別れと出逢いをくり返し。
「中島みゆきの大ファンなんです。」
Kさんは、フィットネス・インストラクター。
私よりちょっとお姉さん。
専門学校時代。
火曜日の2限目は必ずサボリ。
21時から『プロジェクトX』を観なければ(笑)
「いいですよね~、歌詞に深みがあって、味わえて。」
『地上の星』は、おじさん世代にまで大ヒット。
まさに国民的歌手。
wiki で調べるとね。
1970年代、80年代、90年代、00年代。
全てでオリコンシングル第1位を記録した唯一のソロシンガーなんだとか。
99年には、国語審議会委員。
09年には、紫綬褒章まで受章。
スゲ~、すげ~。
そんな中島みゆきさんも還暦。
え~、還暦なの?
そりゃ、私が不惑だもんね。
トシちゃんを知らないIさんが社会人なんだし。
時代はめぐりましたね~(笑)
「『ギンギラギン 』、読みましたよ。」
嬉しいですね、早速、ご覧頂いたんだ。
「中島みゆきもね。」
「はい。」
「気配がないんですよ。」
「なるほど、そんなかんじですね。」
自己主張が強くないからでしょう。
「でも、圧倒的な存在感はあるんです。」
「ほんとですね。『ギンギラギン』なのに『さりげなく』だ。」
『プロジェクトX』にハマるまではね。
「中島みゆき」と云えば、暗い歌。
くらいにしか印象がありませんでした。
♪マリコのへ~やに~ マリモがあ~った~
受話器ハズされるまで しつこく電話しちゃダメでしょ。
ストーカーやん。
10代の青年に理解するのは、ムリでした(笑)
年齢を重ねる度に味わえるようになってきますね。
名曲『糸』は、結婚式でも何度も耳にしました。
普遍的ながら、聴く人によって、如何様(いかよう)にも味わえる。
30代半ばを過ぎてから、ファンになれました。
かと思えば、ソングライターとしてね。
軽めの曲もリリースしているんですよね。
・工藤静香 → 『MUGO・ん…色っぽい』
・西田ひかる → 『きっと愛がある』
へえ~、これ、中島みゆきが作詞してたんだ。
ラジオのパーソナリティーとしても、そのトークは軽妙。
歌とのギャップがファンにはたまらないようです。
マーケティングの手法でもね。
個性を特化させる。
いわゆる「トガる」戦略がススメられています。
ニッチな市場で結びつきを強くする。
特に、中小事業者はそこですねと。
かなりハードなロックだとね。
好きな人は人生を懸けるくらいハマるんだけどね。
それ以外の人には、騒音にしか聴こえない。
40年近く国民的支持を得るにはね。
やはりトガっていてはムリなんでしょうね。
同年代の女性だけに支持されていた黎明期。
途中、自ら「御乱心の時代」と呼ぶ80年代を経て。
『地上の星』でオジさんたちも魅了して。
深い曲も、軽めの曲も。
揺れ動く女性の気持ちも、額に汗するひたむきな人の気持ちも。
まさしく「陰」と「陽」の両極を知りながらも。
中途半端にならない。
足して2で割った無難な答えじゃない。
見事に「中島みゆき」スタイルが確立している。
これが「中庸」なんだなと。
発展的統合ですね。
それって、「調和」しているんでしょうね。
この世の在り方と。
「幅」がありますもん。
何でも受け容れてくれそうな。
女優でいうと、太地喜和子さんみたいな。
昨日、ご案内した曖昧さ。
どちらでもない曖昧さ。
それを受け容れられた時。
次のステップに進めるのかもしれません。
それこそ、時代が「めぐる」んでしょうね。
私も個人事業主ですからね。
「トガる」ことばかり考えていました。
でも、『易経』で陰陽論に触れてからね。
中庸がいいなあって。
人生の折り返し地点を超えてからはね。
特に、そう思いますね。
ガンガン攻めて、獲得していく時期じゃないなあと。
何かを手に入れるとしてもね。
それは結果なんだと。
目的じゃないんだろうな~。
理想的な生き方をね。
中島みゆきさんに示してもらいました。
Kさん、きっかけをありがとうございます。
では、今宵はこのあたりで。