「フランス人は10着しか服を持たない」
前にもお話ししましたが、小説の執筆に集中している時期は、いっぱいいっぱいの頭をリラックスさせるために、文学とは全く関係のない分野の本で息抜きをする私。今回は、今、話題になっているこちら。 「フランス人は10着しか服を持たない」タイトルからはファッション関連の本を連想させますが、実はこれ、アメリカ人の筆者が学生時代に留学したパリでのお話し。冒頭、ホームスティ先の貴族の末裔の一家のシンプルでメリハリのある生活を目の当たりにして、筆者はカルチャーショックを受けます。もちろん、貴族という特別な環境であるマダム一家は、フランスの庶民の暮らしとは異なる部分があるのかも知れません。それでも、大方のフランス人の価値観を、外の世界に出て著者が見るにつれ、フランスと消費大国であるアメリカの文化の違いに気づかされていくのです。その部分が、とても興味深いものでした。例えば、フランスのキッチンは、ダイニングやリビングとは離れた奥まった場所にあって、朝食以外は、ダイニングに料理を運んでみんなでテーブルを囲むスタイルなのだそう。かたや筆者の出身地のアメリカでは、日本と同じでオープンキッチンの家が多く、リビングでだらだらくつろぎながら、冷蔵庫のお菓子をつまんで間食をすることがしばしばあったのだそう。ちなみに、フランス人は間食の習慣がなく、ダイニングはあくまで三度の食事を摂るために家族が集う場所なのだそう。日本でも、アメリカと同じく、現在ではオープンキッチンの家が多くなっています。50年以上昔は、土間にある台所と、ちゃぶ台のあるダイニングは確かに離れた場所にありました。(私もさすがに生まれていないので、聞いた話なのですが)さらに30年ほど前までは、リビングに関しても、くつろぐ部屋という概念ではなく、どちらかと言えば、来客をもてなす「応接間」、フランス流に言うところの、「サロン」の意味合いが強かった気がします。日本のこの時代変遷は、非常に合理的なものだと私は思います。(今、話題の大塚家具の内紛も、この点が関係しているように思うのですが)いずれにしてもこのことは、家事の多くを担っている主婦が、外で働くようになったことと無縁ではないような気がします。さて、冒頭からちょっと話が横に大きく逸れてしまいましたが、この本のタイトルにもあるように、「フランス人は10着しか服を持たない」について。筆者が出会った多くのフランス人に共通するのは、同じ服を週に2度着ることに抵抗がない、ということだそう。上質で、客観的にも主観的にも「似合う」と太鼓判が押されたお気に入りの服だけを大事にワードローブに揃えているのだそうです。これに対して、大量の服を持っているにも関わらず、着る服がない、と落ち込む筆者。同じような悩みは、日本の女性からも多く聞かれるのではないでしょうか。この件に関して本書では、以前に私が紹介した「似合う服がみつかるおしゃれ断食」や、モデルの倉本康子さんの「オシャレ」は、クローゼットから!85のルール」などと同じく、着ていることで幸せな気分になる服だけをワードローブに揃えるというモットーが記されています。似合う服がみつかる「おしゃれ断食」/KADOKAWA/中経出版 ¥1,296 Amazon.co.jp 「オシャレ」は、クローゼットから! 85(YAKKO)のルール/幻冬舎 ¥1,404 Amazon.co.jp 現在、着なくなったもの、高かったから捨てられないもの、また着るかもと思うものなどは、ある一定の保留期間をもって良いので、思い切って処分することが勧められています。 ただ、ここでいうフランス人は10着しか持たないの10着とは、あくまでシーズン(春夏と秋冬)ごとの枚数で、コートやジャケットなどのアウターや特別な場所に着ていくドレス、タンクトップなどのインナーは含まないのだそうです。そう言われて私も、自分の今シーズン、着回していた服を考えてみると、スカート4着、パンツ1着、カーディガン3着、ニット2着くらいなので、確かに10着で間に合うような気がしてきます。ただし、私個人の意見を加えさせてもらうと、今は着ないけれど、直感的にまだ置いておいた方がいいなあと思う服が、20着に1着くらいの割合で出てきます。流行に左右されないデザインで、かつ、好きな色で、今は手持ちの服と合わないために着る機会がない、そんな洋服は、不思議なことに、何年か経って、新しく買った服と合わせた時に、奇跡的に相性が良く、ヘビロテする状況が生まれることも、まれにあるのです。もちろん、着るかも知れないけど、何となく好きになれない服に関しては、思い切って捨てた方が良いと思いますが。話はまた少し逸れるのですが、洋服をまとめて買った月には、必ずクローゼットを点検して、要らない服を処分する習慣がある私は、(倉本康子さん曰く、「ところてん方式」)最近、また断斜離を行ったのですが、ついつい、持っていることを忘れていたアイテムがありました。ワードローブをしっかり把握していれば、無駄な出費をしなくてすむというのは非常に理にかなった考えなのだと改めて思いました。もう一つ、気がついたのは、処分するものはトップスよりもボトムスが多い、ということ。ボトムスはある程度流行のデザインや丈感があるのです。その点、トップスは、あまり流行に左右されない。以前読んだモデルの富岡佳子さんの著書「YOSHIKO TOMIOKA STYLE BOOK」の中にも、そのことが書かれていました。富岡佳子 シンプルなファッションを「素敵! 」に見せる私の発見60/光文社 ¥1,512 Amazon.co.jp フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣~/大和書房 ¥1,512 Amazon.co.jp 美容と健康のコラムブログ 節約ブログ始めました