ちゃんと観てるから。
週イチ非常勤の私立高校。
新年最初の授業は?
いつものNHK『プロフェッショナル』。
ピピッときたのが、落合陽一さん。
大学准教授、経営者、万博プロデューサー等々。
肩書きは、数十を数える。
2021年『未来を変える世界の50人』にも選出。
国際的にも注目されるマルチな天才。
いま、落合さんの旬は、「AI」。
8歳から『Windws95』にハマられてね。
人とコンピューターの関係をテーマに。
学生時代、論文を年間20本書かれた得意分野。
> 将来、仕事の99%は、
> AIがやってる可能性が高い。
そんな社会が到来したら。
人は、何を仕事に?
仕事自体がなくなる?
生徒たちが担う社会。
ちょっと意識を向けてもらおうかと。
取材では、教育者としての一面も。
27歳で東京大学で博士号を取得。
同年より9年間。
筑波大学で准教授として研究室を。
それがね。
学生がイキイキしてるの。
ひとり一人の学生の研究テーマ。
何に行き詰っているか?
どこに活路が見出せるか?
すべて詳細に把握。
ロジカルに論文を指導したり。
親身にマンツーマンで語り合ったり。
> 僕は研究を味わえるように
> 学生を育ててるだけだから。
> 楽しめる人を育てるしか
> やることない。
教員として、刺さる。
苦い教訓がよみがえる。
12年前、非常勤教員1年目。
ひとつの「正しい」方向に導こうとしていた私。
だって、「昭和の先生」って、そうだったから。
当然、導けないよね。
誰もついてこない。
昭和から令和に。
切り替わるまで10年かかったよ。
はい、観てどうだった?
教員志望のYさん。
「あんな風に褒めたいです。」
さすが観てるね。
「後押しというか、のせるのがうまいなって。」
卒業の際はね。
ひとり一人にはなむけの言葉を。
> あなたの研究は、全く間違いなく、
> 世界でいちばんおもしろい研究のひとつだから
> そのまま研究してくれれば大丈夫です。
基本、褒める。
しかも褒め方がうまい。
学生の表情が変わる。
ちゃんと届いてる。
よく「褒めて伸ばせ」って言うでしょ。
けど、何でも褒めればいいものではない。
下手な褒め方は、逆効果。
不信感を与えるだけ。
パッと見て、誰でも言えるようなコト。
これは、褒めたつもりでも響かない。
刺さるのは、ちゃんと観てないとわからないコト。
そこまで観てくれてるのかと。
ちゃんと褒める。
意識を注がなければできない。
殺人的に忙しいスケジュールなのに。
なぜ、そこまで?
好奇心
じゃないかな。
私は、落合さんの特徴をひと言でいうなら。
その才能は、「飽くなき好奇心」にあると。
相手をもっと知りたい。
だから、ちゃんと観る。
惜しみなく、意識を注ぐ。
本質は、「褒める」ではなく、「意識を注ぐ」。
意識を注いでいれば、叱っても慕われる。
意識を注がなければ、褒めても嫌われる。
「褒めて伸ばす」
の真意は、
「意識を注いで、ちゃんと観る」
なんだと。
その原動力が、好奇心。
相手を深く知りたいからこそ、
意識を注げる。
けど、そこまで好奇心が強いのは、落合さんだけ?
子どもの頃、誰でも旺盛だったのでは?
なぜ、いま、私たちは、そこまで持てないの?
> 空気をギリギリまで読まないようにしないと、
> いいものはできない。
コレだね。
何かしたいと湧いてきても。
(立場的にどうだろ?)
(わがままだと思われないかな?)
(子どもかよってバカにされるかも。)
空気を読みすぎて、ブレーキを。
好奇心として湧いてきたエネルギー。
スカスカに抜けてしまう。
落合さん、天才だけど、変人。
ヘアスタイルも、ファッションも個性的。
空気読んでないよね。
けど、繊細。
一見、無頓着に見えるけど。
意識を注ぐと、相手にも、自分にも。
心の動き。
敏感にキャッチしちゃうから。
落合さんの考えてる様子を観るとね。
瞑想してるんだよね。
自他の境界線がないの。
自分に意識を注いでるの?
相手に意識を注いでるの?
自分に注いでる。
けど、その「自分」とは、「主観的な自分」。
肉体を超え、相手にまで広がっている。
相手に意識を
「向ける」
のではなく、
「広がる」
んだね。
いやー、勉強になったわ~。
ってことで、自分も、相手も。
ちゃんと観よう。
今日は、ここまで。