お釈迦さんの来世の答えについて( 生と死 )(12) | 宮澤大三郎のブログ 

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東洋思想。東洋医学。佛教。瞑想。気功。食養などから幸せを求めお届けしています。2014年9月からブログを書いています。
心はこの世で修行しているのです。
この世でつくられた善い心は来世(死後)にも残ります。生まれ変わりのない人は万人に一人くらいです。

 

 

四、人生の目的

 「法句(ほっく)(きょう)」と言う仏典に、

 「最上の真理を見ないで百年生きるよりも、最上の真理を見て一日生きることの方がす

ぐれている。」と教えています。

 また、中国の孔子の言葉に、

(あした)に道を聞かば(ゆう)べに死すとも()なり。」とあります。

 「道」とは真理のことであり、これらは同じような意味を言っているものです。

 死んだら何も無くなってしまうのだから、生きている内に何でもしたいことを好きなよ

うにすればよい、と言う考えの人がおればそれは間違いであると言うことが説かれており

ます。

それは、これら釈迦や孔子の言葉をよく考えてみると、自分勝手に好きなことをすれば

よい、と言うようには書いてないのです。人間は誰でも長生きをしたいのが本能なのでし

ょうが、真理が解れば、いつ死んでもよいと書いてあるのです。

どうも、これは、未来と言うものがあるから、今は、その未来のために真理を求めて悟

りを得なければならないと言っているのではないでしょうか。

これは、

「長生きするのもよいことには違いないが、それだけが来世のためではなく」

「真理を悟ることが来世のためには良いことだよ」と、言っているように思われる言葉

ではないでしょうか。

誰でも、先のことは分からないのです。しかし現実には、物質的にも、精神的にも、現

在の未知の部分を一生懸命に探ろうとして研究しているではありませんか、それは未来と言う、これから来るであろう時代の幸せのために、今、努力しているのです。

これは自分が自覚している、いない、にかかわらず、唯物論者も唯心論者も来世と言う

未来を深い心の内(本能)に持っているからではないでしょうか。

 この正しい心を見失った一部の人が、今のみに生きるために悪事を重ねているのではないでしょうか。

 お釈迦さんの「今に最前を尽くせ」と言う教えは、とりもなおさず、これから来る未来のための幸せを築くための教えであろうと思います。

 お釈迦さんは来世の存在を十分に解っていて、いろいろ教えを説かれたものと思われます。

 なぜなら、あしたと言う未来が無いのであれば、今、何も努力する必要はない筈だからです。

 

五、阿弥陀経

 私はお経の中でも比較的短いお経である「阿弥陀(あみだ)(きょう)」を自分なりに翻訳(ほんやく)してみましたが、内容は、

 「佛国土」という極楽(ごくらく)世界のことが書かれてあり、そこは大変立派で荘厳(そうごん)慈悲(じひ)(あふ)れ喜びと感謝が満ちているところであって、そこには阿弥陀如来をはじめ多くの悟りを得た佛弟子たちが住んでいるところで、誰でも念仏を称えることによって、阿弥陀さんの方から迎えに来てその「佛国土」という極楽世界に連れて行ってくれると言うのです。

 その内容を少し書いてみますと。

 その時、お釈迦さんは長老の舎利(しゃり)(ほつ)に言った。

 「ここより西方に十万億もあるという佛の国々を過ぎたところに世界がある。」

 「そこを名づけて極楽と言う。その国には(ほとけ)がおられる。その佛は阿弥陀佛(あみだぶつ)と呼ばれて、今、現在も説法(せっぽう)をなされておられる。」と。

 舎利(しゃり)(ほつ)は、

「その国土はなぜ極楽と名づけるか。」と、

 お釈迦さんは、

「その国土の生きとし生けるものは、皆、もろもろの苦しみというものが無く、ただもろもろの楽しみを受けるのみである。故に極楽と名づけるのである。」と・・・。

 舎利(しゃり)(ほつ)に言うには、

「極楽には、普通とは異なったいろいろな鳥がいて、人間の言葉を話し、極楽に住む人々に正しい教えの声を聞かせるのである。それらは皆念仏となり、佛の教えの優れていることを悟らせてくれるのである。そして、これらの鳥が罪の報いによって生ぜられたものを無くしてくれるのである。」と。

 「鳥たちが何故そのようにするかと言うと、この極楽には(さん)(あく)(しゅ)(死後の世界を(しゅ)と言う。地獄(じごく)餓鬼(がき)畜生(ちくしょう)(さん)悪道(あくどう)〉を言う)はないのである。」

 何故ならば、これらもろもろの鳥は阿弥陀佛そのものなのである。そこには欲望に到らしめる説法(法音)の正しい教えが説かれていて、欲望によって行おうとすることを変わらせて極楽へと導くのである。」

 「もし、念仏する男女がおり、阿弥陀佛の教えを聞き、佛の名を忘れないで、心に迷いが起こらなければ、その人の命が終わるとき、佛は多くの菩薩(ぼさつ)たちと共に現れて、このような人の心の迷いを取り除き、直ちに阿弥陀佛の極楽浄土に生まれさせて下さる。」

 以上は「阿弥陀経」の一部を書いたものですが、

 ここには死後は無くなるのではなく、

 「正しい教えを聞いた人は極楽に生まれる」と書いてあり、

 そうでない人は、

 「三悪道(地獄・餓鬼・畜生)に生まれる」と書いてあるのです。

 このお経に関する限り先の質問の、

「如来(悟りを得た人)は死後、存在するか、しないか、」

 の答えは、

 「存在する」と言う答えになるのではないでしょうか。

 また、涅槃経(ねはんぎょう)法句(ほっく)(きょう)に説かれている後世(ごせ)(来世=生まれ変わりの世界)や悪処(あくしょ)(苦しみの世界=輪廻(りんね)転生(てんしょう)の世界=現世)についても生まれ変わりの世界を前提にして語られているのではないでしょうか。

 

おわりに

お釈迦さんは自分で書いたものはひとつも残しておりません。

お釈迦さんの話されたことを、それを聞いた弟子が口伝えに、弟子の弟子に話したものを後ほど書き物として残されたのが「仏典」と言われるものなのです。従って、お釈迦さんの言われたことがそのまま書かれているわけではなく、お釈迦さんの言われた「真意」を、書いた人が自分なりに解釈して書かれたものも多くあるものと思われます。

そうかと言って、お経は偽物(にせもの)だと言うわけではありません。それは、どんなお経でもお釈迦さんの言われたことの趣旨(しゅし)()まえて書いてあるからです。

死後の問題にしても、お釈迦さんは言わなかったかも知れませんが、(すぐ)れた弟子たちは真意が解っていて、伝えられ、いろいろな「経典」が出来たものであろうと思われます。

従って、我々も佛典ばかりでなく、古人の書かれたものはその「真意」を見つめると言うことをする必要があると思います。

平成一一年一〇月刊・平成一六年一月二〇日再刊

 

 

 

 

問題については、『心の世界』『気功療法の応用』にも書いてあります。瞑想の極意も書いてあります。

 

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内容 

 

戦前=軍国主義教育

 

戦中=軍隊(旭川釧路東京=東京大空襲長野終戦)

 

戦後=昭和21年(神戸=MPと遭遇)-昭和22年(東京=進駐軍の横暴)

 

戦後海外で活躍した旧軍人など。