先日、アーネスト・ホースト先生が釜石を訪れました。
僕もクラっさんに声をかけて頂いたのですが諸事情で会いに行けませんでした。
後日、クロサー君に会ったら「サイン貰ったッスよ~」とか自慢されて。
俺の方が絶対ホーストの事好きだもんね。
ホーストのローキックよりもスウェーで盛り上がれるもんね。
ベルナルド戦の流れるようなコンビネーション、武蔵戦の格ゲーの超必殺技かと思うような連続攻撃、
バンナ戦では、静の1Rからの動の2R。驚愕のKO勝利。
本当に素晴らしい試合が多いですが、皆さんはどの試合が好きですか?
ちなみに僕のイチオシはパリス・バジリコス戦です!!
の、ヘライロックです。
さて、もうすぐ2週間が過ぎようとしていますが、GSDGの写真を交えながら一人反省会をしていこうかと思います。
あの曲が流れる中、全選手入場!!
メインで対決する2選手が、バチバチの睨み合い!
ステージを下りた所には、特製オクタゴン!!
これだけでもテンション上がります。
試合は何が起こるか分からない。
打撃技術に大きな差があったとは思わないが、序盤の攻防で片目の視力を失う。
それでも打ち合い、グラウンドでは関節技を果敢に仕掛ける。
1R戦い抜くが、インターバルにドクターストップを宣告され、病院へ直行。
骨は折られても心は折れない。益荒男箱石。
オートさんはデビュー戦がMMA(しかもパウンドあり)。この時点で普通の人ではない…。
今回は相手にフィジカルで押し切られたが、これはいくつもあった展開の中の一つであって
もう一度やったら全く違う展開もあり得る。
格闘技は単純な力比べでは無いところが面白い。
打撃も関節技も読みづらい上に破壊力のあるオートさん。ぜひまた観てみたいです。
そして次は自分の番。
上のお二人は今後の試合の事もあるので詳しく書きませんでしたが、自分の試合については徒然なるままに書いて行こうと思います。
すでに仲間がやられている状態だったため、控室ですでにヒートアップ。
作戦は「殴って倒す」
セコンドには試合を終えたばかりのオートさんと、南部のセーム・シュルトこと沖田さん。
ステージ袖で出番を待ちながら少し落ち着く。
思えばスポーツとは無縁の子供時代。
大学に入ってからハマった格闘技。
テレビを観ながら、もし自分だったら入場曲は何にしようか、
自分がやるなら、打撃は怖いから引き込もうか、
下になったらあの技がいけるんじゃないか…
想像でしかなかった舞台が目の前に。
入場曲がかかり、オートさんに気合を入れられ
沖田さんの「行きましょう!」という声に押されてステージへ。
『EAT THE RICH』
スポーツエリート、ケンカ自慢、他の全選手を喰ってやろう。
小さくて弱いコンプレックスだらけの自分が、どこまでやれるか見せてやろう。
そんな気持ちで歩き出す。
試合開始早々、ワンツーで攻め込まれ壁際へ。
パンチをもらいながらも痛みは感じない。
自分はリーチで劣る、体重で劣る、体格で劣る、スタミナで劣る
そんなのはいつもの事だ。
相手の千葉選手が出血し、ドクターチェック。
すぐに再開される。
試合が決まってから毎日イメージしてきた左フックが威力を発揮。
苦しめられた首相撲。ヒザ蹴りの連打は85chに教えてもらった通りの方法でガードできたが、なかなか脱出できず。
自分が膝を着けばパンチ以外の打撃が反則になる事に気付き、膝を着く。
菊池選手がパンチに切り替えたため、首相撲から解放された。
打ちあいから飛びついてフロントチョークを仕掛けるも前に落とされる。
パウンドを受けるがそれほどの脅威は感じない。
練習で散々やられたクラッシャーや85chのパウンドはもっとキツかった。
下から相手の腕を捕え十字へ!
ここが勝負所、ここで取らなければパウンドアウトも覚悟しなければ。
渾身の力で仕掛けたが…耐える相手。力を使い切り潰される。
冷静に考えれば、十字をエサに三角やオモやスイープなど、いつもならやっている事が全くできず…。
一つの技にこだわり過ぎたのか、焦っていたのか。
ここでブレイク。
重い身体、上がらない両腕。
最後のチャンスと思えた瞬間を逃したが、気持ちはすぐに立て直した。
残り30秒。
パンチに合わせて頭突きをするように3発を受け止めて、ニヤッと笑って見せる。
相手の表情は、視界がぼんやりしていて分からない。
千葉選手のラッシュを避けて下がったところ、背中が金網に触れた。
両足をしっかり踏ん張り、金網に寄りかかる。
この10秒間に
千葉選手はワンツーにアッパーを織り交ぜ20発のパンチを叩きこんできた。
僕は顔面にパンチを受けながら、力を込めて11発の左右のフックをめり込ませていく。
僕と千葉選手の試合中の、観客席の写真…
自分は何者でもないし、勝とうが負けようが殆どの人にはどうでもいいことだ。
でも、この日見てくれたこの子達の心に何か残せていたら、それが何より嬉しい。
終了のゴング
判定なしのため、試合はドロー。
試合中は全く感じなかった痛みが一気に襲ってくる。
金網を出て、観客席の横の照明の届かない場所までなんとか辿りつき、そのまま倒れこむ。
メインの試合を見たかったが、まわりの歓声だけを聞いて横たわっていた。
…閉会式、集合写真に入りたかったが起き上がれず控室で寝ていました。
マスラオからはオートさんのみ写真に収まる。
僕と85chの写真は、欠席した子みたいに後で隅の方に入れとこうと思います。
閉会式終了後、なんとか立ちあがって関係者の方々に挨拶に行くと、
試合後に撮った゛試合前風”写真
やんのかゴラァ…!!
でも、試合までずっと相手のこと考えて、この日やっと会えて、2人だけであんな殴り合いをしたら
なんか、すごい繋がりを感じますよね。
何度か試合を見返して、千葉選手のファンになっている自分がいます。
一本極められなくて悔しいけど、おかげで最後の十秒の殴り合いがあるし…
試合後は吐きそうで動けなくて、何やってんだろと思ったけど、またすぐに試合したくなって
再戦するなら勝ちたいな、と思ったり。
そんな一日。
減量に協力してくれた奥さん
いつも練習につきあってくれる益荒男のみんな
応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
(左からinspiritのボス、ヘライロック、マスラオのボス、パラ8のボス)