ちください。」

 

 

えっちゃん、お願いします。

 

 

「えっと、タッチするのね、タッチを。」

 

 

いかにもテキトー。

 

 

「あら、動かないわ。」

「押しても何もならないの。」

 

 

どうしましたか?

 

 

「タッチしたけど、何も起こらなくて。」

 

 

えっちゃん、どこ押しました?

 

 

「ここ」

 

 

それ、数字の「1」ですね。

 

 

「ええ」

 

 

私たちの人数は?

 

 

「3人です。」

 

 

じゃあ、「1」の下にね。

「+」と「ー」がありませんか?

 

 

「ありますね。」

 

 

その「+」を2回押してもらっていいですか?

 

 

「+を・・・2回・・・あっ。」

 

 

「3」になりましたね。

 

 

「はい、なりました。」

 

 

じゃあ、右下の「OK」を。

 

 

「はい・・・OKと。」

 

 

ほら、紙が出てきたでしょ。

受付番号とともに。

 

 

「あら、やだ。」

 

 

「やだ」じゃないですよ、「やだ」じゃ。

 

えっちゃん、ほんとに「タッチ」しただけでしょ。

画面の表示内容、見ないと。

 

岩崎良美もびっくりのタッチ、タッチ、ここにタッチ。

 

 

「〇番で受付のお客様~。」

 

 

おっ、来た来た。

 

 

「カウンター席にお願いしまーす。」

 

 

はい、ここね。

 

 

「じゃあ、お茶入れますね。」

 

 

私とMさんの湯呑みにも。
茶さじで、粉末を。

 

さすがえっちゃん。

お願いしまーす。

 


しかーし。

 

 

えっちゃんは、サマーディ。

いまを生きる人。

 

 

「あら、ニシンが入荷してるわ。」

 

 

いまが旬ですか?

 

 

「そう、この時期のニシンは、脂がのって・・・。」

 

 

お茶からニシンに、サマーディ。

熱く語るえっちゃん。

 

けど、手だけは動いている。

宇多田ヒカルもびっくりの”It’s automatic"。

 

 

「はい、どうぞ。」

 

 

あっ、どうも。

 

Mさん、飲んでみて。

 

 

どう?

 

 

「濃いです。」

 

 

だろうね。

 

ニシンを熱く語りながら。

手が勝手に動いてたからね。

 

 

さて、頂こうか。

 

 

M「割りばしって、どこですか?」

 

 

割りばし・・・あっ、ここ、ここ。

 

 

え「えっ、私の割りばしは?」

 

 

あれ?

お箸の入った紙袋がないね。

えっちゃんのお箸は・・・。

 

 

次の瞬間、衝撃の事実が。

 

 

えっちゃん、そこ見て。

 

もう紙袋から出して、

お箸割って、箸置きに。

 

それ、誰がやったの?

 

 

「あら、やだ。」

 

 

それ、おでこにメガネのせたまま、

「メガネ、どこ?」って探してる人と同じ。

 

 

えっちゃんは、サマーディ。

いまを生きる人。

 

ニシンを熱く語るうち。

自分でお箸を割ったこと、

きれいに忘れてる。

 

大黒摩季もびっくりの「ニシンだけ見つめてる」。

 

 

何という集中力。

何という切り替えの早さ。

 

ニワトリでさえ、

三歩歩くまでは覚えてるというのに。

 

 

しかーし。

 

お寿司は、大満足。

いやー、おいしかった。

 

やっぱり北海道。

海鮮のレベルが違う。

回転ずしで、これですか。

 

 

じゃあ、いよいよえっちゃん宅に。

 

 

「その前に、スーパーに寄ります。」

 

 

はいはい。

「えつこメシ」の食材ですね。

「かご持ち」として、おともします。

 

 

「あっ、さらに、その前に。」

 

 

どこ、行くの?

 

 

・・・そこでも、またサマーディ。

 

 

空港から、えっちゃん宅。

わずか90分のドライブ。

なのに第4話にして、まだ着かない。

 

書けるのか?

書き切れるのか、私は。

 

 

明日に続く。

 

 

 

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